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03 ダブルデート 前編
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あれから2週間、何度かお食事会を重ねるうちに、ローラ様も徐々に自発的にお話ができるようになりました。
レオン様とも会話が弾み、ご趣味も合うようですわ。やはり、わたくしの見込みどおりですわね!
そして、その甲斐あって、ようやく休日に男女でお出かけをするところまで漕ぎつけましたのよ!やはり男女の仲を深める王道といえばデート!ただ、いきなりローラ様とレオン様の2人だけでデートをするのは、ローラ様にはハードルが高いようですので、今回は私もご一緒いたしますの!そして、もう一名・・・
「ふむ。休日に買い物を楽しむというのも、悪くないかもな」
ランド殿下ですわ!今回はボルト様が都合で参加できないため、レジーナ様も欠席です。なので、わたくしが殿下のおとりとなって、ローラ様とレオン様をできるだけ2人きりにするように誘導しなくては!
「殿下は普段なかなか城下で買い物ができませんし、良い息抜きになりますね」
「まぁ!それでしたら、今日は存分にお買い物を楽しみましょう!」
「よろしくお願いいたします」
和やかな雰囲気ですわね。順調なスタートですわよ!本日は午前中にショッピング、城下で人気のカフェで、午後は演劇を見る予定です。かなりの時間を一緒に過ごす訳ですから、これで2人の仲を急速に深めてみせますわ!
・・・
「ローラ嬢にはこのアクセサリーが似合うんじゃないかな?」
「まぁかわいい!レオン様が選ぶものはどれもセンスがあって素敵ですわ♪」
よしよし、2人はいい雰囲気ですわ!じゃあ私も邪魔が入らないように囮にならないと!
「殿下はこちらはいかかですか?」
「俺の趣味じゃないな」
バッサリ。ぐぬぬ、ちゃんと選んだんですけど、殿下のお気には召さなかったようですわ。ですが、このまま引き下がるとレオン様のほうに行ってしまいそうですし、どんどん殿下にオススメしていきますわよ!
「では、これはいかがでしょう?あ!これも殿下に似合いそうだわ♪」
「お、おい。そんな色々渡されても・・・」
「何をおっしゃってるんですか!ショッピングを楽しむには色々試着してみるのが一番ですのよ!」
「そ、そういうものなのか・・・」
「そういうものです!」
強引に色々なアクセサリーを付けさせて時間稼ぎしますわよ!
ふむふむ、しかし、殿下の見目が麗しいせいか、どれもなかなか似合いますわね。この中から一番いいモノは・・・これです!
「私のイチオシはこれですわね。この三日月のネックレスは、殿下の雰囲気にあっていると思いますわ」
「そ、そうか?・・・ふむ、これは悪くないな」
おや、どうやら殿下も満更ではないご様子ですね。さすが、わたくしが選んだ品!
「アテナ嬢にはこれなどどうだ?」
「あら、これは・・・」
殿下の手には、猫のしっぽをイメージしたと思われるデザインのアクセサリーがありました。しっぽの先がくるんとしており、可愛らしいですわね。ぐ、ちょっと悔しいですが、わたくしの好みにドストライクですわ。
「まぁ、かわいい♪わたくし、猫が大好きなのですわ」
「・・・先日の食事会で、アテナ嬢が愛猫の話をしていたのでな」
そう言って、殿下はそっぽを向いてしまいました。あら、まさか殿下がその話を覚えているとは、予想外でしたわ。ご自分の話ばかりされていたので、てっきりわたくしの話は聞いていないと思っていましたが・・・。
「どうでしょうか?」
せっかく殿下が選んでくれたものですし、わたくしは早速試着してみました。なんだかレオン様のほうへ行ってしまいそうな雰囲気ですから、しっかり繋ぎ止めないといけませんわ!
「ふむ、悪くないな。さすが俺が選んだ品だ」
「!あ、ありがとうございます・・・」
ドキっ。び、びっくりしました。普段鋭い目つきの殿下がふっと笑ったんですのよ!わたくし、殿下の笑顔を見るのが初めてで、思わず驚いてしまいました。なかなか心臓に悪いですわね・・・。
「そ、そろそろいいお時間ですから、お会計をして次のお店へ向かいましょう!」
わたくしは思わずそう言ってローラ様達の方へ小走りで駆けてしまいました。くっ!殿下にローラ様達の邪魔をさせまいと遠ざけていたのに、自分から近づいていってしまいました。不覚です。
「あら?アテナ様、顔が少し赤いようですが、大丈夫ですか?」
「え?だ、大丈夫ですのよ、ほほほ」
ローラ様の言葉に慌ててわたくしは誤魔化しました。・・・急に小走りで駆けたので、顔が赤くなってしまっていたようですわ。はしたない真似をしてしまってお恥ずかしいです。レオン様は、私の顔と、私の後ろを見た後、ニコニコとほほ笑んでいらっしゃいました。どうやら殿下も後ろからついてきたようですね。
わたくし達は会計を済ませて、次のお店へ向かうことにいたしました。ローラ様とレオン様は、お互いに選んだアクセサリーをお買いになられて早速つけていらっしゃいました。
・・・わたくしもせっかくですから、殿下に選んでいただいた猫のしっぽのネックレスを付けることといたしましょう。どうやら殿下も、わたくしの選んだ三日月のネックレスを購入されたようです。
レオン様とも会話が弾み、ご趣味も合うようですわ。やはり、わたくしの見込みどおりですわね!
