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1の章
16.いざ!2
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お祖父様は、サッと立ち上がり「よし、執務室へ行くぞ」と言うなり、私の手を引いて歩き出した。
お祖父様の身長差が凄い、私の身長が大体140センチ位なんだけど、190センチ位あるんじゃないかな?顔を見ようとすると、首が痛い。それに、歩幅も違うから私は地味に小走りだよ。
そんなこんなで、執務室についてノックもせずに入っていった。
「誰だ!ノックもせずに入る奴は!」
相手をキチンと見ず、伯父様が注意のため怒鳴ると同時にお祖父様が真っ赤な顔で、伯父様の3倍の声量で怒鳴り返した。
「無礼者がぁ!ワシの部屋に、何故ノックせにゃならん!この馬鹿タレが!それから今日から政務に戻る。お前の代行も終わりだ。この部屋からすぐに出て、自分の仕事へさっさと行け!」
激しい怒号に縮み上がった伯父様は、真っ青な顔で反論することなくドタバタと慌てて執務室から出て行った。
まぁ、当然だよね。
領地もない法衣貴族でしょ。下級官職メインの仕事で、家の執務は休みの日だけで事が済むのに態々、自分の仕事を休んでいることにお祖父様は怒髪天をついた。
そう、別段私をお祖父様に会わせるにしても執事や侍女にでもいいから、今日の事を伝えて自分が居なくても対応出来るようにすればよかったのよ。
男爵家長男であり、次期当主としての資質が問われる位浅慮な行動だね。私との関係を強くさせたいが為に、態々休んでまでやることではなかったから。
お祖父様は、そこの部分も含めて怒っていたのだけど伯父様は多分わかっていない。
まぁ、分かれば出世の為やら下手な計画など立てずに真面目に働いてるよね。
「腹が立つ!全く反論する気概がない馬鹿息子だ!しかも、父親であるワシの病気が回復したにも関わらず、何も疑問に思わず逃げよって!」
「ご当主様、元々仲が良くないので仕方ないと思います。逃げた人なんかより、寝込んでいた間の政務内容を再確認しておいた方がいいと思います。間違えがあった場合の修正作業が大変ですから。」
「うむ、そうだな。ハンナの買い物やワシの治療費やら出費を確認せねば。寝込んでいた3年は、本当に大変だったからな。しかし、仮にも孫娘が来る日にハンナが会いたくないからと郊外の別邸に行くなどありえんな。ワシの病の心配さえせん奴だとは思ったが、ここまで酷いとは残念だ。」
お祖父様の顔が、ややションボリした様に見えた。けど、そこには敢えて触れない。だって、そこは夫婦の問題だから。
そして、何故か私まで書類精査の手伝いをさせられる羽目に。いや、簡単な書類は確認しながら計算出来るからいいけど、判断出来ないのは素直にお祖父様にパスするよ。
いくら魂に刻み込まれた知識が無駄にあるとはいえ、貴族家庭の収支云々までは口出し&判断は不可能。
しかし、昼頃に邸へ到着して直ぐに面会しての流れで何もお腹に入れてないから、もう空腹でしんどいよ。
ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~
あぁぁぁ、とうとう私の身体からヘルプが。
「なんだ、お前腹が減ったのか?」
「はい。昼頃丁度、邸に着いて直ぐ何も食べずにお部屋へお邪魔致しましたから空腹で辛いです。」
「そうか。だがまだ、準備が整ってないな。どうしたもんか。」
う~ん。アレ早速使っちゃう?バイト代ってことで費用貰って、買っちゃう?視えない様に、使っちゃおうかな。もう、お腹が限界だし。
「あの~、書類精査のお手伝い賃でいくらか頂けたら、自分で食事を調達します。」
「ん?自分で調達出来るのか?なら、ワシの分も頼む。費用も銀貨2枚(2,000円)で足りるか?ほれ。」
「ありがとう御座います。足りなかったら、また請求します。では、少々用意してきますのでお待ちください。」
そして、私は一時部屋から退出して裏庭に回り込んで誰も居ないことを確認し、しゃがみ込んで異世界通販スキル発動してみた。
あっ、PCモニターみたいな半透明のウィンドウが出てきた。右下に■がある所にお金入れればよかったはず。先に、銀貨2枚入れてっと。おっ、入れたら商品一覧が出てきた!
