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番外編

002.魔正妃

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私の名前は、イライザ・セラ・ドゥル。

実家は、ドゥル公爵家。

趣味、実は可愛い物集めなんだけど‥。

学生時代、私なりに可愛がっていた動物たちが実は怯えて従っていただけだと、後に後輩から指摘されたことがあったの。

そのため、動物たちを愛でるのは見るだけにしたんだけど、見ている顔が怖く疎んでいると誤解が広がり、あろうことか可愛いものが嫌いだと噂が広がってしまった。今も誤解されたままでいる。

そうして現在はトッウ・キョー魔帝国、大都市ジュクーシンにある魔王城にて政務中。

幼少期より、許嫁として魔王と共に歩んできてなんの障害も無く魔正妃になったけど、旦那というより戦友や運命共同体感覚が強い。

あの日、魔王の様子が可笑しいので聞いてみた。

そうしたら、なんと前世の恋人がサイータマ王国に転生していて、今はあちらの大都市マ・タイサの、サイータマ国立魔法学校ヤミッオ分校の寮に居たとな。

なかなかに、面白いことを言って来た!

今までそんなおかしな事は言ったことがない魔王からの話に、私はもっと聴きたくなり質問した。

そうして分かったが、魔王カーオルは所謂ヤバい奴だったのだ!

あれは一言で言えば、執念の塊だなぁ。

昔からの付き合いだが、こんな面を持っていたなんて初耳もいいところだ。

こんな野郎に目をつけられたら、間違いなく逃げられない。

そんな目が私に向かなくて、正直ホッとするよ。

しかし転生後に、再び目を付けられてしまった少女には同情するしかない。

その内、会わせるから宜しくと言われたが大丈夫なのかい?

誘拐だけはしてくれるなよ!外交問題になるから~。

少し頭が痛いが、あの暴走魔王を止められる方であると期待しよう。

そんな話をした数日後、突然政務室に現れた魔王。

帰宅した魔王に、例の子をてっきり攫ってきたのかを問い、魔王の横に居る女の子を見る。

その子は、小さく壊れてしまいそうな位華奢で、それでいてとても可愛い将来は美人になりそうな女の子が、辺りを見ながらも困惑した顔で立っていた。

ハッキリ言って、どストライク‼︎

女の子は、一瞬私に見惚れているような気がした今がチャンス!

素早く席を立ち、女の子を優しく抱きしめた!

もう、可愛いが止まらなかった!

その後、見事に暴走して彼女の保護者や友人がドン引きしてしまったのは、今思い出しても恥ずかしい。

それからの日々は、とても忙しくなったけど凄く充実してる!

侍女たちも、ローレンちゃんを凄く大事してくれてる。

それにローレンちゃんが、異世界通販ってやつで買ったモノを魔王城に設置してくれたり、日用品までくれるんだもの!

それを足掛かりに、盛大な計画として設置されたモノを量産出来る様に、魔道具&日用品開発部門を設立し、領土全土に普及しないといけないから!

ローレンちゃんの成長を楽しむ為、政務の合間に逢いに行って、膝の上に乗せて可愛い成分補給しないとね!

まぁ、ちょいちょい千里眼で様子を観てるんだけど。

ローレンちゃんも、分かってるから私へ助けを求めてくれるのよねぇ~そういうところも、可愛いところなんだよねぇ。

最近じゃ、下級精霊たちを掌握し情報収集・伝達・監視やらと完全に手足として使ってるのは素晴らしかった!

しかも、タダ働きなど絶対させない徹底っぷりには感心!

最近、ローレンちゃんが頻繁に竜族の娘たちの面倒をみている。

まぁ、交流の目的もあるんだろうけど。

それにしても、魔王の様子が変だ。

まぁいつも変だが、ローレンちゃんが来ている時に手に何かを持って、弄りながら黙ってローレンちゃんに近づいたりしている。

よぉ~く見てみたら手に持っているのは、この間ローレンちゃんに強請っていたスマホとかいうヤツか?

じつは実家に無理を言って、ローレンちゃんへ自画像を強請って手に入れて貰った。

画家の伝手がないからと、異世界のポラロイドカメラというもので、態々撮ったものを送ってきてくれたの。

あれは、良いものだとは思ったのだけど魔王が持っているスマホ、私の本能がを手に入れなければならないと!

そして数日後、魔王を問い詰めて機能・使い方を知った私は、すぐにローレンちゃんにお強請りをすることになる。
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