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浴室

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 離宮の西側に位置する浴室は、夕日に満たされていた。

 季節は初夏。
 日中にこもった熱気と、湯の湿度で、入っただけで、しっとりと汗ばんだ。
 年配侍女は、妃をわたしに頼み、自らは着替えを探しに離宮を出ていった。

 お仕着せの長い裳裾を手繰り寄せながら、もう片方の手で、翠妃を浴室にみちびきいれる。

「敷布を、お預かりしますね」

 ためらう様子はあったものの、まとった布を渡してくれた。

 あらわになった肢体は、思いの外女性らしく、くびれたウエストから臀部への曲線はなかなかのものだった。

 少女に見えたのは、顔に残った幼さと、身長がこの国の平均よりもやや低めだからか。
 160センチのわたしよりも、目線がやや下にあった。

 まだ可愛らしさの方が勝るが、あと4、5年もすればなかなかの美人になるのではないか。

 つい先程まで、皇太子はこの体を愛していたわけね……。

 抱きしめ、
 舐め、
 ときには噛んだりしたのかしら、
 そして、この太腿を開いて、中に……。

 好奇心が刺激されすぎて、じっくり観察したい気持ちはあるけれど、失礼と思われるのも良くないので、少し目を逸らす素振りを見せながら、でもやっぱりそこかしこを観察してしまう。

 あら、胸にキスマークが……。

 視線を感じたのか、両腕で胸を覆い隠すが、かえって下半身があらわになっている。

 下腹部には毛はない。
 この国の女性は基本的に剃っているものらしい。
 日本から来たわたしからすると、整えるのはともかく、ほぼ全部剃るか抜くかしてしまうのは、なかなか抵抗があるなぁ。

 男性は喜ぶのかもしれないけど……。

「あっ……」

 翠妃が、身じろぎし、足の付け根を気にする素振りを見せた。

 つられてわたしもそこに目を遣る。

 白くやわらかい内腿に、ドロリと精液が垂れてきていた。
 破瓜の血が混じり、ピンクに染まっている。

 うわぁ、これは……エッチい……。

「ああ……、もうっ、すごく恥ずかしいです……」

 翠妃は、手で顔を覆って、浴室の床にうずくまってしまったが、どう声をかければいいのか、どう対応してあげたらいいのか、まだ、経験の無いわたしにはわからなかった。

 一人にしてあげた方がいいのかしら???

「わたくしは冷たいお茶をご用意して参りますね、お湯から上がられましたら、お呼びくださいませ」

 お茶は、多分、年配侍女が用意しているとは思うけど、もっともらしい口実を告げて、この場を去らせて頂こう。

 翠妃が、こくこくと頷くのを確認して、一礼すると、わたしは浴室を後にしたのだった。
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