王様のナミダ

白雨あめ

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その扉の先は2

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俺の言葉に太陽くんの表情が歪む。


「は? なんでしのにそんなこと言われなくちゃいけないんだ!! 俺は、りくとっ」

「俺に触るな。」

「えっ、りく......。」


会長の一言に、俺を睨みつけていた瞳が揺れる。



「何回言ったらわかんだ、あ? 気安く名前を呼ぶんじゃねぇ。俺はお前の友達でもなんでもねぇ。」

「え、あ! り、りくは友達だろ! どうしても友達がいやなら、こ、こ、恋人になれば」

「あ? ......てめぇ、なに言ってんだ。」


少しばかり目を見開き、転校生を訝しげに見つめる会長に、こちらも同じ反応をする他ない。




いま、太陽くん。

恋人って言った?

なんでそんな話になってるんだろう。


いろいろ不安になり太陽くんを見れば、彼は俯き、拳をぎゅっと握りしめた。
そして、大きく深呼吸したかと思うと、開いた右手を頭の上へとのせる。


バサリ、と取り払われる黒。
その下から、



「あっ。」



現れたのは、見事なまでの金色で。


「......すごい。」


ありきたりな表現だけど、そう表現するしかないようなきれいな金髪。

こちらが今の状況も忘れて感心していると彼の目からぼろぼろと大粒の涙があふれだす。
その涙は余計なお飾りと、薄い黒を剥がしていく。

見えたのは、ひどく綺麗で、熱いあお。


目の前に現れた、本物の太陽くんを見てただ呆気に取られてしまう。


「うほっほー!? ついにきたよっ。きたよっ。王道転校生の本当の姿を見せるときが!」

「うんうーん。きちゃいましたねぇ。ゆうさんー。これぞ王道展開ですよぉ。」

「ひっひっひ。やばい、笑いがとまらぬ。」

「いやー、とめてぇ。その顔、すごく気持ち悪いからぁ。」



うん。それは俺も思った。

そして、悠。あとで絶対殴ってやる。
カシャカシャ、って絶対盗撮してるだろ。

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