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宝石姫と謳われたルルディナのなれのはて1
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「……なんかさ、想像したら間抜けだよな。立ち入り禁止の神殿に勝手に入って出られなくなるって」
神殿の階段に座っている私に向かってコルタが声をかけてきた。彼の傍には複数の騎士達の姿がある。
騎士達は神殿の中にいるルルディナ様達を捕まえに来てくれたのだ。
ライと合流した私はルルディナ様達を捕えるためにレイへ報告し、コルタ達に応援を頼んだ。コルタはすぐに騎士団を神殿に派遣してくれた。
神殿内部からは見えないように神殿の外側の入口付近に網を持った騎士達が隠れ、グローリィさんが入口まで連れきたルルディナ様達を捕えるという作戦。
「確かに間抜けっぽいわよね。グローリィさん居なかったら、あの二人も神殿から出られないのに。ルルディナ様達を捕まえたらあっちに引き渡すの?」
「どうするかはレイ達が決めるから俺はわからない。ただ、あっちは結婚式の醜態以来リムスでお荷物扱いになっているんだろ? 切り捨てられそうだよな」
確かにそうだなぁと思っていると、「あの二人はファルマに移送させる」という地を這う声が聞こえてきたので、私とコルタは後ろを振り返る。
すると、そこには神殿の壁に体を預けて腕を組み立っているライの姿が。
ライはぐっと眉間に皺を寄せて怒りを全面に出しているため、彼の隣に立っているお兄様が宥めている。
「ティアは俺の婚約者だ。よって、ファルマの法に基づき処刑。移送の手続きを正式にエタセルに通達させる」
「ライ、気持ちは痛いほどわかる。でも、ここはエタセルだから管轄はうちにあるんだ。どうか、エタセルに任せて欲しい」
お兄様の考えも十分理解出来る。エタセルで解決しなければ国のメンツにかかわってくるだろうし。
私は立ち上がるとライの元へと向かう。
ライを説得しようと彼の前に立てば、突然腕を伸ばされて抱きしめられた。
私を包んでくれる大きな体が震えている。
「絶対に許さない。俺はティアを失っていたかもしれないんだぞ」
「……ライ」
私は彼の背に手を回すと、優しく撫でる。
「おい」
小声でコルタが私達に声をかけると、入り口の方へと指をさす。
耳にかすかに人の話し声が聞こえてきた。
――近づいて来ているみたいだわ。
距離が近くなっていくにつれ、その声の主が誰かを私は理解出来ることに。
ルルディナ様とウェスター様だ。
コルタは騎士達に目配せすると、彼らは大きく頷き、手にしている網の調整を始める。
「なんなんだ、この神殿は! まるで迷路のようじゃないか」
「立ち入り禁止の神殿って変な病気がありそうで嫌だわ。だから田舎は嫌なの。早くお風呂に入りたい」
愚痴りながら二人が外に出てきた瞬間。バサッと騎士達の手により網が二人の上空から降って来た。
まるで投網漁だ。かかったのはかなりの大物だが、捕まり方がちょっと間抜けっぽい。
「なに、これっ!?」
「なんだ、おまえ達は!」
暴れれば暴れるほど網に絡まっていく事は冷静になればわかるけど、二人は軽くパニックになっているため気づかず。
暴れまくって網に深く絡まっている。
「さっきはお世話になりました。ルルディナ様。ウェスター様」
にっこりと微笑めば、二人はぴたりと動きを止めてこちらへと顔を向けた。
かと思えば、苦々しそうな顔をする。
「ティアナ……!」
「ルルディナ様達にはしばらくエタセル城に滞在して貰います。ただ、お二人に用意されている部屋は地下牢ですが」
「なんですって!?」
「俺達を誰だと思っているんだ!」
「犯罪者だと思っています。貴方達の処遇はエタセルで決めさせていただきますので。リムスにはもう使者が向かっていますわ。地下の薄暗い所で沙汰を待って下さいね。コルタ、城へとお連れして」
