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例えこれが最後の口付けであろうと
4話
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彼と会えない日々が辛かった
彼の声に 彼の体温に
いつからか安堵を得ていた
背後の力を振り絞って会いに行ったのも彼の元だった
仲間でも友でも家族でもなく
彼の元で息絶えたかった
一夜「戦争に行くことになった」
ライト「お前一昨日誕生日迎えたばかりだろ??どんな誕生日プレゼントだ」
一夜「俺も思った笑」
ライトが一夜のことを待っていたのだと知った数日後 誕生日を迎え27歳になった一夜は戦争に行くことになった
ライト「………もう会えないのか」
一夜「多分な いつ死ぬかわかったもんじゃない」
ライト「そうか」
一夜「ライト?」
ライトは一夜の頬に触れた………普段は頭や手に触れてくるライトにしては珍しい
ライト「無茶するなよ」
一夜「分かってるよ お前も人攫いすぎるなよ?」
ライト「愚問だな 戦争中はそんなことしないよ」
ライトはそう言って笑ったが内心絶望に打ちひしがれている
ライト「ほら あまり長居してるとドヤされるぞ(やっぱり行くんだな)」
一夜「もう帰るよ(そんな顔すんなよ………ライト………)」
2人して本音が言えないまま別れた
ライト「…………」
一夜………
ライトは桜を背にして立って泣いていた
ライト「一夜………」
一夜の名前を呟きながら………
~それから約1年~
一夜「ゲホッ………ゲホゲホ」
仲間「一夜!無事か?!」
一夜「なんとかな!!」
戦争でライトにも会えず一夜はその能力の高さから最前線で戦っていて、既に身も心もボロボロになりながら必死に生き抜いていた
仲間「ここを潰せば戦争は終わる!!」
一夜「分かってる!!!」
ライト………
一夜は自分の命がもう長くないことを理解していた………だからこそ戦争を終わらせたかった
~そして~
無線『戦争は終結した 繰り返す 戦争は終結した』
そして必死に戦い続けてたった1年で戦争は終結を迎えた
一夜「…………」
仲間「一夜待て!お前そんな怪我でどこに行くつもりだ!!致命傷負ってんだぞ?!」
一夜「離せ………こんな場所で死ぬ気は無い 俺は行かなきゃならないんだ………あいつの元に」
仲間「は?!」
戦争終結目前 一夜は致命傷を負っていた………不老不死こそ持っていなくとも一夜自身が持つ回復能力のおかげで生きている
仲間「お前行くったってどこに?!」
ルームメイト「待て 行かせてやれ」
仲間「は?!あのままじゃあいつ死ぬぞ!?」
ルームメイト「一夜は不老不死を持っていない あの致命傷じゃ治療しても治らない それなら最後に行きたい場所に行かせてやれ」
ライトの元へ向かおうとする一夜を止めようとする仲間に対し、ルームメイトである青年は仲間を諭し「送ってやるから待て」と言って一夜を止めた
一夜「…………」
ルームメイト「あの桜のところに行くんだろ」
一夜「あぁ………」
ルームメイト「送る」
ルームメイトはそう言って一夜を桜の元に1番行きやすい場所まで飛んだ
一夜「ライト」
ライト「一夜」
一夜「悪い………」
ライト「何に対して謝ってるんだ」
桜の元に行けばライトが出てきて優しく抱きしめてくれた
一夜「…………」
ライト「横になれるか?そっちの方が休める」
ライトはまるで何も知らないかのようにいつもの通り膝枕をして頭を撫でてくれる………
一夜「…………」
この光景………どこかで………
一夜は同じ光景を過去に見ていた………薄れそうな意識の中でたしかに昔ライトに同じことをされている
一夜「…………」
『来世では一緒になろう』
あぁ………そうか………俺は………
一夜は思い出した………遠い過去 ライトと約束を交わした日のことを
一夜「ライト………ラインゼウト………俺 約束してたな………「来世では一緒になろう」って」
ラインゼウト「…………約束にもなってたか分からないけどな」
一夜「ラインゼウト」
ライトは泣いていた………その涙を一夜は拭いラインゼウトは頭を撫で続ける
一夜「ごめん」
ラインゼウト「………お前を死なせはしない」
一夜「え?」
ラインゼウトの言葉の後唐突に唇に何かが当たる感覚がした………そしてあったはずの傷が全て癒えていく………しかしそれは同時に妖精であるラインゼウトの「死」を意味していた
一夜「お前………何考えて……!!」
ラインゼウト「妖精が人間に口ずけを交わすことの意味は理解している ………もう失うのはゴメンだ」
一夜「ラインゼウト」
ラインゼウト「………もし 本当に来世があるのなら今度こそ一緒になろう 誰も知らない土地で一緒に暮らそう」
ラインゼウトはそう言って笑う………ラインゼウトは「妖精」から「人間」に変わった………その命と代償に一夜を生かした
ラインゼウト「数日間だけでもいい 一緒にいさせて欲しい」
最早それは願いだった………ラインゼウトは死ぬのなら最後は愛する男の元で死にたかった
一夜「あぁ………俺もお前と一緒にいたい」
一夜はそう言って起き上がり泣き笑いをするラインゼウトを抱きしめた………ラインゼウトは一夜と共に数日間を過した後光に包まれ消える………一夜に「愛してる」と告げて………
ラインゼウトの死後 俺は軍人を辞め一般企業に就職した
元軍人というのもあり力仕事を任されることも多く頼りにされた
何人かの女性に告白や求婚もされたが全て断った
俺が愛しているのはラインゼウトただ1人だけだから………
