23 / 43
悪戯すぎる修行! 4
しおりを挟む
結局私はそのまま眠ってしまい、気がついたら夜になってしまっていました。
部屋の中が魔法での灯りのみになり、カーテンは閉め切られています。
裸のままアーレン様のベッドを占領……しかも体を綺麗に拭われていました。服までは着せてもらえなかったようですが、そこまでしてもらっていたら恐縮するというか恥ずかしい! なので裸でむしろほっとしています。
「目が醒めたのか」
体を起こしたところで声がかかり、私はびくっと振り向きました。
「アーレン様!」
「そのまま起きないようなら、添い寝してやろうと思っていたんだがな」
淡々と、当たり前のようにそんなこと言わないでください。私まだドキドキしてるんですよっ。
「服はそこだ。グロリアからもらってきた。さっさと服を着ろ」
ベッドの足下に衣服一式が用意されているのを見て、私はあわわと羞恥で熱くなります。下着までちゃんとある!
アーレン様はグロリア様になんて説明したんでしょう? 恐くて聞けません。
「あ、あっち向いててくださいね!」
私はしどろもどろにアーレン様に言いながら、背中を向けてもそもそと下着をはき始めました。この世界の下着は現代日本の下着に比べてはきづらいのです。慣れるのに時間がかかったんですよね、ちょっとだけ。
ようやく服一式を着て人心地つくと、アーレン様のほうを向きます。
そして、はわわと慌てました。アーレン様、こっち見てる!
「ひ、人の着替えを見てるなんて破廉恥ですよ!」
「もう破廉恥どころじゃないことをしたつもりだが?」
「そそそれとは別問題なんです! 私にも羞恥心くらいあるんですっ! 気を遣ってくださいー!」
「あんなに最中には俺が欲しい俺が欲しいと煽っていたくせにな」
いやああ言わないで! 私だって、今思えばなんてことをと思ってるのに!!!
アーレン様はくっ、と笑いました。
そして、近くの机に置いてあったものを私の前まで運んできてくれました。食事です!
「昼食も夕食も抜いたからな、お前は。食える分だけ食え」
疲れ切った体にも食べやすそうなパンとスープとサラダ……! ああレンジュ君、ありがとう。
あの行為ってものすごく体にクるものなんですね。もう体中がビシビシです。特に内股。内股……これ筋肉痛になる気がするんですが、世の中の皆さんもそうなんでしょうか?
それにしても……。
(お、お昼前からあんなことしちゃったんだ……)
今さらながらに恥ずかしさで顔が熱い。でもでも、私のせいじゃないですよね。あんなこと始めたアーレン様が悪いんだから!
アーレン様は、色気もなく食事にかぶりつく私の隣にゆっくり座りました。
その碧い瞳が私をずっと見ています。
「……人の食事をまじまじ見るのも破廉恥です……」
「食事はいつも見ているし構わんだろうが」
「そうですけど、そうまじまじ見られるとですね――」
「今はお前を見ていたい気分なんだ」
そう言って、私の長い髪をさらっと手で流すアーレン様。
表情があまり動かないのはいつもの通りですが、な、なんか……雰囲気が変わっちゃったような?
「食事が終わったら湯浴みに行ってこい。その後は……そうだな。戻ってくるか?」
「へ? それって」
「一緒に寝てやる」
私の胸がまたドキンと高鳴りました。も、もしや続きをする……とか!
一瞬期待してしまったのですが(期待する私も私ですが)、アーレン様は真顔になって、
「この際、お前に話しておきたいことがたくさんある」
「お話……」
全然違いました。
覚えなきゃいけないことがまた増えるのかあ、と私ががっくり肩を落とすと、アーレン様は私の髪を一房とって口づけました。
「お前を俺のパートナーとして社交界デビューさせる。その下準備だ」
え……え?
それってどういう……
それ以前に、髪に口づけなんて! ああもう、髪に神経通ってるかもしれないと思ったのは初めてですよ!
これ以上私の動悸を激しくさせないでええええ!
部屋の中が魔法での灯りのみになり、カーテンは閉め切られています。
裸のままアーレン様のベッドを占領……しかも体を綺麗に拭われていました。服までは着せてもらえなかったようですが、そこまでしてもらっていたら恐縮するというか恥ずかしい! なので裸でむしろほっとしています。
「目が醒めたのか」
体を起こしたところで声がかかり、私はびくっと振り向きました。
「アーレン様!」
「そのまま起きないようなら、添い寝してやろうと思っていたんだがな」
淡々と、当たり前のようにそんなこと言わないでください。私まだドキドキしてるんですよっ。
「服はそこだ。グロリアからもらってきた。さっさと服を着ろ」
ベッドの足下に衣服一式が用意されているのを見て、私はあわわと羞恥で熱くなります。下着までちゃんとある!
アーレン様はグロリア様になんて説明したんでしょう? 恐くて聞けません。
「あ、あっち向いててくださいね!」
私はしどろもどろにアーレン様に言いながら、背中を向けてもそもそと下着をはき始めました。この世界の下着は現代日本の下着に比べてはきづらいのです。慣れるのに時間がかかったんですよね、ちょっとだけ。
ようやく服一式を着て人心地つくと、アーレン様のほうを向きます。
そして、はわわと慌てました。アーレン様、こっち見てる!
「ひ、人の着替えを見てるなんて破廉恥ですよ!」
「もう破廉恥どころじゃないことをしたつもりだが?」
「そそそれとは別問題なんです! 私にも羞恥心くらいあるんですっ! 気を遣ってくださいー!」
「あんなに最中には俺が欲しい俺が欲しいと煽っていたくせにな」
いやああ言わないで! 私だって、今思えばなんてことをと思ってるのに!!!
アーレン様はくっ、と笑いました。
そして、近くの机に置いてあったものを私の前まで運んできてくれました。食事です!
「昼食も夕食も抜いたからな、お前は。食える分だけ食え」
疲れ切った体にも食べやすそうなパンとスープとサラダ……! ああレンジュ君、ありがとう。
あの行為ってものすごく体にクるものなんですね。もう体中がビシビシです。特に内股。内股……これ筋肉痛になる気がするんですが、世の中の皆さんもそうなんでしょうか?
それにしても……。
(お、お昼前からあんなことしちゃったんだ……)
今さらながらに恥ずかしさで顔が熱い。でもでも、私のせいじゃないですよね。あんなこと始めたアーレン様が悪いんだから!
アーレン様は、色気もなく食事にかぶりつく私の隣にゆっくり座りました。
その碧い瞳が私をずっと見ています。
「……人の食事をまじまじ見るのも破廉恥です……」
「食事はいつも見ているし構わんだろうが」
「そうですけど、そうまじまじ見られるとですね――」
「今はお前を見ていたい気分なんだ」
そう言って、私の長い髪をさらっと手で流すアーレン様。
表情があまり動かないのはいつもの通りですが、な、なんか……雰囲気が変わっちゃったような?
「食事が終わったら湯浴みに行ってこい。その後は……そうだな。戻ってくるか?」
「へ? それって」
「一緒に寝てやる」
私の胸がまたドキンと高鳴りました。も、もしや続きをする……とか!
一瞬期待してしまったのですが(期待する私も私ですが)、アーレン様は真顔になって、
「この際、お前に話しておきたいことがたくさんある」
「お話……」
全然違いました。
覚えなきゃいけないことがまた増えるのかあ、と私ががっくり肩を落とすと、アーレン様は私の髪を一房とって口づけました。
「お前を俺のパートナーとして社交界デビューさせる。その下準備だ」
え……え?
それってどういう……
それ以前に、髪に口づけなんて! ああもう、髪に神経通ってるかもしれないと思ったのは初めてですよ!
これ以上私の動悸を激しくさせないでええええ!
0
お気に入りに追加
355
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【完結】「聖女として召喚された女子高生、イケメン王子に散々利用されて捨てられる。傷心の彼女を拾ってくれたのは心優しい木こりでした」
まほりろ
恋愛
聖女として召喚された女子高生は、王子との結婚を餌に修行と瘴気の浄化作業に青春の全てを捧げる。
だが瘴気の浄化作業が終わると王子は彼女をあっさりと捨て、若い女に乗
り換えた。
「この世界じゃ十九歳を過ぎて独り身の女は行き遅れなんだよ!」
聖女は「青春返せーー!」と叫ぶがあとの祭り……。
そんな彼女を哀れんだ神が彼女を元の世界に戻したのだが……。
「神様登場遅すぎ! 余計なことしないでよ!」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿しています。
※カクヨム版やpixiv版とは多少ラストが違います。
※小説家になろう版にラスト部分を加筆した物です。
※二章に王子と自称神様へのざまぁがあります。
※二章はアルファポリス先行投稿です!
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて、2022/12/14、異世界転生/転移・恋愛・日間ランキング2位まで上がりました! ありがとうございます!
※感想で続編を望む声を頂いたので、続編の投稿を始めました!2022/12/17
※アルファポリス、12/15総合98位、12/15恋愛65位、12/13女性向けホット36位まで上がりました。ありがとうございました。
騎士団長のアレは誰が手に入れるのか!?
うさぎくま
恋愛
黄金のようだと言われるほどに濁りがない金色の瞳。肩より少し短いくらいの、いい塩梅で切り揃えられた柔らかく靡く金色の髪。甘やかな声で、誰もが振り返る美男子であり、屈強な肉体美、魔力、剣技、男の象徴も立派、全てが完璧な騎士団長ギルバルドが、遅い初恋に落ち、男心を振り回される物語。
濃厚で甘やかな『性』やり取りを楽しんで頂けたら幸いです!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる