若き頭領

ハーマ

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過去

深紅の名の由来

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也真登視点

刃「ボス  楓雅が到着した模様です」

その日  深紅は楓雅との交友会で飛悠雅もボスとして出席

也真登「会場を開け確認証を渡せ」

澪斗『はっ』

也真登「刃は壇上」

刃「はい」

いつも通りの流れで全員が会場入りしたら会場を閉め也真登からの言葉

也真登「今宵は6日間の交友会ですので普通に寛いでゆっくりして下さい  それと飛悠雅兄さんはオイタをしないように」

レオ「だそうですよ  ボス」

飛悠雅「分かっているそれぐらい」

念の為に飛悠雅に忠告をした也真登は交友会が始まってすぐにベランダへ

也真登  何故かガルガードさんに本渡されたんだよな

アルタイルでの訓練が終わり意識が戻った時にガルガードに手渡された書物……それはアルタイルが長年極秘に保管していたもので渡された也真登にとってはどうするべきか検討

也真登  多分読めって事なんだろうけど……

そう思った也真登は渡された本を1ページめくる……目次も何も無い本だが美しい文字列で文章が綴られている

也真登  「全ての始まりは俺が代々300年続く名家の次男として生まれた時から」…………みたいな感じで少し読んだだけだけど……書いた本人の日記かと思ったらちゃんと相手が読みやすいように本になってるんだな……

也真登「(※本を読んでます)(次男として生まれた俺は上の兄にいじめを受けていたが父親はそんな事を認識しようとしない……当たり前だ……家は長男を必要としていて俺はそのついで……万が一兄が死んだら俺が継がなければならないだけであって俺はオマケのようなもの……だから使用人からも手荒な扱いをされていたし……食事がないって事もザラにある……だけど母親だけは俺の味方でいてくれて……母がいれば俺は幸せだったんだ……しかし母親は病弱で俺が生まれて8年後に病で他界……その後の俺の扱いは酷く俺は光の差さない部屋に移動させられた……食事も滅多に来ないし部屋からは出られない……そして俺が11になって久方振りに夜の庭に出た……その時にあの人と出会ったんだ……暗殺か任務か何かで庭に侵入していたあの人と……勿論外にいた俺はその人の仲間に捕まって逃げる気もなかった……そうしたらあの人は俺を見て「お前やせ細ってんな?名前は?」と聞かれて……名前を言うとその人は「次男か?死んだと聞いていたが」と言うのでそこで俺は理解した……父親が俺を外にだそうとしなかった理由を……俺はもう何年も前に死んだ事になっていた……それを知った俺は怒りを覚えた……父親は母親が病弱である事を知っておきながら、病院に連れていかなかったという事もその人に聞かされたから……怒りを覚えた俺を見てその人は「お前素質があるな」と言う……意味が分からなかったがその人の仲間が優しく笑って俺を解放したから大事な事なんだろうと思った……仲間に開放された俺はその人に頭を撫でられとても嬉しいと……まるで実の父親の様な優しさで俺は心地よかった……その後にその人にサバイバルナイフとフードのつく服を渡された俺は父親に呼ばれた後に振り向くと、そこにあの人達はいなくてただ手の温もりだけが俺に残っていた……その後俺は使用人の隙を見てパンを盗んで部屋で食べた……そんな事を繰り返して4年……俺が15になった時に俺はサバイバルナイフを使って最初は使用人を……次に兄を……最後に父親を殺して家にある財産と金を取って家に火をつけた……俺は所詮死んだ事になっているから誰も分からない……家を燃やした後に渡された服を着てフードを被って場所もわからないのにあの人の所へ向かった……どういう訳か気がついたら全く知らない場所にいてその場所には大きな名が知れてる組織の根城……俺が立ち尽くしていると門番が扉を開け「どうぞお入りください」と言ってきて……取り敢えず俺はその城の中に入ると何人もの視線は感じたが攻撃はされず、道もわからないままとある部屋につきノックをすると……そこには足を組んで椅子に座るあの人と見覚えのある人達……俺がフードを脱いで血のつく顔を見せるとあの人は「随分派手に血がついてるな?何人の首を掻っ切ったか?」と言ってきて……首を切ったのは使用人だけだと言うとあの人は「どんだけ使用人いるんだよ」と笑う)」

飛悠雅「也真登」

不意に本を読んでいたら飛悠雅に声をかけられ也真登は自分が本に集中していたのだと知る

飛悠雅「声かけるのどうしようかなって思ったんだけどお前いないと意味ないからさ」

也真登「有難う」

と伝えて也真登と飛悠雅は広間に戻って談笑

也真登「所で飛悠雅さん」

飛悠雅「ん?」

也真登「恋人が大好きで煽るのは良いと思いますが少し度が過ぎている部分がありますよ」

と言って也真登は首をトントン

飛悠雅「えっ/////」

也真登「丸見えですよ  その服だと」

楓雅の制服は普通の黒いシャツにコートという服装なので首元がオープンで赤い点が分かりやすい

飛悠雅「!!!!!!/////」

「バッ」と首を隠した飛悠雅の顔は首まで赤い

レオ「…………」

也真登  レオ様もキスマースに気がついてたけど言えなかったんだな……

也真登と目が合い目をそらしたレオの反応でそう感じた也真登

レオ「所で也真登殿の側近は?」

ふとレオにそう言われて也真登が苦笑

也真登「刃は親父さんとずっと談笑してる  ボスの事放置してるから」

少し疲れ気味の也真登は一息つきつつも刃の方を見やる

レオ「それ色々と問題があるのでは……」

也真登「久々に父親と会って7年分の話してるから良いんじゃないか?」

レオ「それもそうですけど……」

也真登「それに俺はまだ未成年だし……部下も余り言う事は聞かない」

也真登  後2年……2年で部下は俺を「頭領」と認めてくれるのか……?

