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16 後日談1

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ジェイドの予告通り、卒業式から1ヶ月後に結婚式を挙げた。

花嫁衣装は侯爵家の威厳を表し、尚且つ私好みで私にピッタリサイズだった。一体いつから用意していたのだろう。1ヶ月ではとても用意できるものではない。
デコルテと背中をだすデザインのため、私は侍女達からお小言をもらっている。

「ジェイド様の暴走もわかりますが、リリアナ様がきちんとお止めしてくださらないと。ベールを付けるとはいえこの跡を隠すのは大変ですよ。」

胸元や背中に散った赤い跡をお化粧で隠しながら「ジェイド様が自分でこのドレスを決めたのだからわかるでしょうに。」とブツブツ言っている侍女達にひたすら謝った。

そして時間をオーバーしながら着替えが無事終わると、待ちかねたようにジェイドが部屋に入ってくる。

「リリィ。ああ、凄く綺麗だ。君にとても似合ってる。そのデザインにして正解だったね。」

疲れ切っている侍女達に申し訳ない思いだが、ジェイド様の言葉は素直に嬉しい。礼を言っていると横から疲れ果てた侍女が厳しい顔をして

「ジェイド様。このデザインをご自身が選ばれたのならお解りですよね?私達の苦労も。」

最初はキョトンとしていたジェイドだが、

「ああ、キスマークアレか。アレはリリィが可愛らしいのがいけない。
だが確かに手間をかけさせたようだな。特別手当を出そう。疲れさせただろう。今日はもう休んで良い。明日も休みにしよう。ゆっくり休んでくれ。」

侍女達は納得したのか、そのまま部屋から出ていった。
ジェイドは徐ろに顔を近づけキスをしようとした。とっさに顔を背け口を避けたリリアナに

「リリィ?どうして、逃げるの?」

無表情で淡々と言う。美形の無表情ってなんだか怖い。恐る恐る後ろに下がるが壁まで追い詰められた。
手を捕まれ壁に縫い付けられる。

「あ、あの。ジェイド様。そのキ、キスをしては侍女達がしてくれたせっかくの化粧が崩れてしまいます。侍女達はもう既に下がっているのですから、化粧直しもできません。結婚式には綺麗なままでいたいです。」

ジェイドは無表情から一転し、暗い笑みを浮かべ「では後の楽しみにとっておきましょう」と額にキスを落とした。

リリアナは後のことを考えると怖いがとりあえずジェイドを止められてホッとした。

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