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一章
就業だけは出来るんです
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私は、仕事に就いては辞めてを繰り返している。
その理由は様々だ。体力的に続かなかったり、人間関係で揉めたり、契約の事でトラブルになったりと、自他に原因があって辞めている。
結果、まともな収入になったのはたかが知れていて、ほとんどは収入にもならない収入になって終わっている。
それについて本間先生はストレス過多だと指摘している。母は継続性のなさだと言っている。今まで付き合いのあった人達も言う事が様々で、正直私はどれが本当なのか分からない。
しかし、どれも本当なのかもしれない。
実際私はストレス過多になると、自分自身の中に閉じこもるし、愚痴が多くなる。それが母曰く徴候らしく、結果続かず辞めている。故に、継続性のなさはそこから来ていると思われる。
他にも、人間関係を長く断ってきた事やら、正義感が邪魔するやらと言われて、私は何が原因なのか自分自身定かではない。
正直に言えば、仕事ってどうやって続けるのだろうと真面目に悩んでいる節もある。他の人はどうやって仕事を続けているのだろうと。
皆生活が懸かっているとか、趣味やお金のためとか言うが、それを言うなら私も同じだ。趣味のため、お金のため、生活のために頑張ろうとしているが、その途中でどうも前述の事で辞めてしまう。
そのためか、これまで職種も転々とした。データ入力、一般事務、接客販売、営業、介護、工場作業員、建築作業員、オペレーター、リーダー、SV。
それのどれでも長続きせず、何かしらの理由で辞めている。およそ、一般的な仕事はおおかた就いた。これ以上何の職業に就けというのか。
そんな私の事を理解してくれた本間先生や地域活動支援センターの市川さんはこう言った。
「まぁ、仕事は出来るんでしょうね」と本間先生。
「どのお仕事でも仕事を任されるのは才能ですよ」と市川さん。
それで自信がついたとしても私の疑問符は解けない。
それで続かないってなんですか。それも才能や個性ですか。この先ずっとこうなんですかね――と。
市川さんは定年退職していてもう尋ねる事は出来ない。本間先生には一度尋ねたら「う~ん」と渋られた。いや、先生そこで渋っちゃダメでしょ、とまでは言わなかったが、先生が何かをかわそうとしたというのは受け取った。
つまりは、私の続かなさは病的で、人間関係なのかストレス過多から来るものなのか。とかく、何かしらの原因があるけれど、分からないというのが本音なのだろう。
それを機に本間先生からは日記だけは継続するように言われて、市川さんには今後の目標は三か月ですねと言われた。仕事三か月頑張ったらご褒美が貰えるらしいが、はっきり言う。私はおままごとでもしてるのかっ――と。
しかし、それくらいダメダメなのだ。仕事の継続性に関してだけで言えば。
次のお仕事はどうしようこうしようと考えているうちに、訪問看護の訪問日がやってくる。
私は憂鬱な気持ちになる。福祉関係のサービスを利用する度に同じような事を話している気がするからだ。
とりあえず、近いうちにお仕事には就こう。就業だけは出来るから――。
その理由は様々だ。体力的に続かなかったり、人間関係で揉めたり、契約の事でトラブルになったりと、自他に原因があって辞めている。
結果、まともな収入になったのはたかが知れていて、ほとんどは収入にもならない収入になって終わっている。
それについて本間先生はストレス過多だと指摘している。母は継続性のなさだと言っている。今まで付き合いのあった人達も言う事が様々で、正直私はどれが本当なのか分からない。
しかし、どれも本当なのかもしれない。
実際私はストレス過多になると、自分自身の中に閉じこもるし、愚痴が多くなる。それが母曰く徴候らしく、結果続かず辞めている。故に、継続性のなさはそこから来ていると思われる。
他にも、人間関係を長く断ってきた事やら、正義感が邪魔するやらと言われて、私は何が原因なのか自分自身定かではない。
正直に言えば、仕事ってどうやって続けるのだろうと真面目に悩んでいる節もある。他の人はどうやって仕事を続けているのだろうと。
皆生活が懸かっているとか、趣味やお金のためとか言うが、それを言うなら私も同じだ。趣味のため、お金のため、生活のために頑張ろうとしているが、その途中でどうも前述の事で辞めてしまう。
そのためか、これまで職種も転々とした。データ入力、一般事務、接客販売、営業、介護、工場作業員、建築作業員、オペレーター、リーダー、SV。
それのどれでも長続きせず、何かしらの理由で辞めている。およそ、一般的な仕事はおおかた就いた。これ以上何の職業に就けというのか。
そんな私の事を理解してくれた本間先生や地域活動支援センターの市川さんはこう言った。
「まぁ、仕事は出来るんでしょうね」と本間先生。
「どのお仕事でも仕事を任されるのは才能ですよ」と市川さん。
それで自信がついたとしても私の疑問符は解けない。
それで続かないってなんですか。それも才能や個性ですか。この先ずっとこうなんですかね――と。
市川さんは定年退職していてもう尋ねる事は出来ない。本間先生には一度尋ねたら「う~ん」と渋られた。いや、先生そこで渋っちゃダメでしょ、とまでは言わなかったが、先生が何かをかわそうとしたというのは受け取った。
つまりは、私の続かなさは病的で、人間関係なのかストレス過多から来るものなのか。とかく、何かしらの原因があるけれど、分からないというのが本音なのだろう。
それを機に本間先生からは日記だけは継続するように言われて、市川さんには今後の目標は三か月ですねと言われた。仕事三か月頑張ったらご褒美が貰えるらしいが、はっきり言う。私はおままごとでもしてるのかっ――と。
しかし、それくらいダメダメなのだ。仕事の継続性に関してだけで言えば。
次のお仕事はどうしようこうしようと考えているうちに、訪問看護の訪問日がやってくる。
私は憂鬱な気持ちになる。福祉関係のサービスを利用する度に同じような事を話している気がするからだ。
とりあえず、近いうちにお仕事には就こう。就業だけは出来るから――。
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