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1章 異世界突入編
第23話 生存
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(鉄の匂いがする?)
暗闇の中から次第に意識が覚醒する。
「そろそろ、起きてもいいんじゃない?」
エアリスの声で完全に現実に引き戻された。
目を開くと自分が血だまりの中で倒れているのを自覚する。
顔を上げると、自分の頬が血で染まっていたが、気にすることができなかった。
意識が完全に戻ると同時に気を失う前のことがフラッシュバックする。
がばっと立ち上がる琉海。
「あの鎧の男は……つッ!?」
跳ね起きた瞬間、痛みで表情をしかめた。
「まだ、あまり激しく動かないほうがいいわよ。複製したけど、完治まではいかなかったから」
「それよりも、奴らはどこに?」
辺りは静かで人の気配は感じない。
「さあ、この村の住人を殺して、どこかに行ったわ」
「アンリは?」
「彼女は担がれて連れてかれてたわね」
エアリスは淡々と琉海の質問に答える。
その言い方が妙にイラっとする。
だが、このイラつきはエアリスにじゃない。
自分にだ。
もっとうまくできたんじゃないか。
あの時の対応が間違っていたんじゃないか。
最初に魔物が脅威だと思ってたのだから、魔法なり覚える努力をするべきではなかったのか。
自分を責める言葉がどんどん思い浮かんでくる。
「この村の人達で生き残りは……?」
「いないわ。ルイが気を失っている間、周辺を見てきたけど、全滅よ」
体はだるい。気持ちも落ち込んでいる。
「それとこれは忠告よ。今回は心臓から逸れていたから復元できたけど、そう何度も治すことはできないから、肝に銘じておきなさい」
「ああ……わかった」
琉海の倒れていた場所は血だまりができていた。
琉海の血だ。
これだけ血を流しても生きている。
これでエアリスには二度、死地を助けてもらったことになる。
「助けてくれてありがとう」
素直に礼を言うとエアリスは顔を赤くした。
「な、なに言っているのよ。ルイに死なれたら私も困るのよ。私のためにやったんだからね」
わかりやすく照れるエアリス。
ずっとあの森にいたから、礼を言われ慣れてないのかもしれない。
照れているエアリスを見るのは初めてでなんだか、微笑ましく思う。
「なに、笑っているのよ。あなたは死にかけたのよ」
口元を緩めている琉海に、エアリスは呆れた表情をしていた。
「いや、なんでもない。なあ、ちょっと村を見て回りたいんだけど」
「ええ、いいわよ」
もしかしたら、エアリスが見落として、生き残りがいるかもしれないと、淡い期待を持ちつつ、琉海は歩を進めた。
しかし、それは後悔でしかなかった。
暗闇の中から次第に意識が覚醒する。
「そろそろ、起きてもいいんじゃない?」
エアリスの声で完全に現実に引き戻された。
目を開くと自分が血だまりの中で倒れているのを自覚する。
顔を上げると、自分の頬が血で染まっていたが、気にすることができなかった。
意識が完全に戻ると同時に気を失う前のことがフラッシュバックする。
がばっと立ち上がる琉海。
「あの鎧の男は……つッ!?」
跳ね起きた瞬間、痛みで表情をしかめた。
「まだ、あまり激しく動かないほうがいいわよ。複製したけど、完治まではいかなかったから」
「それよりも、奴らはどこに?」
辺りは静かで人の気配は感じない。
「さあ、この村の住人を殺して、どこかに行ったわ」
「アンリは?」
「彼女は担がれて連れてかれてたわね」
エアリスは淡々と琉海の質問に答える。
その言い方が妙にイラっとする。
だが、このイラつきはエアリスにじゃない。
自分にだ。
もっとうまくできたんじゃないか。
あの時の対応が間違っていたんじゃないか。
最初に魔物が脅威だと思ってたのだから、魔法なり覚える努力をするべきではなかったのか。
自分を責める言葉がどんどん思い浮かんでくる。
「この村の人達で生き残りは……?」
「いないわ。ルイが気を失っている間、周辺を見てきたけど、全滅よ」
体はだるい。気持ちも落ち込んでいる。
「それとこれは忠告よ。今回は心臓から逸れていたから復元できたけど、そう何度も治すことはできないから、肝に銘じておきなさい」
「ああ……わかった」
琉海の倒れていた場所は血だまりができていた。
琉海の血だ。
これだけ血を流しても生きている。
これでエアリスには二度、死地を助けてもらったことになる。
「助けてくれてありがとう」
素直に礼を言うとエアリスは顔を赤くした。
「な、なに言っているのよ。ルイに死なれたら私も困るのよ。私のためにやったんだからね」
わかりやすく照れるエアリス。
ずっとあの森にいたから、礼を言われ慣れてないのかもしれない。
照れているエアリスを見るのは初めてでなんだか、微笑ましく思う。
「なに、笑っているのよ。あなたは死にかけたのよ」
口元を緩めている琉海に、エアリスは呆れた表情をしていた。
「いや、なんでもない。なあ、ちょっと村を見て回りたいんだけど」
「ええ、いいわよ」
もしかしたら、エアリスが見落として、生き残りがいるかもしれないと、淡い期待を持ちつつ、琉海は歩を進めた。
しかし、それは後悔でしかなかった。
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