壊れた歯車

ハーマ

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出会い

皇雅とアルシェイ

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彼にとってその場所は孤独と隣り合わせだった………愛する人を自分のせいで失い昇格しても部下以外には心を開かない………自分が能力が通じない人間であると知らずに………



アルシェイ視点

新兵「誠に申し訳ありませんでした………」

アルシェイ「貴様のような輩がいるから軍の信頼と士気が落ちるということを理解しろ」

新兵「ぅ………」

土下座をしている新兵の頭をアルシェイは踏む………軍の中ではトップの力と権力を持っているアルシェイに逆らえば死は免れない

アルシェイ「軍には残しておいてやるが兵士としてではなく雑用係としてな  給料は今のと5割カットの様々な雑用をしてもらう」

それだけ言い切ってアルシェイはスタスタ歩いていき部隊部屋へ

隊長補佐「隊長  新人にどんな命令を?」

アルシェイ「降格処分と給料カット」

隊長補佐「まだ優しいですね」

アルシェイ「まあ  新人だったからな」

部隊部屋に行くと隊長補佐や部下達が少し疲れ気味なアルシェイに聞く

部下「隊長少し休みますか?」

アルシェイ「………少し休む  1時間後に起こしてくれ」

部下「分かりました」

アルシェイ  流石に8徹はきつかったな………実は新人が犯した報道されるレベルの事の後処理やクレーム対応をしていたので、寝る暇がなくずっと働いていた

アルシェイ「すー………」

部下「眠るの早かったですね」

隊長補佐「あの新人のせいで9徹目に突入するからな…………まだ隊長は大地さんを亡くした悲しみが和らいでないのに………」

つい1か月前アルシェイは戦闘で夫を亡くした………しかも自分を庇って………

???「やっぱり軍人は良いな」

隊長補佐「!?」

???「俺の力が通じないのは基本軍人だし身体も丈夫  しかも俺のペット達が気に入ってるし」

不意に聞こえた声に部隊部屋にいた全員が身構えるが姿が見えず警戒

アルシェイ「………誰だ」

隊長補佐「隊長………」

アルシェイ「扉の近くから離れて俺の方に来い」

恐らく異変で目が覚めたであろうアルシェイがそう言うと謎の声はくすくす笑う

???「いる場所を特定されのは初めてだな」

アルシェイ「お前最近力をつけているドールマスターか?」

???「あながち間違ってないけど俺はドールマスターじゃないよ  死体愛好者って噂もあるけどちょっと違う」

アルシェイ「姿を見せろ」

アルシェイは部下達を護るように前に立ち腰の服の下に隠してある銃に触れる

???「警戒心強いねぇ  当たり前だけど」

アルシェイ「情報に上がっていた通りの見た目だな」

???「やっぱり上がってた?」

アルシェイ「上がるに決まっているだろ  人間を使って実験を行い成功した者を「ペット」と呼んでいるそうだな?」

アルシェイはどんどん姿勢が低くなるが相手は姿勢を変えない

???「俺の名前は行哉  皇雅(ゆきや  おうが)」

アルシェイ「山城(やましろ)・アルシェイ・神桜(しんおう)」

皇雅「ハーフか  通りで目の色が赤いと………」

アルシェイ「…………」

アルシェイは無言で皇雅を見るがどこかで見覚えがあり警戒心が一瞬揺らぐ

皇雅「いけ」

アルシェイ「!?」

狼「がるるるる」

一瞬の警戒心の揺らぎでアルシェイは狼に襲われたが………

アルシェイ「え?」

狼「がるるる♪」

皇雅「あー………やっぱり………」

アルシェイは襲ってきた狼に気に入られたのか顔を舐められて訳が分からず混乱

皇雅「………帰るぞ」

狼「がる?」

皇雅「飯の時間」

狼「がるるるる♪」

皇雅は食事の時間らしく狼を連れて消えていきアルシェイはどっと疲れた

アルシェイ「何だったんだ………」

隊長補佐「さあ………」

アルシェイ「…………令(れい)  ちょっと来い」

令「?はい」

アルシェイら狼に舐められている時から思っていたが、仕事後なのもあり身体が熱くなってきていて令を呼び出す

アルシェイ「先に入れ」

アルシェイは自室に令を招き鍵を閉める

アルシェイ「っと」

令「…………」

アルシェイ「どうした?」

令「いえ………」

アルシェイは部屋に戻るなり上の服を脱ぎ肌着になったのだが令は顔を逸らした

アルシェイ「相変わらず初だな」

令「…………」

アルシェイ「…………」

アルシェイの言葉に令は顔を赤くしアルシェイも少し黙る

アルシェイ「手だけでいい」

令「珍しいですね」

アルシェイ「今日のことを報告しないといけないからな………本当はもっとシタイんだが………我慢な」

令はベッドに座りアルシェイがその前に跨るように座りズボンの前を寛げ令は少しオドオド

アルシェイ「慣れねぇな」

令「…………」

アルシェイ「赤くなって可愛い」

令「からかわないでください」

アルシェイ  まぁその慣れてなさが可愛いんだけど

令のそう言うことになると慣れてない感じがアルシェイは可愛くてしょうがない

令「っ………ん」

アルシェイ「声抑えるな………っ」

2人で双方のを触りながら自慰をしているのだが何分令が声を抑えるのでアルシェイが攻める

令「んぁっ………はぁ………」

アルシェイ「声出せ………」

令の熱と自分の熱が伝染し2人同時に果てるが………令はまだ足りなそうな顔をしていて………

アルシェイ「お預けな  シャワー浴びて服着て報告してくるから」

令「…………」

アルシェイ「まだ残ってる仕事あるだろ?我慢」

令「………分かりました」

まだまだ若い令は性欲も強いのだがアルシェイに言われれば我慢をする忠犬

アルシェイ「はー………」

令に釘を刺しアルシェイは先にシャワーを浴びたが………何分時折見せる男の顔がアルシェイの僅かな良心を痛ませる………気持ちを理解している上で関係を続けているアルシェイにとって、本当はしてはいけないことをしているのだと理解はしていてもどうしても求めてしまう

アルシェイ  我がことながら最低だな………

夫を失った悲しみから令に手を出した日………令のあの表情は嬉しさと悲しみが入り交じっていた………

アルシェイ  理解している上で令と関係を作った………令だけじゃない他の部下達も同じだ………

元々諸事情で部下達とは体の関係があったのだが………その先にまで足を踏み入れているゆえにシャワーを浴びながらアルシェイは頭を抱える

アルシェイ「令  報告が終わり次第連絡する」

令「分かりました  お気をつけて」

シャワーを浴びおえアルシェイは上着を着て早足でトップの元へ

アルシェイ「軍敷地内で報告にも上がっていた行哉  皇雅と接触しました  相手は様々な能力を用いて時間を止めたりすることが可能らしく対策が必要かと思われす」

トップ「まさか山城の部隊が最初に接触するなんてな」

アルシェイ「恐れながら司令官殿  「山城」と呼ぶのはやめていただきたい」

アルシェイは「山城」と呼ばれるのが嫌いだった………弟を殺された日から「山城」の苗字で散々苦しんできたから………

アルシェイ「………弟を殺したことと俺を陵辱したこと  一生忘れるなよ」

そしてアルシェイは司令官にドスの効いた声でそう告げて部屋をあとにする

アルシェイ「…………」

道を歩いている最中  何やら違和感を感じ時計を見てみる………すると時間が止まっており皇雅が軍内にいることを知った

皇雅「1発で見抜くのすごいね」

アルシェイ「またお前か」

アルシェイは近くに気配を感じで少し下がると皇雅が姿を表しアルシェイは身構えるが………

皇雅「能力が通じない分正攻法で行かせてもらう」

アルシェイ「?!!!」

皇雅が力を使って急接近してきてアルシェイは対応しきれず首に走った痛みと共に失神

皇雅「………翔のお兄さんだから優しくするよ」

皇雅のそんな言葉も気がずに………

~~~

アルシェイ  ここは………

アルシェイはどれくらいの時間が経ったのか………水の入ったビーカーの中で目が覚め一気に意識が覚醒しビーカーをドンドンと叩く

皇雅「起きるのが遅かったから死んでるのかと思った」

ふとビーカーを叩いていると皇雅が来て何やらパソコンを弄りだす

「ガヂャン」

皇雅がエンターキーを押すと大きな音を立ててビーカーが壊れ皇雅がアルシェイをキャッチ

アルシェイ「?!」

皇雅「1週間も寝てたから身体が少し動かなくなってるね  少しすれば動くようになるよ」

アルシェイらキャッチされた廃位が体が思うように動かないが時期に動ける様になるらしい

アルシェイ「1週間??!!」

アルシェイ  1週間もビーカーの中で寝てたのか?!

アルシェイ「つうかここどこだよ!!??」

皇雅「起きた瞬間から元気だね………どっかの異次元空間だよ」

アルシェイ「異次元空間??!!」

因みにここまでアルシェイが叫ぶのは珍しい

アルシェイ「…………」

皇雅「うわっものの数分で動けるようになった」

流石にアルシェイも冷静になり体が動くよに精神し動かせるようになった

皇雅「まっ予想通りだな」

それだけ言って皇雅は歩き出したのでアルシェイもその後を追う

皇雅「なんて呼べばいい?」

歩いている最中  皇雅に言われ「山城  以外ならなんでもいい」と返答

皇雅「こだわるね」

アルシェイ「…………」

皇雅「俺は本来ペット以外でここには連れてこない  連れてきたと言ったら翔だけだ」

アルシェイ「………ラフィーア………」

アルシェイ  ラフィーアを一番下の名で呼んだ………それはつまり………

アルシェイ「お前  ラフィーアの夫か?」

皇雅「ご名答  ………守れなかったけど」

アルシェイ「…………」

アルシェイは弟がよく話をしていた不思議な夫のことを思い出した………優しいけれど闇のあるその人を守ろうとラフィーアは自らの命を落とした………

アルシェイ「ラフィーアからお前の話をよく聞いてた  まさかこんなに形で会うとは思わなかったが」

皇雅「こうなることも運命だったんじゃない?」

アルシェイ「…………」

アルシェイ  そんな顔をして言うことではないがな………

皇雅は言っている言葉と表情が矛盾していた………明るく聞こえるその発言は悲しみに溢れ泣きそうな顔でかき消されている

アルシェイ「お前は俺に何を望んでいるんだ」

皇雅「ここにいてくれればいい」

アルシェイ「………嫌だと言ったら?」

皇雅「こうするまでだよ」

皇雅は目の前まで来た扉を開けアルシェイに大きいモニターの画面を見せる………すると部下ではない軍人が腕を拘束された状態で狼達に犯されていて………

軍人「あっぐ………はぁ………あっああああ!!」

皇雅「そろそろかな………」

アルシェイ「?!」

モニターに映されている軍人は狼に犯され中に出された瞬間に身体が黒く変色し、目の色も変わりどんどん狼達と同じ姿になっていく

皇雅「1発でそうなるわけじゃないけどアルシェイが断ったら部下達もこうなる」

アルシェイ「…………」

皇雅「どうする?部下を見殺しにするか助けるか」

アルシェイ  悲しそうな顔をしてそんなことを平然と言えるんだな………

アルシェイ「………わかった」

皇雅「OK  着いてきて」

アルシェイが一言了承の意を伝えると皇雅は着いてきてと言って歩き出す

皇雅「昔から同じことしてたらそれが仕事の時の癖になったらしくて、アルシェイの部下の1人に媚薬を盛ったらしい………助けてやれ」

そう言われてアルシェイは案内された部屋に入る………すると部下達は腕を拘束されていて狼もいたが懐かれている

アルシェイ  服は気がつかない内に着せてくれてたな………

令「っ………っ………」

アルシェイ「令  大丈夫か?今腕外してやるから」

令「!!!」

アルシェイ「えっ?」

アルシェイが令の腕の拘束を外すと思い切り腕を掴まれた状態で押し倒され、令は完全に理性のたがが外れている上にアルシェイにお預けをくらっていたのでヤバい

アルシェイ  手首を完全にホールドされている上に令は俺と比べればまだ若い………どうする………?理性のたがが外れている以上何を言っても無駄だろうし………

アルシェイ「…………令  おいで」

アルシェイは自分が圧倒的不利な状況にあると理解し令に「おいで」と合図を出す

令「ふーっ………」

アルシェイ「んっ………っ………」

令は合図を出したと同時にアルシェイにキスをして片手で服の前を開け下を完全に下ろす

皇雅「(何故上は開けるだけで服を脱がさないんだ?)」

勿論脱がさないと言うだけで身体には触っているのだが………皇雅は憶測でアルシェイが服を脱ぐことを極端に拒否するのだと考える

アルシェイ「んく………うっ………」

キスの後はほぼ慣らしなしで令が足を広げさせてアルシェイの中に突っ込んだので痛む

アルシェイ  いっ………てぇぇ………

正直痛すぎて快楽を拾うとかの問題ではないアルシェイは泣きそうな顔を見られたくなく、右手で口元を押さえ左腕で顔を隠す

隊員「隊長  大丈夫ですか………?」

アルシェイ「なわけあるか」

極めて小さい声ではあったがなんとか答え痛みに耐えるアルシェイ

アルシェイ「んぐっ?!」

不意に令が前立腺を思い切り突いたのかアルシェイが少し仰け反る

令「ここ………好きでしょう?」

アルシェイ「やめっ………やだ…………」

令「勃ってますよ」

アルシェイ「ふっ………っ………」

漸く快楽を感じ始めたアルシェイに令も気が良くなり更に攻めていく

~5分後~

令「つん………」

アルシェイ「っ………!!………はっ………はー………」

5分後  媚薬の効果なのかお預けを食らったからなのか令がアルシェイより先にイきアルシェイもイく

令「えっと………(赤面)」

隊員「(‹●›_‹●›)」

アルシェイ「令  終わったんなら退け………」

終わってから他の隊員達がいることを思い出した令は真っ赤に赤面しながら退く

アルシェイ「…………」

令が退いたと同時に服と身体を元に戻したアルシェイだが上半身は起こせたが………

アルシェイ  腰抜けてる………力が………

腰が抜けていて力が入らず下半身が使えない

アルシェイ「令  肩貸せ」

令「え?」

アルシェイ「腰が抜けたのかなにかで力が入らん」

令「えっ(赤面)」

アルシェイ  つかこのさい誰でもいいから運んでほしいんだけど………

皇雅「部屋に案内するがてら運ぶよ」

アルシェイの本音を読み取った皇雅がアルシェイを横抱きに抱える

皇雅「行くよ」

隊員「隊長って80キロ近くなかったか?」

隊員「身長もあるし体格いいしな………軽々と姫抱っこ………」

皇雅「体重80近いの?全然そんな気しなかったけど」

後ろをついてきている退院の話を聞きつつ皇雅がそう質問するとアルシェイは少し赤面

皇雅「………実際何キロ?」

アルシェイ「………78」

皇雅「軽い軽い」

皇雅はその時によって200キロ近くのモノを片手で持つので78キロなんて軽すぎるくらい

皇雅「ここアルシェイの部屋ね  隣は隊員達用に用意したから広いけど個室も結構広い場所を選んだから」

アルシェイ「隣にしてくれたのか?」

皇雅「寂しくなったらいつでも行けばいい  ここにいてくれるだけで十分って言ったろ」

そう言って皇雅は軽く部屋の説明をして服等の場所も教えて退室

アルシェイ「…………」

アルシェイは皇雅が一瞬見せた表情を見たことがあるような気がした………どこか遠くを見て寂しそうで悲しそうな表情………どこで見たのか単純に見間違えなのかはわからないが………少なくともアルシェイ達を傷つける気は毛頭ないのはわかったし優しいのもわかった

アルシェイ「………ラフィーアと俺を被せてるんだろうな」

令「彼の夫で隊長の弟さんですか?」

アルシェイ「ラフィーアは俺と瓜二つだったからな  体格と身長は俺の方が上だが………顔は一緒だし目の色も同じ……聞きても同じだからな」

アルシェイは少し肩を擦りながらそう言った………アルシェイも皇雅をある人と被せている………









手に入れようと思えば手に入れることも出来た今亡き人に………
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