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1の章

37.紹介状

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影の方は、どんな風に説明したのかな。

親たちまできたよ。私の場合、お祖父様が来てくれたのは嬉しいが、逆にもう養女の件を上は周知してるの?って思っちゃう。

まぁいいや、とにかくお祖父様へ挨拶したい。

お祖父様おとうさま!」

お祖父様は、この中で地位は男爵と低くとも年齢は1番年上。だから何かあったら思いっきり頼る!

「ローレン!無事かぁ!」

「はい!」

お祖父様と挨拶がわりのやり取りをしていたら、いかにも高位貴族な男性がお祖父様に近づいて話しかけてきた。

「メイソン=コッポラ殿ですか?私は、ナイーブ侯爵家当主ランドールです。この度は、ローレン嬢に娘のサリーを助けていただきありがとうございました。」

ややっ!サリー様のお父さんだったのか!あっ、侍女のエリスタさんとサリー様が後ろに居たわ。

「ナイーブ侯爵殿、こんなワシのような老ぼれ男爵へ礼など不要。義孫娘むすめは、至極当然のことをしたまでのこと。ただ、これから先の当家と侯爵家の関係が良好であることを望むのみ。」

ナイーブ侯爵様は、ムキムキの筋骨隆々な身体で老ぼれと言われても、って微妙な顔しちゃってるよ。

お祖父様おとうさま、侯爵様がお困りになられておりますよ。改めて侯爵様、お初にお目にかかりますローレン=コッポラと申します。現在平民科の寮生で、諸事情により正式に貴族籍になりますのは卒業後になりますが、今後とも男爵家を何卒宜しくお願い致します。」

私は言い終えると、深々と礼をした。

「ローレン嬢、こちらこそ娘共々宜しく頼むよ。これから、我々で殿下たちアノ者たちを連れて行くからを解いてくれるかい?」

あっ、防音結界の解除忘れてた。

「はい。ただ今、防音結界を解きました。拘束はそのまま継続しており、呪いの解術等につきまして騎士団の方々へお願いします。」

「ああ、魔導騎士団や近衛騎士団は皆優秀だから安心しなさい。」

そう言われて、私たちの所から離れた侯爵様。サリー様は、エリスタさんと一緒に寮に戻って行きました。怪我を治癒したとはいえ、お洋服が汚れちゃったしね。また、後日サリー様の都合が良い日に会う約束もしてあるし。

それと、殿下たちを移送している関係者の方々へ一言言っておかなきゃ。

「この度は、騎士様方並びに関係者様方、お忙しい中私たちを助けに来て頂き、誠に有難う御座いました。」

お礼はキチンと言わないとね。

ほら、騎士様方が優しい顔でこっちを見てくれてる。それに比べて、殿下たちには周りを囲っている騎士様や親達から凄い怒った顔されてるし。

当然だよね。王族の1人が、何故か平民科で騒ぎを起こしただけで無く、側近見習いと共に自分の婚約者である侯爵令嬢へ暴行した上、暴言吐いて逃げようとして平民科女生徒に魔法で拘束されて自分たちの仕事を増やしたんだから。

あれっ?騎士団の1人がこっちに来るけどなんだろう。

「今回、被害に遭われたご令嬢を助けたのは君?」

小さい私に合わせて、屈んで話しかけてくれた騎士の方に話す。

「はい。サリー様が突き飛ばされて、頭を机に強打されて命に関わると思い、自分のできる限りの治癒魔法をかけました。幸い、打った部分が軽かったみたいで、すぐにサリー様はお目覚めになられて本当にご無事で良かったです。」

言い終わると、騎士様が笑顔で私の頭をヨシヨシしながら話してくれた。

「友達が危ない目にあって、さぞ怖かったな。でも、素早い判断が出来て偉かった!君さえ良ければ、将来魔導騎士団へ来ないかい?あっ、私は魔導騎士団団長のオクタビオ=バロンだ。後日、紹介状を君宛に送らせてもらうよ。じゃあ、またね!」

あれ~?私まだ行くともなんとも言ってないよ?団長様の中で決定事項なの?!

私は、まだ近くに居たお祖父様へ向き直った。

お祖父様おとうさま~、どうしましょう?」

「う~む。バロン公爵からの申し出だしのぉ。まぁ、魔導騎士団は人気職であるからなぁ~今は紹介状貰っておいて損はないぞ。卒業前位で、行くかどうか考えてもいいんじゃないか?」

お祖父様がそう言うなら、それでいいっか。って、公爵様だったの!?やだぁ~怖いよぉ~なにサラッと公爵様が普通に現場へ来るの?
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