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4 水の神殿1
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気がついた時、私は知らない部屋に立っていた。
「ここは?」
柱に触れた手は、ひんやり冷たい石の感触を伝える。青い瑪瑙だ。
そこは床も壁も、天井も全て青い不思議な部屋だった。
部屋というのは少しおかしいかもしれない。
まるで宮殿の広間ような場所なのだ。
体育館よりも広く、天井もかなり高い。五階くらいの高さで吹き抜けになっていて、その上中央に向かって弧を描いて高くなっていた。
柱が幾本も天に向かって伸び、互いに支え合うようにアーチを作っている。
瑪瑙の微妙なグラデーションが、壁の陰影を鮮やかに描き出し、まるで水の底にいるような錯覚を覚えるのだ。
「綺麗ー!」
それは荘厳な美しさだった。
私の前には一段高い祭壇のようなところがあり、そこには透明の水の湛えられた大きな水盤が置かれている。
「ここはイスターラヤーナの水の神殿です」
すぐ近くで、リューンと名乗った少年の声がした。
「神殿?」
ああ、わかった。それでここは神聖な空気が漂っているんだ。
でも不思議。祭壇のどこにも十字架や神様の像とかがない。
一体何を拝むんだろう。
「ここは水の精霊をまつる神殿です。神官はここで水盤の鏡を用いて、精霊の声を聞くのです」
ということは、あの水盤が十字架の代わりか。
「どうして?ついさっきまで家にいたはずなのに」
「水の神官が僕たちを引き戻してくれたのです。次元を繋いで」
「次元を繋ぐ?」
私が聞き返した時、ギギーッと重そうな音を立てて、部屋の後ろにある扉が開いた。
「ようこそ。風の乙女よ」
ドキッとするほど綺麗なテノール。
振り返った私はそこで、イケメン大好きの那智が見たら狂喜乱舞するような光景を見た。
白に金の縫い取りがしてある長衣の青年がゆっくりと入ってくる。
腰まである長い金髪が、窓から入る光に燦然と輝いて眩しいこと、クラクラしちゃう。
すっごい美形!
こんな人初めて見たわ。
端正な顔立ちは華やかなのに気品があって、冷たそうな印象を受けるのにどこか優しげで……ともすれば女性と見られそうな女顔なのに決してなよなよしさはなく、むしろ男性らしさを漂わせている。
顔や身体の個々の部分もさながら、そのバランスはまさに絶妙。
これでもか、というほど非の打ち所がない。
淡く青みがかった真っ直ぐな金髪、不思議な青いオパール色の瞳、白磁の肌。
俗っぽさが全然感じられない様は神か天使を思わせる。
服装から言って、多分この人が水の神官だろう。
「この方はアルファーディ殿。このイスターラヤーナの水の神官長です。彼は僕の先生でもあるんです」
紹介されて、彼がニッコリ微笑んだ。
うおうっ!光がキラリンキラリン散乱している!
「アルファと呼んでください」
私は危うくポカっと開いた口から涎を垂らすところだった。危ない危ない。
いることろにはいるのね、こういう超絶美形って……
あー、目がチカチカする。
「風の乙女、貴女の御名前は?」
「水城瑠羅。みんなはルーとかルーラって呼ぶわ」
「ルーラ様ですか」
んー、この人に呼ばれるとこの名前もしっくり来る。きっと、こういう麗しい人が口にすると、何でも様になるんだろう。
「リューン、ルーラ様に事情を説明しましたか?」
「いいえ、翼に動揺されていたので、まずはこちらに来ていただこうと思って。僕もどうも目をつけられていたようです」
「不用意に力を使いすぎたようですね」
「すみません」
「いいえ、仕方ないですね」
「あのー」
遠慮しつつ話しかけると、アルファさんは私に向き直り、ふんわりと笑みを浮かべた。
「ルーラ様、貴女がこちらの世界で生まれたことは、リューンから聞いていますね?」
私は戸惑いながら頷く。
「信じられないけどそうなの?」
「信じられないのはわかります。私たちもつい最近まで知らなかったのです。ですが、風の神官長の娘として貴女は生まれてすぐにあちらの世界へ送られました。それで、このリューンをお迎えに遣らせたのです」
「どうして?私はあのままが良かったのに」
パパ達が本当の親だなんて知りたくなかった。友達もいるし、好きな人——はいなかったけど、毎日それなりに楽しかったのに。
アルファさんの目は、そんな私の思いを見透かしているようだった。
「申し訳ありませんでした。貴女に来ていただいたのは、実はあることをしていただきたいからなのです」
「あること?」
「はい、国一つの行く末に関わることです。不安に思われているとは思いますが、私たちを助けると思って、どうか」
そう言って金色の頭を下げた。
こんな人に頼まれたら嫌なんて言えない。
でも国一つってどういうこと?
