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第21話:厨二病との遭遇
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最近視線を感じる。
ブサメンのオッサンだった頃とは違うタイプの視線。
キモいものを見る侮蔑の視線ではない。
監視されているような視線。
犯人はたまに視界に入る金髪の学生。
中学生か高校生かは判らないけど、セーラー服を着ている。
制服マニアではないのでどこの学校の制服かは知らない。
もしかするとなんちゃってセーラー服のコスプレかもしれない。
ただの自意識過剰の勘違いならいいんだけど、どうも違うみたい。
駅で、コンビニで、自宅近くの路上で、色々なところで遭遇する。
もしかすると本人はバレてないつもりかもしれないが、はっきり言ってバレバレ。
警察や探偵には向いていないと思う。素人にバレバレなんだし。
コスプレであってもそうでないにしてもまあ、素人なんじゃないかな?
でも、相手の目的がわからない。
こんな姿だからコスプレ仲間だと思われてるのかもしれない。
メイドと一緒に歩いてたりするわけだし。それも含めてコスプレだと思われてそう。
おそらくこの線が可能性的には一番高いと思う。
でも、コスプレって普通街中を歩かないよね?
即売会とかの会場でやるもんじゃないの?
まあ、あたしらもそんなこと言えるような服装じゃないんだけど。
仕方がない、本人に聞いてみよう。
佳乃に回り込んでもらって挟み撃ちにする作戦。
目標がどっちを追いかけるかで標的があたしか佳乃かもわかるし。
T字路で佳乃は左に曲がってあたしは右に行く。
あたしだったか。
しばらく後を追わせたら佳乃が後ろから羽交い絞めにする。
意外に背が低い。それでもあたしよりは高いけど。
佳乃のほうが背が高い。あたしと佳乃の中間くらいかな?
だとすると中学生くらいなのかな?金髪碧眼で黒のセーラー服を改造しているっぽい。
「初めまして、お名前は?」
ストーカーの女の子をじっと見つめる。
「雛森黒音」
ぼそっと名前だけつぶやく。
見つめられて恥ずかしいのか、後ろから捕まえられて困惑しているのか?
ほほがピンクに染まっている。よく見れば佳乃が胸を揉んでいた。
「何日か前からあたしの後をつけていたわよね?」
女の子はうつむいて黙ってしまった。否定はしないみたい。観念したのかな?
「山田花子ですか。嘘つきですね」
佳乃が女の子の名前を言うと驚いて顔を上げる。
「なぜその呪われた名前を!」
佳乃が女の子のカバンをあさって生徒手帳を見つけたからなんだけど。
よく見れば鎖とかじゃらじゃらつけてるし、左手は包帯してるし。
いわゆる厨二病?秘められし力が左手に宿ってとか言うたぐいかな?
なるほど、コスプレ仲間発見とかそういう流れか。
まあ、このまま路上で尋問してると通報されかねないから、いったん家に連れて行こう。
ファミレスや喫茶店だと色々誤解を招く発言が出てきそうだし。
防音という観点ではカラオケショップでもいいけど、自宅のほうがここからなら近い。
なんか怯えてる気もするけどとりあえず逃げないように佳乃に押さえてもらいながら自宅に招き入れる。
こたつの奥の席に座らせて事情を聴いてみる。
取り上げた生徒手帳には山田花子と書かれている。
私立白雪女子学院中等部の2年生だ。まさにリアル厨二。
生徒手帳に載っている名前とは違う名前を名乗った。
「それにしてもなぜ私の気配に気づいた!」
うん、この娘は自分がバレてないと思っていたのか。バレバレだったんだけど。
「クゥッ!やはり吸血鬼にはまやかしは効かないか」
吸血鬼?あたしのこと?
「お嬢様は吸血鬼だったのですか?」
目覚めると突然こんな姿だったから可能性は否定できないけど、
とりあえずそれっぽい能力はなさそうな気がする。
うん?
花子の顔を手で押さえて瞳をのぞき込む。
これカラコンだよね。ってことは?
