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1の章

21.糞カス

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魔法実戦の為に、魔獣の森へ行く日になった。

そして現在、私は集合場所にて何故か貴族の子息から一方的に絡まれている。

本当マジ、なんなん?私何にもしてないんだけど。軽くイラッとくる。

「お前たち平民が、貴族の僕達は今日記念すべき魔法実戦日なんだぞ!それなのに、糞程も役に立たない奴らと同じ空間にいるなんて、信じられないくらい最悪な日だ。」

‥‥ぶちっ(堪忍袋の緒が切れた)

なんだと、糞程も役立にたたないだぁ?

まずは、どっちが糞かお前を鑑定してやる。

○●○●○●○●○●○●○●○●

名前:カデン=ホッジ/男爵家三男
家族構成:父・母・長兄・次男
年 齢:10歳
職 業:学生(貴族科1年)
レベル:1
体 力:30
魔 力:25
運  :5

●スキル
▽剣術(極下級)

●魔法:土・生活

【ホッジ男爵家の出来損ない三男。家族全員がプライドだけは高く、平民はゴミと同じだと考えている馬鹿三男。ホッジ男爵領は赤字で、領民は高い税金でジリ貧で逃げ出す始末。学校に来たのも、お金持ちの貴族令嬢を見つけに来たと言っても過言では無い。】

○●○●○●○●○●○●○●○●

お前が、1番の糞カスだろ!!

ぜってぇ、森でバレないようにコイツのプライドを潰す!

怒りを隠しつつ、棒読みで先生を呼ぶ。

「センセイ、センセイ。タスケテクダサイ。」

他の子が呼んでくれたらしく、走って来た担任に訴える。

「そこ何をしているんだ!貴族科は先頭に居るはずなのに、何で後方の平民科にいるんだ!早く、先頭に行きなさい!」

「ふんっ。」

カデンは不貞腐れた顔で、謝罪もせず先頭へ行った。

カデンの糞カスの後ろ姿に、魔獣の森で覚えてろと心の中で、呪いをかけるくらいの念とガンを飛ばした。

平民科のクラスメイトが、私を遠巻きにビビっていることに気づいたのは少ししてからだった。

ゴメンみんな、我慢出来ずガン飛ばしちゃって(テヘペロ)

****************

移動が完了後、貴族・平民は別れた。実戦終了後に、また一緒に学校に戻ることになる。

平民科は、先ず午前中に薬草の見分け方・採取方法を習う。魔法が使えなくなった時に傷などを簡易治療をする為に、予め知識を持っておくことが重要だから。命大事にだね。

昼休憩を挟んで、午後は広い拓けた森の中で、魔法発動練習した上、比較的弱い魔獣を自分で狩る。狩った魔獣は、先生に回収されたのち冒険者ギルドへ買取にまわされる。成績にも加算されるし、僅かだが買取価格の3分の1が自分のお小遣いとして手元に戻ってくる。

バイトをしない子でも、臨時収入になるので特に大事な実習日なんだよね。

今年の平民科1年は、全50人で男子38人・女子12人と男子が多い。魔獣狩りは5人1組で、森を探索するのだけど私とホリーさんの2人で、あと3人を男子と組むようにと実習日の前に、先生から言われてた。普段から、なにかとホリーさんと居たからなぁ。他の女子と、仲良くなるタイミングを逃してたんだよね。トホホッ

さて昼休憩中に、糞カスへ復讐しに行くかな。索敵魔法で、奴を見つけてボコボコにしてやる。サクサクやって、ホリーさんとの昼食をたのしむんだから!

****************

やって来たよ~貴族エリアの端っこ!

ホリーさんには、ちょっと用事を済ませてくると言って待ってて貰ってる。

奴は、少し拓けた場所に5人で居るみたい。しかし、索敵で感知した感じだと4対1で何やら対決?話し合い?みたいになってるぞ。

千里眼で様子を見てみようかな。あっ千里眼は実家にいる時に、できるか冗談でやってみたら出来ちゃったの。

さぁーて、奴は何してるんだか。
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