表示は、某通販サイトと似てるから注文し易い!さぁ~て、食べ物は何にしようかな~ワクワクが、止まらない!
お祖父様の身長差が凄い、私の身長が大体140センチ位なんだけど、190センチ位あるんじゃないかな?顔を見ようとすると、首が痛い。それに、歩幅も違うから私は地味に小走りだよ。
そんなこんなで、執務室についてノックもせずに入っていった。
「誰だ!ノックもせずに入る奴は!」
相手をキチンと見ず、伯父様が注意のため怒鳴ると同時にお祖父様が真っ赤な顔で、伯父様の3倍の声量で怒鳴り返した。
「無礼者がぁ!ワシの部屋に、何故ノックせにゃならん!この馬鹿タレが!それから今日から政務に戻る。お前の代行も終わりだ。この部屋からすぐに出て、自分の仕事へさっさと行け!」
激しい怒号に縮み上がった伯父様は、真っ青な顔で反論することなくドタバタと慌てて執務室から出て行った。
まぁ、当然だよね。
領地もない法衣貴族でしょ。下級官職メインの仕事で、家の執務は休みの日だけで事が済むのに態々、自分の仕事を休んでいることにお祖父様は怒髪天をついた。
そう、別段私をお祖父様に会わせるにしても執事や侍女にでもいいから、今日の事を伝えて自分が居なくても対応出来るようにすればよかったのよ。
男爵家長男であり、次期当主としての資質が問われる位浅慮な行動だね。私との関係を強くさせたいが為に、態々休んでまでやることではなかったから。
お祖父様は、そこの部分も含めて怒っていたのだけど伯父様は多分わかっていない。
まぁ、分かれば出世の為やら下手な計画など立てずに真面目に働いてるよね。
「腹が立つ!全く反論する気概がない馬鹿息子だ!しかも、父親であるワシの病気が回復したにも関わらず、何も疑問に思わず逃げよって!」
「ご当主様、元々仲が良くないので仕方ないと思います。逃げた人なんかより、寝込んでいた間の政務内容を再確認しておいた方がいいと思います。間違えがあった場合の修正作業が大変ですから。」
「うむ、そうだな。ハンナの買い物やワシの治療費やら出費を確認せねば。寝込んでいた3年は、本当に大変だったからな。しかし、仮にも孫娘が来る日にハンナが会いたくないからと郊外の別邸に行くなどありえんな。ワシの病の心配さえせん奴だとは思ったが、ここまで酷いとは残念だ。」
お祖父様の顔が、ややションボリした様に見えた。けど、そこには敢えて触れない。だって、そこは夫婦の問題だから。
そして、何故か私まで書類精査の手伝いをさせられる羽目に。いや、簡単な書類は確認しながら計算出来るからいいけど、判断出来ないのは素直にお祖父様にパスするよ。
いくら魂に刻み込まれた知識が無駄にあるとはいえ、貴族家庭の収支云々までは口出し&判断は不可能。
しかし、昼頃に邸へ到着して直ぐに面会しての流れで何もお腹に入れてないから、もう空腹でしんどいよ。
ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~
あぁぁぁ、とうとう私の身体からヘルプが。
「なんだ、お前腹が減ったのか?」
「はい。昼頃丁度、邸に着いて直ぐ何も食べずにお部屋へお邪魔致しましたから空腹で辛いです。」
「そうか。だがまだ、準備が整ってないな。どうしたもんか。」
う~ん。アレ早速使っちゃう?バイト代ってことで費用貰って、買っちゃう?視えない様に、使っちゃおうかな。もう、お腹が限界だし。
「あの~、書類精査のお手伝い賃でいくらか頂けたら、自分で食事を調達します。」
「ん?自分で調達出来るのか?なら、ワシの分も頼む。費用も銀貨2枚(2,000円)で足りるか?ほれ。」
「ありがとう御座います。足りなかったら、また請求します。では、少々用意してきますのでお待ちください。」
そして、私は一時部屋から退出して裏庭に回り込んで誰も居ないことを確認し、しゃがみ込んで異世界通販スキル発動してみた。
あっ、PCモニターみたいな半透明のウィンドウが出てきた。右下に■がある所にお金入れればよかったはず。先に、銀貨2枚入れてっと。おっ、入れたら商品一覧が出てきた!
表示は、某通販サイトと似てるから注文し易い!さぁ~て、食べ物は何にしようかな~ワクワクが、止まらない!
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