花子が目を閉じて唇を突き出す。
「お嬢様が接吻を!こんなぽっと出の山田ごときに!私ですらまだなのに!」
いやいやいや、キスとかしないから。
「佳乃、この目を見て。これってカラコンだよね?」
佳乃も花子の顔をのぞき込む。
「髪も多分染めてるんじゃないかな?」
違う。染めてるんじゃなかった。ズラだった。
「ウィッグですね」
地毛は黒髪のショートだった。
カラコンも外させた。普通の黒い瞳だ。山田花子ならこっちのほうが普通だと思う。
「私は真白小姫。残念ながら吸血鬼じゃないわ」
泣きそうな花子をジーっと見つめている。よく見ると結構カワイイと思う。
「ではなぜそんな魔眼を持っている!」
魔眼?まあ、あまり一般的な色ではないけど、そんな特殊能力はないと思う。
「気のせいよ。ちょっと変わった色かもしれないけど」
どうにも納得がいかないご様子。
思い込みが激しい娘なんだろう。だから厨二病を拗らせてるんだ。
「その紅の瞳は魔族の証、魅了(チャーム)の魔力を帯びている!」
まあ、よくありがちな設定かもしれないけど。
「その瞳で見つめられてからおかしい、動悸がするし。抗えない力を感じる」
それって一目ぼれ?どっちかというと佳乃寄りの種類の人?
「その点については同意します。お嬢様に見つめられると魅了されてしまいます」
なんか佳乃が納得してるし。そしてクネクネしてる。
それはそれとして、なぜストーカー?
「あたしの後をつけていた理由は?」
あたしが吸血鬼だとしてなぜに付け回す?
自分は十字軍の騎士とかそういう設定なのかしら?
どうやら話したくないのかな?
「まあ、とりあえずストーカーとして警察に・・・」
電話するふりをしよう。
「待ってください」
あれ?なんで佳乃が止めるの?
「尋問するために山田を剥いて食べてもいいですか?」
どうやら素顔は佳乃の好みだったようだ。ハァハァ言ってる。
「いえ、これは別に浮気とかそういうわけではなく、尋問として・・・」
やめて、こっちが逆に訴えられちゃう。
まあ、相手の了解を取れば剥いても食べてもいいとは思うけど。
相手が中学生だと、今度は児ポ法とか青少年保護条例とかに引っかかる。
花子も怯えているし。
ブサメンのオッサンだった頃とは違うタイプの視線。
キモいものを見る侮蔑の視線ではない。
監視されているような視線。
犯人はたまに視界に入る金髪の学生。
中学生か高校生かは判らないけど、セーラー服を着ている。
制服マニアではないのでどこの学校の制服かは知らない。
もしかするとなんちゃってセーラー服のコスプレかもしれない。
ただの自意識過剰の勘違いならいいんだけど、どうも違うみたい。
駅で、コンビニで、自宅近くの路上で、色々なところで遭遇する。
もしかすると本人はバレてないつもりかもしれないが、はっきり言ってバレバレ。
警察や探偵には向いていないと思う。素人にバレバレなんだし。
コスプレであってもそうでないにしてもまあ、素人なんじゃないかな?
でも、相手の目的がわからない。
こんな姿だからコスプレ仲間だと思われてるのかもしれない。
メイドと一緒に歩いてたりするわけだし。それも含めてコスプレだと思われてそう。
おそらくこの線が可能性的には一番高いと思う。
でも、コスプレって普通街中を歩かないよね?
即売会とかの会場でやるもんじゃないの?
まあ、あたしらもそんなこと言えるような服装じゃないんだけど。
仕方がない、本人に聞いてみよう。
佳乃に回り込んでもらって挟み撃ちにする作戦。
目標がどっちを追いかけるかで標的があたしか佳乃かもわかるし。
T字路で佳乃は左に曲がってあたしは右に行く。
あたしだったか。
しばらく後を追わせたら佳乃が後ろから羽交い絞めにする。
意外に背が低い。それでもあたしよりは高いけど。
佳乃のほうが背が高い。あたしと佳乃の中間くらいかな?
だとすると中学生くらいなのかな?金髪碧眼で黒のセーラー服を改造しているっぽい。
「初めまして、お名前は?」
ストーカーの女の子をじっと見つめる。
「雛森黒音」
ぼそっと名前だけつぶやく。
見つめられて恥ずかしいのか、後ろから捕まえられて困惑しているのか?