あんまり大変なことは自信がないぞ。
「女王陛下がもうすぐいらっしゃるはずですから、それからお話しします」
へー、女王陛下なんているんだ。やっぱり美女なのかな。
あたしの頭の中に、優雅なドレスを着た気品あふれる大人の女性が浮かぶ。
女王様って偉い人なんだよね。うわー、緊張しちゃう。
ん、待てよ……
「リューン、私、こんな格好だよ」
下着の上にタオルケットをぐるぐる巻きつけた状態で、しかも裸足だ。
今更だが、ちょっとなんでも恥ずかしい。
あんまり驚くことが多すぎて、まるっきり忘れていた。
「ああ、気がつきませんで申し訳ありませんでした」
アルファさんが私の黒い翼をそっと撫でると、それはみるみる縮んで消えた。
いや、背中のコブの中にたたまれたようだった。
「出し入れはコントロールできるはずです。普段は隠していた方がいいですね」
「リューン、着替えを」
「かしこまりました。ルーラ様、こちらへ」
リューンはそう言って、別の部屋へ私を連れていき、私はようやく普通のシンプルな、すっぽりかぶるタイプのワンピースに着替えることができた。
袖も裾も緩くフレアになっていて、ウエストは少しだけ絞ってある。
神殿の巫女さんの服って感じ。
それにリューンと同じフード付きの白いマントを掛けた。
おお、なんとなく雰囲気あるじゃないの。
ご機嫌でもとの広間に帰るとアルファさんもお似合いです、と褒めてくれた。えへへ。
「リューンが帰って来たって!」
大きな声がして、突然勢いよくバタンッと扉が開いた。
思わず振り返った私はまたもや硬直した。
年は私と同い年くらいだろうか、すっごい美少女!
「お行儀が悪いですよ、ルイリーン」
軽やかに走ってくる彼女をアルファさんがたしなめた。
「ルーラ様に失礼ではありませんか」
「口うるさいやつだな。いいじゃないか。気取ったって肩凝るだけだろ」
そう言って、うるさげに黒髪をかき上げる。そんな仕草も絵になる。
いったい誰だろう。もしかして王女様とか?
彼女は中国のお姫様の衣装を、少し西洋風にしたようなものを着ている。
漆黒の髪や瞳は日本人のようだが、やはり顔立ちは少し違う。
ちょっと喋り方が男っぽいけど、それが不思議に似合っているところがすごい。
まじまじっと見てしまった私に、彼女は人懐っこい笑みを浮かべて言った。
「私がこの国の王ルイリーン・イゼルラーナだ。よろしく」
「へ?」
おどろくあたしをクスクス笑いながら、アルファさんがもう一度紹介する。
「この方がイスターラヤーナの女王陛下なのですよ」
「ここは?」
柱に触れた手は、ひんやり冷たい石の感触を伝える。青い瑪瑙だ。
そこは床も壁も、天井も全て青い不思議な部屋だった。
部屋というのは少しおかしいかもしれない。
まるで宮殿の広間ような場所なのだ。
体育館よりも広く、天井もかなり高い。五階くらいの高さで吹き抜けになっていて、その上中央に向かって弧を描いて高くなっていた。
柱が幾本も天に向かって伸び、互いに支え合うようにアーチを作っている。
瑪瑙の微妙なグラデーションが、壁の陰影を鮮やかに描き出し、まるで水の底にいるような錯覚を覚えるのだ。
「綺麗ー!」
それは荘厳な美しさだった。
私の前には一段高い祭壇のようなところがあり、そこには透明の水の湛えられた大きな水盤が置かれている。
「ここはイスターラヤーナの水の神殿です」
すぐ近くで、リューンと名乗った少年の声がした。
「神殿?」
ああ、わかった。それでここは神聖な空気が漂っているんだ。
でも不思議。祭壇のどこにも十字架や神様の像とかがない。
一体何を拝むんだろう。
「ここは水の精霊をまつる神殿です。神官はここで水盤の鏡を用いて、精霊の声を聞くのです」
ということは、あの水盤が十字架の代わりか。
「どうして?ついさっきまで家にいたはずなのに」
「水の神官が僕たちを引き戻してくれたのです。次元を繋いで」
「次元を繋ぐ?」
私が聞き返した時、ギギーッと重そうな音を立てて、部屋の後ろにある扉が開いた。
「ようこそ。風の乙女よ」
ドキッとするほど綺麗なテノール。
振り返った私はそこで、イケメン大好きの那智が見たら狂喜乱舞するような光景を見た。
白に金の縫い取りがしてある長衣の青年がゆっくりと入ってくる。
腰まである長い金髪が、窓から入る光に燦然と輝いて眩しいこと、クラクラしちゃう。
すっごい美形!
