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護衛さんは女性騎士

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コンコンコン

 ベッドで昼寝していた僕は、ドアのノック音で目を覚ました。

「レイス様、よろしいでしょうか?護衛の者を連れて参りました」

「あ、はい。どうぞ」

 大司祭様の声で僕は慌てて起き上がった。

 そして、返事をした直後にドアが開かれた。

「失礼いたします、レイス様」

 そう言って大司祭様と一人の騎士が入ってきた。

 その騎士は、若くて、長い金髪を後ろでポニーテールにした美しい顔立ちの騎士。

 僕よりも身長が10cmは高そうな、女性の騎士だった。

「こちらが、今日からあなた様を護衛するミーティアでございます」
「ミーティアと申します。今日から、私はレイス様を誠心誠意、命をかけてお守りいたします。よろしくお願いいたします」 

 そう言って、女性騎士・・・ミーティアさんは深々と僕に頭を下げてきた。
 
「レイスです。ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします。」

 僕も慌てて頭を下げる。

「聖女様、頭をお下げにならないでください。教会として、聖女様をお守りするのは当然のことですから」

 慌てたように大司祭様がそうおっしゃったので、僕は頭を上げた。

「彼女は我が教会唯一の女性神殿騎士。実力も人柄も申し分ありません。聖女様の護衛をする上で、同じ女性のほうが色々と良いと思いまして、人選いたしました。何かお困りの事がありましたら、彼女に遠慮なくお伝えください」

 なるほど、色々配慮してミーティアさんを選んでくれたんだな。
 ますます、僕が男だと言い出せない状況になっちゃった。

「それでは、私は務めがありますので、これで失礼いたします」

 そう言って、大司祭様は部屋を後にした。

 残されたのは、僕とミーティアさんの2人だけだ。

「レイス様・・・私はあなた様に大変な恩義がございます」
「え?」

 急にミーティアさんがそんなことを言ってきた。
 初対面のはずなのに、なんで僕に恩義を感じてるんだろう?

「実は、今日、レイス様が助けてくださった老婆は・・・私の祖母なのです」

「えぇ!?そうだったんですか!?」

 なんて偶然なんだ!

「はい。私も祖母が刺されたという話を同僚の神殿騎士から聞きまして、急いで様子を見に戻ったのですが、傷一つなく元気な姿をしておりました。ミルティ・・・妹から聞けば、瀕死の重傷だったのにも関わらず、聖女様の奇跡の光でお救いくださったとのこと。本当に感謝してもしきれません」

 そう言って、ミーティアさんは僕の手を両手でぎゅっと握って顔を近づけてきた。

 か、顔が近いよ・・・。

 こんな綺麗な顔の凛々しい人に顔を近づけられて、僕は顔を真っ赤にしてしまった。

「先ほども申しましたが、私はあなた様に忠誠をお誓いします!どんな敵からもあなた様をお守りいたしますし、あなた様のためなら、どんなことでもいたします!」

 真剣な顔でそう言ってくるミーティアさん。

 ど、どんなことでも・・・。

 ごくり。
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