ほほがピンクに染まっている。よく見れば佳乃が胸を揉んでいた。
「何日か前からあたしの後をつけていたわよね?」
女の子はうつむいて黙ってしまった。否定はしないみたい。観念したのかな?
「山田花子ですか。嘘つきですね」
佳乃が女の子の名前を言うと驚いて顔を上げる。
「なぜその呪われた名前を!」
佳乃が女の子のカバンをあさって生徒手帳を見つけたからなんだけど。
よく見れば鎖とかじゃらじゃらつけてるし、左手は包帯してるし。
いわゆる厨二病?秘められし力が左手に宿ってとか言うたぐいかな?
なるほど、コスプレ仲間発見とかそういう流れか。
まあ、このまま路上で尋問してると通報されかねないから、いったん家に連れて行こう。
ファミレスや喫茶店だと色々誤解を招く発言が出てきそうだし。
防音という観点ではカラオケショップでもいいけど、自宅のほうがここからなら近い。
なんか怯えてる気もするけどとりあえず逃げないように佳乃に押さえてもらいながら自宅に招き入れる。
こたつの奥の席に座らせて事情を聴いてみる。
取り上げた生徒手帳には山田花子と書かれている。
私立白雪女子学院中等部の2年生だ。まさにリアル厨二。
生徒手帳に載っている名前とは違う名前を名乗った。
「それにしてもなぜ私の気配に気づいた!」
うん、この娘は自分がバレてないと思っていたのか。バレバレだったんだけど。
「クゥッ!やはり吸血鬼にはまやかしは効かないか」
吸血鬼?あたしのこと?
「お嬢様は吸血鬼だったのですか?」
目覚めると突然こんな姿だったから可能性は否定できないけど、
とりあえずそれっぽい能力はなさそうな気がする。
うん?
花子の顔を手で押さえて瞳をのぞき込む。
これカラコンだよね。ってことは?
花子が目を閉じて唇を突き出す。
「お嬢様が接吻を!こんなぽっと出の山田ごときに!私ですらまだなのに!」
いやいやいや、キスとかしないから。
「佳乃、この目を見て。これってカラコンだよね?」
佳乃も花子の顔をのぞき込む。
「髪も多分染めてるんじゃないかな?」
違う。染めてるんじゃなかった。ズラだった。
「ウィッグですね」
地毛は黒髪のショートだった。
カラコンも外させた。普通の黒い瞳だ。山田花子ならこっちのほうが普通だと思う。
「私は真白小姫。残念ながら吸血鬼じゃないわ」
泣きそうな花子をジーっと見つめている。よく見ると結構カワイイと思う。
「ではなぜそんな魔眼を持っている!」
魔眼?まあ、あまり一般的な色ではないけど、そんな特殊能力はないと思う。
「気のせいよ。ちょっと変わった色かもしれないけど」
どうにも納得がいかないご様子。
思い込みが激しい娘なんだろう。だから厨二病を拗らせてるんだ。
「その紅の瞳は魔族の証、魅了(チャーム)の魔力を帯びている!」
まあ、よくありがちな設定かもしれないけど。
「その瞳で見つめられてからおかしい、動悸がするし。抗えない力を感じる」
それって一目ぼれ?どっちかというと佳乃寄りの種類の人?
「その点については同意します。お嬢様に見つめられると魅了されてしまいます」
なんか佳乃が納得してるし。そしてクネクネしてる。
それはそれとして、なぜストーカー?
「あたしの後をつけていた理由は?」
あたしが吸血鬼だとしてなぜに付け回す?
自分は十字軍の騎士とかそういう設定なのかしら?
どうやら話したくないのかな?
「まあ、とりあえずストーカーとして警察に・・・」
電話するふりをしよう。
「待ってください」
あれ?なんで佳乃が止めるの?
「尋問するために山田を剥いて食べてもいいですか?」
どうやら素顔は佳乃の好みだったようだ。ハァハァ言ってる。
「いえ、これは別に浮気とかそういうわけではなく、尋問として・・・」
やめて、こっちが逆に訴えられちゃう。
まあ、相手の了解を取れば剥いても食べてもいいとは思うけど。
相手が中学生だと、今度は児ポ法とか青少年保護条例とかに引っかかる。
花子も怯えているし。
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