15 / 16
16 後日談1
しおりを挟む
ジェイドの予告通り、卒業式から1ヶ月後に結婚式を挙げた。
花嫁衣装は侯爵家の威厳を表し、尚且つ私好みで私にピッタリサイズだった。一体いつから用意していたのだろう。1ヶ月ではとても用意できるものではない。
デコルテと背中をだすデザインのため、私は侍女達からお小言をもらっている。
「ジェイド様の暴走もわかりますが、リリアナ様がきちんとお止めしてくださらないと。ベールを付けるとはいえこの跡を隠すのは大変ですよ。」
胸元や背中に散った赤い跡をお化粧で隠しながら「ジェイド様が自分でこのドレスを決めたのだからわかるでしょうに。」とブツブツ言っている侍女達にひたすら謝った。
そして時間をオーバーしながら着替えが無事終わると、待ちかねたようにジェイドが部屋に入ってくる。
「リリィ。ああ、凄く綺麗だ。君にとても似合ってる。そのデザインにして正解だったね。」
疲れ切っている侍女達に申し訳ない思いだが、ジェイド様の言葉は素直に嬉しい。礼を言っていると横から疲れ果てた侍女が厳しい顔をして
「ジェイド様。このデザインをご自身が選ばれたのならお解りですよね?私達の苦労も。」
最初はキョトンとしていたジェイドだが、
「ああ、キスマークか。アレはリリィが可愛らしいのがいけない。
だが確かに手間をかけさせたようだな。特別手当を出そう。疲れさせただろう。今日はもう休んで良い。明日も休みにしよう。ゆっくり休んでくれ。」
侍女達は納得したのか、そのまま部屋から出ていった。
ジェイドは徐ろに顔を近づけキスをしようとした。とっさに顔を背け口を避けたリリアナに
「リリィ?どうして、逃げるの?」
無表情で淡々と言う。美形の無表情ってなんだか怖い。恐る恐る後ろに下がるが壁まで追い詰められた。
手を捕まれ壁に縫い付けられる。
「あ、あの。ジェイド様。そのキ、キスをしては侍女達がしてくれたせっかくの化粧が崩れてしまいます。侍女達はもう既に下がっているのですから、化粧直しもできません。結婚式には綺麗なままでいたいです。」
ジェイドは無表情から一転し、暗い笑みを浮かべ「では後の楽しみにとっておきましょう」と額にキスを落とした。
リリアナは後のことを考えると怖いがとりあえずジェイドを止められてホッとした。
花嫁衣装は侯爵家の威厳を表し、尚且つ私好みで私にピッタリサイズだった。一体いつから用意していたのだろう。1ヶ月ではとても用意できるものではない。
デコルテと背中をだすデザインのため、私は侍女達からお小言をもらっている。
「ジェイド様の暴走もわかりますが、リリアナ様がきちんとお止めしてくださらないと。ベールを付けるとはいえこの跡を隠すのは大変ですよ。」
胸元や背中に散った赤い跡をお化粧で隠しながら「ジェイド様が自分でこのドレスを決めたのだからわかるでしょうに。」とブツブツ言っている侍女達にひたすら謝った。
そして時間をオーバーしながら着替えが無事終わると、待ちかねたようにジェイドが部屋に入ってくる。
「リリィ。ああ、凄く綺麗だ。君にとても似合ってる。そのデザインにして正解だったね。」
疲れ切っている侍女達に申し訳ない思いだが、ジェイド様の言葉は素直に嬉しい。礼を言っていると横から疲れ果てた侍女が厳しい顔をして
「ジェイド様。このデザインをご自身が選ばれたのならお解りですよね?私達の苦労も。」
最初はキョトンとしていたジェイドだが、
「ああ、キスマークか。アレはリリィが可愛らしいのがいけない。
だが確かに手間をかけさせたようだな。特別手当を出そう。疲れさせただろう。今日はもう休んで良い。明日も休みにしよう。ゆっくり休んでくれ。」
侍女達は納得したのか、そのまま部屋から出ていった。
ジェイドは徐ろに顔を近づけキスをしようとした。とっさに顔を背け口を避けたリリアナに
「リリィ?どうして、逃げるの?」
無表情で淡々と言う。美形の無表情ってなんだか怖い。恐る恐る後ろに下がるが壁まで追い詰められた。
手を捕まれ壁に縫い付けられる。
「あ、あの。ジェイド様。そのキ、キスをしては侍女達がしてくれたせっかくの化粧が崩れてしまいます。侍女達はもう既に下がっているのですから、化粧直しもできません。結婚式には綺麗なままでいたいです。」
ジェイドは無表情から一転し、暗い笑みを浮かべ「では後の楽しみにとっておきましょう」と額にキスを落とした。
リリアナは後のことを考えると怖いがとりあえずジェイドを止められてホッとした。
2
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
親友が変わってしまったので、留学したら溺愛されてしまいました。
ててて
恋愛
幼少期から一緒に過ごしていた幼馴染
とても無邪気で純粋で、みんなに愛された女の子。
だが、学園に入って親友は変わってしまった
身分違いだというのに、王子を追いかけ回して
王子の婚約者に目をつけられるようにかるが、お構い無しだ。
しかも本人は狂ったように変な発言が増えた。
「あなたは私の親友でしょ!?私のサポートをしなきゃいけないのに!!」
「サポートキャラのはずなのに、なんで!?
サポート全然してくれない!」
彼女は私の知ってる彼女ではなくなってしまった。
婚約者を持つ王子に近づきすぎてはいけないし、その周りの側近や護衛にまでちょっかいをかけてはいけない。と諭したら、
「サポートしてくれないなら、貴方いらないわ。邪魔」
そこから、彼女は事あるごとに私を虐めてくるようになった。
いつから彼女は変わってしまったんだろう。
親友だと思っていた彼女に裏切られ、ショックで病んでしまった主人公:セレシアが、留学を機に何故か隣国で愛されてしまう話。
悪役令嬢の涙
拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。
【完結】理不尽な婚約破棄には婚約破棄返しを!浮気相手を連れて婚約破棄だなんておかしいですよね?婚約破棄はこちらからします。
里音
恋愛
目の前には女性を連れた婚約者。
そして婚約者が声高に叫ぶ。
「お前とは婚約破棄だ。」
どう見ても婚約破棄を突きつけるのは私のほうでしょう?
ーーーーーーーー
軽く読めるような作品を目指して作りました。
設定などゆるゆるです。ご了承ください。
危害を加えられたので予定よりも早く婚約を白紙撤回できました
しゃーりん
恋愛
階段から突き落とされて、目が覚めるといろんな記憶を失っていたアンジェリーナ。
自分のことも誰のことも覚えていない。
王太子殿下の婚約者であったことも忘れ、結婚式は来年なのに殿下には恋人がいるという。
聞くところによると、婚約は白紙撤回が前提だった。
なぜアンジェリーナが危害を加えられたのかはわからないが、それにより予定よりも早く婚約を白紙撤回することになったというお話です。
死に戻ったわたくしは、あのひとからお義兄様を奪ってみせます!
秋月真鳥
恋愛
アデライドはバルテルミー公爵家の養子で、十三歳。
大好きな義兄のマクシミリアンが学園の卒業式のパーティーで婚約者に、婚約破棄を申し入れられてしまう。
公爵家の後継者としての威厳を保つために、婚約者を社交界に出られなくしてしまったマクシミリアンは、そのことで恨まれて暗殺されてしまう。
義兄の死に悲しみ、憤ったアデライドは、復讐を誓うが、その拍子に階段から落ちてしまう。
目覚めたアデライドは五歳に戻っていた。
義兄を死なせないためにも、婚約を白紙にするしかない。
わたくしがお義兄様を幸せにする!
そう誓ったアデライドは十三歳の知識と記憶で婚約者の貴族としてのマナーのなってなさを暴き、平民の特待生に懸想する証拠を手に入れて、婚約を白紙に戻し、自分とマクシミリアンの婚約を結ばせるのだった。
ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
ヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。
kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。
前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。
やばい!やばい!やばい!
確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。
だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。
前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね!
うんうん!
要らない!要らない!
さっさと婚約解消して2人を応援するよ!
だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。
※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる