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おかしなことに、なろうとしてる?
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来世は本気出す---------
なんて言っても、そんなに変われるわけじゃない。
私は私だし。
と、言うわけで、ただこの世界が転生前に読んだヒロイックファンタジー小説だと『知っているだけ』でしかない私、アンジェラ=ラウはフツーにモブい人生を18年間送ってきた。
それはちょっとばかり魔力があったので、魔法士団には入団したけど、所詮モブ。
今回の入団試験でメインキャラたちが入ってきたのを見て、
『あぁ、メインストーリーが始まるんだなぁ』と、これからの波乱万丈、悪との戦い、熱い友情、ライバルとの絆、少しずつ認められ、成長していく主人公たち。
幾度となく襲い来る危機的状況を、夢と信念で乗り越えていく。
そして合間合間に挟まれる、仲間内での恋愛模様。
そんなメインキャラたちの動きに巻き込まれないように端っこのほうでやり過ごすはずが……
が……
なんか、おかしなことになろうとしてる。
その日も普通に登城して、普通に過ごそうとしていたら、城が爆発した。
うん、城ってあんまり爆発とかしないよね。
でも、尖塔が爆発した。爆散した。
飛び散ってきたレンガのかけらが当たって、あちこち擦り傷ができた。
周りでは、同じモブたちが、
『なんだっ、なにが起きてるんだっ』
『きゃあっ』
『おいっ、私は伯爵だぞっ。まず私を安全な場所に連れて行かんかっ』
混乱を表すためのモブが騒ぐ。
私としては、
(今日だったんだんかいっ)
というセルフ突っ込み。
いくらこれからの未来を知っていても、小説のエピソードって『〇月〇日 魔王が王城に現れた』って書き方じゃないし、この国って気候が年中温暖だから、春夏秋冬の差ってあんまりないのよ。
まぁ、雨の日でも曇りの日でもなかったかなぁ、もともと天気のことなんて書いてなかったよなぁ、と現実逃避。
現実は、控えめにいって大混乱。
魔法士の団長たちが国王、皇太子殿下、王女殿下に謁見しているときに魔王が来たはず。
それでバンバンと力を見せつけて、なんか唐突に世界征服宣言をして去ってゆくのよ。
それで、なぜかその場に居合わせている、魔法士団の中でもまだまだ新人の主人公たちが世界を守るために盛り上がって修行とかして成長していくんだけど。
モブ達からすれば、国中で魔法的にも物理的にも一番堅牢なはずの王城がいきなり爆発するし、(初回なんで幹部は連れてこなかったけど)魔王がなんとなく引き連れてきた魔物たちが空中から威嚇してきている。
中には低空飛行をしてくるのを、王宮騎士や兵士、魔法士たち『心正しいが影響力の弱いモブ』が防戦している中で、さっきのお約束の身分や地位を嵩に着た、『まずお前たちが被害を受けてしまえ系モブ』が所々で騒いでイラっとさせる。
そんな混乱の中私は、『背景の穴埋め系モブ』として、騒ぎに巻き込まれつつ、現実としては曲りなりも魔法士の端くれのさらに端として、自分にできることを探している体で、主人公たちのお邪魔にならないように、このメインストーリーの場から撤収しようとしている最中。
降りかかる石礫はいくつか当たって額から血が出ているのは、この場のモブとしてはありきたり。
どの門が安全で、どの広場が崩れるのかなんて、細かいことは小説には書いてなかったんだよねぇ。
『東門は破壊を免れた』なんて記載がったら、みんなを東門に誘導するのにさっ。
使えないぞっ、記憶っ。
しかも、私の魔法は単独ではまっったく役に立たないんだよねぇ。
『おぉ、魔法士殿ではないか。なにか……』
と期待されるセリフをぶっちぎる。
「まずは、この場から離れることが肝要です。みなさん、動けますか? 助けが必要な方は? まずは我らが生き残り、反撃に備えることこそ、国王陛下並びに王族の方々への忠義となるのです」
『おぉ、その通りだっ』
『そうだな、反撃のためだ』
積極的に乗ってきているのは身分嵩に着る系なんだけど、真面目系モブも顔を見合わせながら、逃げ始める。
そうだよね、後で『なんで逃げたんだ』と追及されたときの言い訳を用意しておくのって、大事。
とにかく逃げることへの正当性をアピるくらいしか、私単独ではできることがないんだよね。
こんな時に愚痴っても、仕方ないんだけどさ。
とにかく、動けはするので手を貸したり肩を貸したり、できる範囲だけど王城から戦闘力のないモブ達を王城から遠ざける。
今回は魔王も宣戦布告だけなんで、さっくり帰るはず。
物語が進んでいくと、国全体に呪いをかけようとしてきたりするんだけど、それもメインキャラたちの活躍で防げるはずだから、とばっちりだけは食わないように心がけよう。うん。
なんだか見晴らしがよくなっちゃった、元広間だか何だかをざっと見まわして、逃げ遅れ遅れている人がいないか確認する。
もしいたら、もちろんモブの私一人ではどうにもできないので、助けを呼ぶ気満々だけど。
おそらく貴族様方が集まるパーティーでも開く会場だったんだろうなぁ。
がれきの隙間から見える床は、なんだか高そうなタイルが敷き詰めてある。
壁や天井を飾っていたであろう装飾は、見る影もなく砕け散ってあたりに散乱している。
たまたま残った壁からは分厚そうなビロードのカーテンが風に煽られはためいて……って。
ボスッ
はためいていた分厚いカーテンに、何かが落ちてきた。
そのまま包まったかと思と、ズリズリと重さでほどけで、それはゆっくりと床に転がった。
モブが出会うべきでない、冗談みたいな状況に、固まってしまう。
それは床をゆっくりと回転しながら転がってきて、たまたまがれきの隙間があった、私の足元にきて止まった。
私のモブセンサーがレッドアラートを出している。
とにかく、モブが関わるものでないことだけは、ひしひしと伝わってくるんだけど、現実としては目を背けるわけにはいかなさそうな気配。
私は埃の舞う空気を吸い込んで、吐き出した。
吐き出したついでに、足元のそれを見た。
…………えっと、王女様?
なんて言っても、そんなに変われるわけじゃない。
私は私だし。
と、言うわけで、ただこの世界が転生前に読んだヒロイックファンタジー小説だと『知っているだけ』でしかない私、アンジェラ=ラウはフツーにモブい人生を18年間送ってきた。
それはちょっとばかり魔力があったので、魔法士団には入団したけど、所詮モブ。
今回の入団試験でメインキャラたちが入ってきたのを見て、
『あぁ、メインストーリーが始まるんだなぁ』と、これからの波乱万丈、悪との戦い、熱い友情、ライバルとの絆、少しずつ認められ、成長していく主人公たち。
幾度となく襲い来る危機的状況を、夢と信念で乗り越えていく。
そして合間合間に挟まれる、仲間内での恋愛模様。
そんなメインキャラたちの動きに巻き込まれないように端っこのほうでやり過ごすはずが……
が……
なんか、おかしなことになろうとしてる。
その日も普通に登城して、普通に過ごそうとしていたら、城が爆発した。
うん、城ってあんまり爆発とかしないよね。
でも、尖塔が爆発した。爆散した。
飛び散ってきたレンガのかけらが当たって、あちこち擦り傷ができた。
周りでは、同じモブたちが、
『なんだっ、なにが起きてるんだっ』
『きゃあっ』
『おいっ、私は伯爵だぞっ。まず私を安全な場所に連れて行かんかっ』
混乱を表すためのモブが騒ぐ。
私としては、
(今日だったんだんかいっ)
というセルフ突っ込み。
いくらこれからの未来を知っていても、小説のエピソードって『〇月〇日 魔王が王城に現れた』って書き方じゃないし、この国って気候が年中温暖だから、春夏秋冬の差ってあんまりないのよ。
まぁ、雨の日でも曇りの日でもなかったかなぁ、もともと天気のことなんて書いてなかったよなぁ、と現実逃避。
現実は、控えめにいって大混乱。
魔法士の団長たちが国王、皇太子殿下、王女殿下に謁見しているときに魔王が来たはず。
それでバンバンと力を見せつけて、なんか唐突に世界征服宣言をして去ってゆくのよ。
それで、なぜかその場に居合わせている、魔法士団の中でもまだまだ新人の主人公たちが世界を守るために盛り上がって修行とかして成長していくんだけど。
モブ達からすれば、国中で魔法的にも物理的にも一番堅牢なはずの王城がいきなり爆発するし、(初回なんで幹部は連れてこなかったけど)魔王がなんとなく引き連れてきた魔物たちが空中から威嚇してきている。
中には低空飛行をしてくるのを、王宮騎士や兵士、魔法士たち『心正しいが影響力の弱いモブ』が防戦している中で、さっきのお約束の身分や地位を嵩に着た、『まずお前たちが被害を受けてしまえ系モブ』が所々で騒いでイラっとさせる。
そんな混乱の中私は、『背景の穴埋め系モブ』として、騒ぎに巻き込まれつつ、現実としては曲りなりも魔法士の端くれのさらに端として、自分にできることを探している体で、主人公たちのお邪魔にならないように、このメインストーリーの場から撤収しようとしている最中。
降りかかる石礫はいくつか当たって額から血が出ているのは、この場のモブとしてはありきたり。
どの門が安全で、どの広場が崩れるのかなんて、細かいことは小説には書いてなかったんだよねぇ。
『東門は破壊を免れた』なんて記載がったら、みんなを東門に誘導するのにさっ。
使えないぞっ、記憶っ。
しかも、私の魔法は単独ではまっったく役に立たないんだよねぇ。
『おぉ、魔法士殿ではないか。なにか……』
と期待されるセリフをぶっちぎる。
「まずは、この場から離れることが肝要です。みなさん、動けますか? 助けが必要な方は? まずは我らが生き残り、反撃に備えることこそ、国王陛下並びに王族の方々への忠義となるのです」
『おぉ、その通りだっ』
『そうだな、反撃のためだ』
積極的に乗ってきているのは身分嵩に着る系なんだけど、真面目系モブも顔を見合わせながら、逃げ始める。
そうだよね、後で『なんで逃げたんだ』と追及されたときの言い訳を用意しておくのって、大事。
とにかく逃げることへの正当性をアピるくらいしか、私単独ではできることがないんだよね。
こんな時に愚痴っても、仕方ないんだけどさ。
とにかく、動けはするので手を貸したり肩を貸したり、できる範囲だけど王城から戦闘力のないモブ達を王城から遠ざける。
今回は魔王も宣戦布告だけなんで、さっくり帰るはず。
物語が進んでいくと、国全体に呪いをかけようとしてきたりするんだけど、それもメインキャラたちの活躍で防げるはずだから、とばっちりだけは食わないように心がけよう。うん。
なんだか見晴らしがよくなっちゃった、元広間だか何だかをざっと見まわして、逃げ遅れ遅れている人がいないか確認する。
もしいたら、もちろんモブの私一人ではどうにもできないので、助けを呼ぶ気満々だけど。
おそらく貴族様方が集まるパーティーでも開く会場だったんだろうなぁ。
がれきの隙間から見える床は、なんだか高そうなタイルが敷き詰めてある。
壁や天井を飾っていたであろう装飾は、見る影もなく砕け散ってあたりに散乱している。
たまたま残った壁からは分厚そうなビロードのカーテンが風に煽られはためいて……って。
ボスッ
はためいていた分厚いカーテンに、何かが落ちてきた。
そのまま包まったかと思と、ズリズリと重さでほどけで、それはゆっくりと床に転がった。
モブが出会うべきでない、冗談みたいな状況に、固まってしまう。
それは床をゆっくりと回転しながら転がってきて、たまたまがれきの隙間があった、私の足元にきて止まった。
私のモブセンサーがレッドアラートを出している。
とにかく、モブが関わるものでないことだけは、ひしひしと伝わってくるんだけど、現実としては目を背けるわけにはいかなさそうな気配。
私は埃の舞う空気を吸い込んで、吐き出した。
吐き出したついでに、足元のそれを見た。
…………えっと、王女様?
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