桜の彼方で会いましょう

ハーマ

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気が付き

3話

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時の流れは早く気がつけば現代になった 

能力者と呼ばれる超人者も現れた 

けれど彼は現れない 

交わしたのかも曖昧な約束を待ち続けてうん千年 

彼はやってきた 

幼い子どもの姿で 

確信はなかった 

けれど確かに俺の名を呼んだんだ………


ライト「………一夜  お前ここを休憩場所か何かだと思ってないか?」 

一夜「思ってない」 

ライト「だったら体調不良の時ばかり来るな」 

一夜「一番安心できるのここなんだよ」 

嬉しいんだか心配なんだか……… 

ライト「お前寮抜けてきて平気なのか」 

一夜「外出届けだしてる」 

ライト「確信犯じゃねぇか」 

わざわざ体調回復させる為に外出届けを毎回出すってのもある意味面白いけど………てか俺も俺で甘やかすからダメなんだよな


不調の時は決まってここに来る一夜を甘やかしてしまうライトだが、最初で会った時から一夜には特別なものを感じていた


ライト「~~~♪」 

一夜と出会った時  初対面ではないような懐かしさがあった………確かにアキゼンと同じ翡翠色の瞳をしてはいるが………


しかしそこまで考えてライトはもうひとつ気がついたらいけないことに気がついた


ライト「~~~~♪」 

アキゼンと出会ったのは彼が17の時………そして戦争に行くことになったのは27になってすぐで28の時に命を落とした………一夜と出会ったのは一夜が17の時………そして一夜は今26………誕生日も近い………


一夜とライトが愛したアキゼンの年齢とタイミングが完全に一致している


ライト「~~~♪」 

まさかそんな……… 

一夜「ライト」 

ライト「!!………どうした?」 

一夜「大丈夫か  顔色が悪い」 

ライト「え?あぁ  大丈夫だ」 

今一瞬だけだったがライトの表情が強ばった………普段は笑っていて何を考えているのか分からないのに………今のライトはまるで………


ライトの表情は泣きそうで顔色も悪くとても子守唄を歌えるような状態ではない


一夜「もう帰るよ  ありがとう」 

ライト「体調は?」 

一夜「俺の事より自分の心配しろよ………死にそうな顔してるぞ」


一夜はそう言って立ち上がって寮に帰った


仲間「あれ?今日早いな」 

一夜「調子悪そうだったから帰ってきた」 

仲間「そっか」 

ルームメイトが良い奴でよかった


軍ではかなり無口で話しかけられない限りは話さないので、ルームメイトが物静かで他の根掘り葉掘り聞いてくる同僚達とは違って楽でいい


一夜「寝る」 

仲間「分かった  夜になったら起こす」 

一夜「頼む」


2人部屋で自分のベッドで寝る一夜はいつも通り夢を見る………しかし今日はいつもと違っていた


???『ゼウト  泣くな』 

ゼウト『無理言うな  ライン』 

ライン『決まったことは仕方がないだろう?』 

ゼウト『だからって………こんなのあんまりだ』


ハッキリと姿は見えずともライトのような声の青年が別の青年の手を握り泣いている夢………


ゼウト『俺達は2人で1人なのに………そんな妖精王の命令だからって………』 

ライト『俺達は元々異端なんだ  命があるだけマシだと思う  ………ゼウト  次生まれ変わったら一緒になろう  誰も知らない土地で一緒に暮らそう』 

ゼウト『………約束破るなよ』 

ライン『ああ』 

これは………記憶………なのか………?


夢の内容は決してリアルではないが妙にしっくりくる


ライン『ライト』 

仲間「アキゼン  夜」 

一夜「あぁ………」 

ライト………


一夜はルームメイトの声で目が覚めたがラインの言った名前が「ライト」だった………それによって一夜は寝起きにもかかわらずはっきりとした気がつきがあった


一夜「…………」


一夜は無表情で天井を見続けた………



ライト「…………」 

俺が待っている人は………



そしてライトはあることに気がついていた………
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