「わかった」
私の言葉にコルタが頷くと部下へと命令を出した。
神殿の階段に座っている私に向かってコルタが声をかけてきた。彼の傍には複数の騎士達の姿がある。
騎士達は神殿の中にいるルルディナ様達を捕まえに来てくれたのだ。
ライと合流した私はルルディナ様達を捕えるためにレイへ報告し、コルタ達に応援を頼んだ。コルタはすぐに騎士団を神殿に派遣してくれた。
神殿内部からは見えないように神殿の外側の入口付近に網を持った騎士達が隠れ、グローリィさんが入口まで連れきたルルディナ様達を捕えるという作戦。
「確かに間抜けっぽいわよね。グローリィさん居なかったら、あの二人も神殿から出られないのに。ルルディナ様達を捕まえたらあっちに引き渡すの?」
「どうするかはレイ達が決めるから俺はわからない。ただ、あっちは結婚式の醜態以来リムスでお荷物扱いになっているんだろ? 切り捨てられそうだよな」
確かにそうだなぁと思っていると、「あの二人はファルマに移送させる」という地を這う声が聞こえてきたので、私とコルタは後ろを振り返る。
すると、そこには神殿の壁に体を預けて腕を組み立っているライの姿が。
ライはぐっと眉間に皺を寄せて怒りを全面に出しているため、彼の隣に立っているお兄様が宥めている。
「ティアは俺の婚約者だ。よって、ファルマの法に基づき処刑。移送の手続きを正式にエタセルに通達させる」
「ライ、気持ちは痛いほどわかる。でも、ここはエタセルだから管轄はうちにあるんだ。どうか、エタセルに任せて欲しい」
お兄様の考えも十分理解出来る。エタセルで解決しなければ国のメンツにかかわってくるだろうし。
私は立ち上がるとライの元へと向かう。
ライを説得しようと彼の前に立てば、突然腕を伸ばされて抱きしめられた。
私を包んでくれる大きな体が震えている。
「絶対に許さない。俺はティアを失っていたかもしれないんだぞ」
「……ライ」
私は彼の背に手を回すと、優しく撫でる。
「おい」
小声でコルタが私達に声をかけると、入り口の方へと指をさす。
耳にかすかに人の話し声が聞こえてきた。
――近づいて来ているみたいだわ。
距離が近くなっていくにつれ、その声の主が誰かを私は理解出来ることに。
ルルディナ様とウェスター様だ。
コルタは騎士達に目配せすると、彼らは大きく頷き、手にしている網の調整を始める。
「なんなんだ、この神殿は! まるで迷路のようじゃないか」
「立ち入り禁止の神殿って変な病気がありそうで嫌だわ。だから田舎は嫌なの。早くお風呂に入りたい」
愚痴りながら二人が外に出てきた瞬間。バサッと騎士達の手により網が二人の上空から降って来た。
まるで投網漁だ。かかったのはかなりの大物だが、捕まり方がちょっと間抜けっぽい。
「なに、これっ!?」
「なんだ、おまえ達は!」
暴れれば暴れるほど網に絡まっていく事は冷静になればわかるけど、二人は軽くパニックになっているため気づかず。
暴れまくって網に深く絡まっている。
「さっきはお世話になりました。ルルディナ様。ウェスター様」
にっこりと微笑めば、二人はぴたりと動きを止めてこちらへと顔を向けた。
かと思えば、苦々しそうな顔をする。
「ティアナ……!」
「ルルディナ様達にはしばらくエタセル城に滞在して貰います。ただ、お二人に用意されている部屋は地下牢ですが」
「なんですって!?」
「俺達を誰だと思っているんだ!」
「犯罪者だと思っています。貴方達の処遇はエタセルで決めさせていただきますので。リムスにはもう使者が向かっていますわ。地下の薄暗い所で沙汰を待って下さいね。コルタ、城へとお連れして」
「わかった」
私の言葉にコルタが頷くと部下へと命令を出した。
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