異世界魔王の召使い

神無月 伊織

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3話 失敗、しちゃいました

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今日から初めての召使いのお仕事…
風呂場掃除だけでクタクタだ……
あの魔王髪の毛長いから排水溝に髪の毛詰まりすぎだし……
カビ臭かったし……

「…慧様の仕事ぶりはなかなかですね」

褒められるなんて、思わなかったな…

「普通に気になったんで…した、だけです」

でも次からはかなり楽になるからそれで50万は嬉しいな

「あーとーは…」

「夕食作り、のみですね」

フーニさんがキッチンに向かってあるきはじめる
追いかけるように後をついて行くとキッチンに謎の物体がみえる……

「…なんか、入りたくない感じなんですけど」

ゲームで見たドラゴンのしっぽらしきものが…みえる…

「ご安心を、首は落としてありますので動くことは無いでしょう」

キッチンに着くとそれはそれはキッチンの半分を覆い尽くしている程のドラゴンが倒れていた

「…これを、調理ですか…?」

こんなの調理できる訳ないだろ、まず捌けねえだろなんて思っていると

「もう捌き終わってますので、あとは調理するだけでございます」

……日本の常識で考えたらダメだな、俺が間違ってる感覚になってくるや…

********
「それでは私は肉を叩いておりますので、調味料を作ってくださいませ、出来次第声をおかけください。毒見致します」

よし!上手く作ってやる!って意気込んだ瞬間後ろからバン!!バン!!バン!!!
……肉叩いてる音っぽく聞こえないんだが……

ま、まぁ気を取り直して
ニンニクとしょうがを刻んで…

「っ!!」

やべ、指切った、思いっきり

「慧さ…」

「慧!!!!!!!!」

フーニさんの声とは別の、男の声が…魔王様の声が

「誰にやられたのだ!!言ってみろ!!」

包丁一つで、こんなに心配してくれるなんて
…それよりも気迫が凄くて…

「ほ、うちょうです…」

魔王は気が抜けたような、でも安心したような顔で

「…心配かけるでない……」

なんて言われたら…少しだけ……

「…………」パシャパシャ

……フーニさん写真撮ってやがる…

「続けてください、美味しいので」

私はこのために生きている、なんて言いながらカメラをしまうフーニさん…

とりあえず今日はキッチンに入らないで魔王様と一緒にご飯を食べてください、とだけ告げられたので今日だけお言葉に甘えよう…

ちなみに圧力鍋なるものがあるのでドラゴンの肉はとても柔らかく美味しく煮付けられていた
まああんな音させながら叩いたのもあるのだろうけど

魔王はどんな味付けが好きだろう、好きな食べ物はなんだろう
なんて考えながら…今日はこの辺で…
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