こんな人初めて見たわ。
端正な顔立ちは華やかなのに気品があって、冷たそうな印象を受けるのにどこか優しげで……ともすれば女性と見られそうな女顔なのに決してなよなよしさはなく、むしろ男性らしさを漂わせている。
顔や身体の個々の部分もさながら、そのバランスはまさに絶妙。
これでもか、というほど非の打ち所がない。
淡く青みがかった真っ直ぐな金髪、不思議な青いオパール色の瞳、白磁の肌。
俗っぽさが全然感じられない様は神か天使を思わせる。
服装から言って、多分この人が水の神官だろう。
「この方はアルファーディ殿。このイスターラヤーナの水の神官長です。彼は僕の先生でもあるんです」
紹介されて、彼がニッコリ微笑んだ。
うおうっ!光がキラリンキラリン散乱している!
「アルファと呼んでください」
私は危うくポカっと開いた口から涎を垂らすところだった。危ない危ない。
いることろにはいるのね、こういう超絶美形って……
あー、目がチカチカする。
「風の乙女、貴女の御名前は?」
「水城瑠羅。みんなはルーとかルーラって呼ぶわ」
「ルーラ様ですか」
んー、この人に呼ばれるとこの名前もしっくり来る。きっと、こういう麗しい人が口にすると、何でも様になるんだろう。
「リューン、ルーラ様に事情を説明しましたか?」
「いいえ、翼に動揺されていたので、まずはこちらに来ていただこうと思って。僕もどうも目をつけられていたようです」
「不用意に力を使いすぎたようですね」
「すみません」
「いいえ、仕方ないですね」
「あのー」
遠慮しつつ話しかけると、アルファさんは私に向き直り、ふんわりと笑みを浮かべた。
「ルーラ様、貴女がこちらの世界で生まれたことは、リューンから聞いていますね?」
私は戸惑いながら頷く。
「信じられないけどそうなの?」
「信じられないのはわかります。私たちもつい最近まで知らなかったのです。ですが、風の神官長の娘として貴女は生まれてすぐにあちらの世界へ送られました。それで、このリューンをお迎えに遣らせたのです」
「どうして?私はあのままが良かったのに」
パパ達が本当の親だなんて知りたくなかった。友達もいるし、好きな人——はいなかったけど、毎日それなりに楽しかったのに。
アルファさんの目は、そんな私の思いを見透かしているようだった。
「申し訳ありませんでした。貴女に来ていただいたのは、実はあることをしていただきたいからなのです」
「あること?」
「はい、国一つの行く末に関わることです。不安に思われているとは思いますが、私たちを助けると思って、どうか」
そう言って金色の頭を下げた。
こんな人に頼まれたら嫌なんて言えない。
でも国一つってどういうこと?
あんまり大変なことは自信がないぞ。
「女王陛下がもうすぐいらっしゃるはずですから、それからお話しします」
へー、女王陛下なんているんだ。やっぱり美女なのかな。
あたしの頭の中に、優雅なドレスを着た気品あふれる大人の女性が浮かぶ。
女王様って偉い人なんだよね。うわー、緊張しちゃう。
ん、待てよ……
「リューン、私、こんな格好だよ」
下着の上にタオルケットをぐるぐる巻きつけた状態で、しかも裸足だ。
今更だが、ちょっとなんでも恥ずかしい。
あんまり驚くことが多すぎて、まるっきり忘れていた。
「ああ、気がつきませんで申し訳ありませんでした」
アルファさんが私の黒い翼をそっと撫でると、それはみるみる縮んで消えた。
いや、背中のコブの中にたたまれたようだった。
「出し入れはコントロールできるはずです。普段は隠していた方がいいですね」
「リューン、着替えを」
「かしこまりました。ルーラ様、こちらへ」
リューンはそう言って、別の部屋へ私を連れていき、私はようやく普通のシンプルな、すっぽりかぶるタイプのワンピースに着替えることができた。
袖も裾も緩くフレアになっていて、ウエストは少しだけ絞ってある。
神殿の巫女さんの服って感じ。
それにリューンと同じフード付きの白いマントを掛けた。
おお、なんとなく雰囲気あるじゃないの。
ご機嫌でもとの広間に帰るとアルファさんもお似合いです、と褒めてくれた。えへへ。
「リューンが帰って来たって!」
大きな声がして、突然勢いよくバタンッと扉が開いた。
思わず振り返った私はまたもや硬直した。
年は私と同い年くらいだろうか、すっごい美少女!
「お行儀が悪いですよ、ルイリーン」
軽やかに走ってくる彼女をアルファさんがたしなめた。
「ルーラ様に失礼ではありませんか」
「口うるさいやつだな。いいじゃないか。気取ったって肩凝るだけだろ」
そう言って、うるさげに黒髪をかき上げる。そんな仕草も絵になる。
いったい誰だろう。もしかして王女様とか?
彼女は中国のお姫様の衣装を、少し西洋風にしたようなものを着ている。
漆黒の髪や瞳は日本人のようだが、やはり顔立ちは少し違う。
ちょっと喋り方が男っぽいけど、それが不思議に似合っているところがすごい。
まじまじっと見てしまった私に、彼女は人懐っこい笑みを浮かべて言った。
「私がこの国の王ルイリーン・イゼルラーナだ。よろしく」
「へ?」
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