也真登はまだ未成年で部下の多くは成人している……つまりは也真登の命令を聞かない者も多いのだ

也真登「!?全員伏せろ!!!!!!!!」

不意に也真登が何かを察知したのか早業で防具を身につけると窓ガラスが割れ也真登は敵の攻撃をガード

也真登「っ!!」

也真登  攻撃が重い……!!ガードだけで精一杯だ……

敵「へぇ………身長と戦闘能力は高いが確かにまだ子供だな  そんな奴が深紅のボスねぇ」

也真登「ああ?」

敵「威勢がいいな」

也真登「なっ!?」

敵は1人ではなく複数で也真登が狙いなのか複数で也真登を拘束

也真登「くっそ」

刃「也真登!!」

敵「お前さ  部下にも名前呼びなわけ?」

也真登「黙れ!!  刃動くな!!!!動けば罠が発動する」

也真登  頭を打ったか……

也真登は刃に動くなとは言ったが自身は頭を強打したのか血が流れ微かに視界が悪い

也真登「!?」

敵「安心しろよ  別に殺すわけじゃない」

そう言って敵は也真登の頭を掴んで頭を上げさせると首に何かを注射し機械を嵌める

敵「任務完了」

何がしたかったのかは分からないが敵は任務が完了し律儀に窓を直してから撤退

也真登「いってて」

刃「大丈夫か?」

也真登「頭は打ったが特には………首の装置が外せないから放置だ」

構成員「…………」

明らか首の機械が首の動脈を刺しているのだが……也真登はそれを分かっていないのか火牙刀に傷を治療してもらう

也真登「トラブルは起きたが人が死んだわけでもないから再開するか」

と言って交友会は再開したのだが……

飛悠雅「也真登  お前……首の装置動脈を何かで刺されてるぞ」

也真登「痛みとかありませんよ?多分そう見えるだけじゃないですか?」

飛悠雅「いやいやいやいや………」

也真登の言葉に飛悠雅は否定するが飛悠雅の力を使っても首の装置が外れない

刃「?」

ふと刃か也真登の何かの異変に気がついたのだが……也真登自信が気がついておらず言おうに言えない状態

飛悠雅「也真登  刃借りるぞ」

也真登「ちゃんと返してくださいね?」

飛悠雅「当たり前だろ  行くぞ」

刃が気がついたように飛悠雅も気がついたのか他にも気がついた人達が飛悠雅の後を追う

楓雅構成員「也真登様  少しばかり判断能力が落ちていませんか?」

飛悠雅「落ちているとかの問題じゃない  分かっていない」

刃「そもそも何であんなに平然といられるのかがわからない」

飛悠雅「打たれた薬が何かある筈だ」

飛悠雅の後に付いてきたのはその場で席を外せる楓雅の構成員と少数の也真登を信用する深紅の構成員

飛悠雅「昔からここまで也真登の信頼は薄いのか?」

刃「御恥ずかしいながら多くの構成員はボスが何故組織を立ち上げたのかを知らないんです」

飛悠雅「それは俺も聞きたいな」

実は也真登が組織を立ち上げたのには理由がある

刃「……BLOODと言う組織をご存知ですか?」

飛悠雅「今はもうない組織だろ?知ってるけど……」

刃「昔から仲の良かった人がBLOODの上の位の人で……ボスは16になる迄密かにあっていたんです……深紅の名前の由来はボスの戦闘スタイル、俺とボスの父親の名前の引用……そして最後にボスを護ろうとして若い命を落とした青年の名前が「深紅」だったから……ボスがこの組織の名前を「深紅」にしたのはその人の影響が強い………ボスはまだ幼いながらにその人が好きだった……その人は既に結婚し子供もいてその子供とも仲が良かったけれど……ボスの心を唯一満タンに満たせるのは彼だけだった……そんな彼をボスは目の前で失い組織の頭領としての格が覚醒して……深紅は残された子供達を護る為……彼の名を忘れない為に作られたんです……だから「過激派」と言われてはいますけどこうして交友会をやったり、パーティをやったりとイベント事をやる事が多い」

飛悠雅「その子供ってまさか……」

澪斗、麗雅「俺です」

深紅は今は無き「BLOOD」と言う組織の人の子供を護る為に作られた組織……過激派の割には仕事は殆ど依頼されたモノな上に便利屋のような感覚

刃「過激派の名を返上しようも世間は深紅が殺人を犯している所しか見た事がない……だからその肩書きを返上もできないんです……そもそも部下達はどんな思いでボスが殺人をしているのも知らないし知ろうともしない」

飛悠雅「何も知らずに入った構成員が多すぎるな」

澪斗「今は席を外せないだけで知らないのは極小数です  現に今ボスに話しかけている者達は異変に気がついている」

と言われて飛悠雅がそっちの方を見ると確かに多くの構成員が也真登に話しかけていて心配そう

火牙刀「唯一気がついていないのは俺と同じようにメッシュが入ってる人  組織ができた理由は知らないけれど確かに信頼はされているんです」

刃「唯まだボスは若い……判断を誤らないかを試しているんです」

飛悠雅「試し方が少し悪いけどな  実質今の也真登は判断力と記憶力が著しく低下している」

火牙刀「記憶力も?」

也真登は記憶力が低下しており僅かながらなぜ窓が新品になっているのかがわからない

飛悠雅「暫くの間深紅をアルタイルの監視下に置けるかどうかをの交渉する  その間の也真登の行動を知らせてほしい」

火牙刀「了解」

その時飛悠雅や火牙刀達は知らなかった……也真登が過去に1度だけもう2度と思い出さないと決め封印した記憶が蘇りつつある事を……
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