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3の章

81.名前は‥‥‥なんだっけ?

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魔王様カオル、魔正妃様にバレたのね。

勿論、私たちと同機種を速やかにお渡し致しました。

その際、家族設定し画像フォルダの共用も致しましたよ。

ポラロイドカメラで撮った写真のこともご存知で、月に一度は色々撮って魔正妃様へ送ってと言われた。

ご実家から伝わったのかな?

まぁ、いいや。

それ以外は、相変わらず竜族の娘さんたちと交流しつつ寮生を楽しんでいる。

学校の試験も順調にパス出来ている!

学生生活も後2ヶ月だし、最終試験もこの調子でいけば大丈夫だと思う。

そんなことを考えていた中、魔王城でいつもの様に竜族の娘さんたちと楽しくお茶をしている最中に、突然扉を蹴破る勢いで開けて侵入してきた輩がいた。

「此処に、ローレンとかいう人族が居るだろう!そいつを引き渡せ!」

けたたましく吠えたのは、いつぞやのエルフだった。

名前は‥‥‥なんだっけ?


・・・・・・・・・・・・・・・


あっ、ムムー・グラフさんだっけ。

あーあ、竜族の3人娘さんたちが怒気を含んで臨戦体制で私を守る陣形を取ってるよ~。

皆さん、日々の訓練でメチャクチャ強くなってるからムムーさん即死よ?

しかしなんで、魔王城にいるのかしらねぇ~。

(精霊王様~、この間の試練失格者が何故か私のところに居ますがどうしてですかー)

(あと、魔王様カオル~不審者~)

頭の中で、それぞれに呼びかけた瞬間

エルフのムムーに、華麗にアイアンクローを喰らわせる魔王様登場。

「貴様、誰の赦しを得て此処にいる?」

「ぐ、ぐぎぃ、ま、魔王、様。こ、これ、には、わ、わけ、が、が、」

「訳など無いだろう?なぁ~、ユグドラシルよ」

『魔王様、申し訳御座いません。そこの馬鹿が、魔王城地下牢からまさか脱獄していたとは。』

「言い訳は、後程たぁ~っぷり皆の前で聞いてやる。」

わぁ~、精霊王様が跪いて謝罪しちゃってるよ~。相当前の説教が効いてるんだね。

魔王様カオルが登場しても、変わらず竜族の娘さん達は臨戦体制を崩しません。

多分、魔王様カオルが許可するまではこの体制なんだろうなぁ。

なんてまた思考を飛ばしていたら、魔正妃様がやってきた。

「誰かしら、の大事なローレンちゃんに無礼を働こうとした馬鹿者?」

「今、魔王様カオルにアイアンクローされてます。」

私が言うや、魔正妃様が瞬時に私を抱きしめて来た。

「嗚呼、怖かったでしょ~!もう大丈夫!私が着いてるから!」

オオゥ!竜族の3人娘さんが、周りを警戒しつつ魔正妃様への配慮が凄い。

魔正妃様イライザ様、そこのエルフのムムーさんは何故、私の所に真っ直ぐ来れたのでしょうか?まだ、仲間が居るのではないでしょうか?」

うふふって笑われた。

「さすがは、のローレンちゃん!あの馬鹿者を手引きした、愚か者のエルフの侍女や下男は既に捕縛済みだから安心して。」

なんて仕事の速さ!あっ、魔王城って既に近代化してるから防犯カメラやセンサーとか、色々配備されてるからか。

警備内容は、一部にしか知られてないというか理解されてないから手引きしたのね。

理解出来ていれば、脱獄やらの手引きなんてハイリスク誰も犯さないよ。

私は魔正妃様に抱きしめられつつ、そばに居た精霊王様に話をしてみる。

「精霊王様は、まだユグドラシル信仰へ警告されてないのですか?」

『はぁ~、幾ら言っても右から左なのよ⤵︎』

「それは、ご愁傷様です。」

「実力行使すれば良い話だ!それから、魔正妃イライザはまたのローレンちゃんだぞ!」

「ふふん!早い者勝ちよ!」

「ぐぬぬっ!」

「ぐぅ、ぎ、ぎ、ま、ま、魔王、さ、様~。ち、ち、ちから、が、が、が、が、あ、あ」

魔王様カオル~、悔しくて力が手に入り過ぎてムムーさんの頭が潰れて死んじゃうよ。」

スプラッターなことを、この部屋で殺らないで欲しい。
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