そして、その甲斐あって、ようやく休日に男女でお出かけをするところまで漕ぎつけましたのよ!やはり男女の仲を深める王道といえばデート!ただ、いきなりローラ様とレオン様の2人だけでデートをするのは、ローラ様にはハードルが高いようですので、今回は私もご一緒いたしますの!そして、もう一名・・・
「ふむ。休日に買い物を楽しむというのも、悪くないかもな」
ランド殿下ですわ!今回はボルト様が都合で参加できないため、レジーナ様も欠席です。なので、わたくしが殿下のおとりとなって、ローラ様とレオン様をできるだけ2人きりにするように誘導しなくては!
「殿下は普段なかなか城下で買い物ができませんし、良い息抜きになりますね」
「まぁ!それでしたら、今日は存分にお買い物を楽しみましょう!」
「よろしくお願いいたします」
和やかな雰囲気ですわね。順調なスタートですわよ!本日は午前中にショッピング、城下で人気のカフェで、午後は演劇を見る予定です。かなりの時間を一緒に過ごす訳ですから、これで2人の仲を急速に深めてみせますわ!
・・・
「ローラ嬢にはこのアクセサリーが似合うんじゃないかな?」
「まぁかわいい!レオン様が選ぶものはどれもセンスがあって素敵ですわ♪」
よしよし、2人はいい雰囲気ですわ!じゃあ私も邪魔が入らないように囮にならないと!
「殿下はこちらはいかかですか?」
「俺の趣味じゃないな」
バッサリ。ぐぬぬ、ちゃんと選んだんですけど、殿下のお気には召さなかったようですわ。ですが、このまま引き下がるとレオン様のほうに行ってしまいそうですし、どんどん殿下にオススメしていきますわよ!
「では、これはいかがでしょう?あ!これも殿下に似合いそうだわ♪」
「お、おい。そんな色々渡されても・・・」
「何をおっしゃってるんですか!ショッピングを楽しむには色々試着してみるのが一番ですのよ!」
「そ、そういうものなのか・・・」
「そういうものです!」
強引に色々なアクセサリーを付けさせて時間稼ぎしますわよ!
ふむふむ、しかし、殿下の見目が麗しいせいか、どれもなかなか似合いますわね。この中から一番いいモノは・・・これです!
「私のイチオシはこれですわね。この三日月のネックレスは、殿下の雰囲気にあっていると思いますわ」
「そ、そうか?・・・ふむ、これは悪くないな」
おや、どうやら殿下も満更ではないご様子ですね。さすが、わたくしが選んだ品!
「アテナ嬢にはこれなどどうだ?」
「あら、これは・・・」
殿下の手には、猫のしっぽをイメージしたと思われるデザインのアクセサリーがありました。しっぽの先がくるんとしており、可愛らしいですわね。ぐ、ちょっと悔しいですが、わたくしの好みにドストライクですわ。
「まぁ、かわいい♪わたくし、猫が大好きなのですわ」
「・・・先日の食事会で、アテナ嬢が愛猫の話をしていたのでな」
そう言って、殿下はそっぽを向いてしまいました。あら、まさか殿下がその話を覚えているとは、予想外でしたわ。ご自分の話ばかりされていたので、てっきりわたくしの話は聞いていないと思っていましたが・・・。
「どうでしょうか?」
せっかく殿下が選んでくれたものですし、わたくしは早速試着してみました。なんだかレオン様のほうへ行ってしまいそうな雰囲気ですから、しっかり繋ぎ止めないといけませんわ!
「ふむ、悪くないな。さすが俺が選んだ品だ」
「!あ、ありがとうございます・・・」
ドキっ。び、びっくりしました。普段鋭い目つきの殿下がふっと笑ったんですのよ!わたくし、殿下の笑顔を見るのが初めてで、思わず驚いてしまいました。なかなか心臓に悪いですわね・・・。
「そ、そろそろいいお時間ですから、お会計をして次のお店へ向かいましょう!」
わたくしは思わずそう言ってローラ様達の方へ小走りで駆けてしまいました。くっ!殿下にローラ様達の邪魔をさせまいと遠ざけていたのに、自分から近づいていってしまいました。不覚です。
「あら?アテナ様、顔が少し赤いようですが、大丈夫ですか?」
「え?だ、大丈夫ですのよ、ほほほ」
ローラ様の言葉に慌ててわたくしは誤魔化しました。・・・急に小走りで駆けたので、顔が赤くなってしまっていたようですわ。はしたない真似をしてしまってお恥ずかしいです。レオン様は、私の顔と、私の後ろを見た後、ニコニコとほほ笑んでいらっしゃいました。どうやら殿下も後ろからついてきたようですね。
わたくし達は会計を済ませて、次のお店へ向かうことにいたしました。ローラ様とレオン様は、お互いに選んだアクセサリーをお買いになられて早速つけていらっしゃいました。
・・・わたくしもせっかくですから、殿下に選んでいただいた猫のしっぽのネックレスを付けることといたしましょう。どうやら殿下も、わたくしの選んだ三日月のネックレスを購入されたようです。
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