ラインゼウトは死んだ
愛する男を生かして
一夜は生きた
愛する男と笑ってまた会うために
彼の声に 彼の体温に
いつからか安堵を得ていた
背後の力を振り絞って会いに行ったのも彼の元だった
仲間でも友でも家族でもなく
彼の元で息絶えたかった
一夜「戦争に行くことになった」
ライト「お前一昨日誕生日迎えたばかりだろ??どんな誕生日プレゼントだ」
一夜「俺も思った笑」
ライトが一夜のことを待っていたのだと知った数日後 誕生日を迎え27歳になった一夜は戦争に行くことになった
ライト「………もう会えないのか」
一夜「多分な いつ死ぬかわかったもんじゃない」
ライト「そうか」
一夜「ライト?」
ライトは一夜の頬に触れた………普段は頭や手に触れてくるライトにしては珍しい
ライト「無茶するなよ」
一夜「分かってるよ お前も人攫いすぎるなよ?」
ライト「愚問だな 戦争中はそんなことしないよ」
ライトはそう言って笑ったが内心絶望に打ちひしがれている
ライト「ほら あまり長居してるとドヤされるぞ(やっぱり行くんだな)」
一夜「もう帰るよ(そんな顔すんなよ………ライト………)」
2人して本音が言えないまま別れた
ライト「…………」
一夜………
ライトは桜を背にして立って泣いていた
ライト「一夜………」
一夜の名前を呟きながら………
~それから約1年~
一夜「ゲホッ………ゲホゲホ」
仲間「一夜!無事か?!」
一夜「なんとかな!!」
戦争でライトにも会えず一夜はその能力の高さから最前線で戦っていて、既に身も心もボロボロになりながら必死に生き抜いていた
仲間「ここを潰せば戦争は終わる!!」
一夜「分かってる!!!」
ライト………
一夜は自分の命がもう長くないことを理解していた………だからこそ戦争を終わらせたかった
~そして~
無線『戦争は終結した 繰り返す 戦争は終結した』
そして必死に戦い続けてたった1年で戦争は終結を迎えた
一夜「…………」
仲間「一夜待て!お前そんな怪我でどこに行くつもりだ!!致命傷負ってんだぞ?!」
一夜「離せ………こんな場所で死ぬ気は無い 俺は行かなきゃならないんだ………あいつの元に」
仲間「は?!」
戦争終結目前 一夜は致命傷を負っていた………不老不死こそ持っていなくとも一夜自身が持つ回復能力のおかげで生きている
仲間「お前行くったってどこに?!」
ルームメイト「待て 行かせてやれ」
仲間「は?!あのままじゃあいつ死ぬぞ!?」
ルームメイト「一夜は不老不死を持っていない あの致命傷じゃ治療しても治らない それなら最後に行きたい場所に行かせてやれ」
ライトの元へ向かおうとする一夜を止めようとする仲間に対し、ルームメイトである青年は仲間を諭し「送ってやるから待て」と言って一夜を止めた
一夜「…………」
ルームメイト「あの桜のところに行くんだろ」
一夜「あぁ………」
ルームメイト「送る」
ルームメイトはそう言って一夜を桜の元に1番行きやすい場所まで飛んだ
一夜「ライト」
ライト「一夜」
一夜「悪い………」
ライト「何に対して謝ってるんだ」
桜の元に行けばライトが出てきて優しく抱きしめてくれた
一夜「…………」
ライト「横になれるか?そっちの方が休める」
ライトはまるで何も知らないかのようにいつもの通り膝枕をして頭を撫でてくれる………
一夜「…………」
この光景………どこかで………
一夜は同じ光景を過去に見ていた………薄れそうな意識の中でたしかに昔ライトに同じことをされている
一夜「…………」
『来世では一緒になろう』
あぁ………そうか………俺は………
一夜は思い出した………遠い過去 ライトと約束を交わした日のことを
一夜「ライト………ラインゼウト………俺 約束してたな………「来世では一緒になろう」って」
ラインゼウト「…………約束にもなってたか分からないけどな」
一夜「ラインゼウト」
ライトは泣いていた………その涙を一夜は拭いラインゼウトは頭を撫で続ける
一夜「ごめん」
ラインゼウト「………お前を死なせはしない」
一夜「え?」
ラインゼウトの言葉の後唐突に唇に何かが当たる感覚がした………そしてあったはずの傷が全て癒えていく………しかしそれは同時に妖精であるラインゼウトの「死」を意味していた
一夜「お前………何考えて……!!」
ラインゼウト「妖精が人間に口ずけを交わすことの意味は理解している ………もう失うのはゴメンだ」
一夜「ラインゼウト」
ラインゼウト「………もし 本当に来世があるのなら今度こそ一緒になろう 誰も知らない土地で一緒に暮らそう」
ラインゼウトはそう言って笑う………ラインゼウトは「妖精」から「人間」に変わった………その命と代償に一夜を生かした
ラインゼウト「数日間だけでもいい 一緒にいさせて欲しい」
最早それは願いだった………ラインゼウトは死ぬのなら最後は愛する男の元で死にたかった
一夜「あぁ………俺もお前と一緒にいたい」
一夜はそう言って起き上がり泣き笑いをするラインゼウトを抱きしめた………ラインゼウトは一夜と共に数日間を過した後光に包まれ消える………一夜に「愛してる」と告げて………
ラインゼウトの死後 俺は軍人を辞め一般企業に就職した
元軍人というのもあり力仕事を任されることも多く頼りにされた
何人かの女性に告白や求婚もされたが全て断った
俺が愛しているのはラインゼウトただ1人だけだから………
ラインゼウトは死んだ
愛する男を生かして
一夜は生きた
愛する男と笑ってまた会うために
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