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1の章

15.いざ!

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そして、面会当日朝はやく男爵家より迎えの馬車に乗って王都にある邸へと向かう。

昼前くらいに、男爵邸に着き早々にお祖父様に会うべく、伯父様付き添いで部屋まで通された。尚、お祖母様は王都外の別荘に私と会いたくないという理由で外出されたらしい。

モンペは、長男教か?次男を家から追い出し、孫にも会いたくないって相当だね。

今回は逆に、好都合だけど。

お祖父様と会った時、病を治すには人がいない方が楽でいい。

私は、寝ているお祖父様へ話しかけた。

「コッポラ男爵ご当主様、初めまして私はアルベルト・コッポラの次女のローレン・コッポラです。父が、男爵家にご迷惑をおかけ致しましたことのお詫びと、魔法学校への保障金を貸付て頂けることのお礼に参りました。」

当然、寝ているから返事はない。が、一応話しかけてみた。

「やはり、寝ていたか。ローレンちゃん私は少々執務室へやらなければならない仕事があるから、まだここに居てくれないかい?なるべく早く、片付けてくるから。」

「はい。大丈夫ですので、急ぎ過ぎるとミスを誘発しますので私のことは一時忘れて下さい。」

伯父様が、都合よく部屋から出て行ってくれるなら万々歳だよ。

そして、伯父様はいそいそと部屋から出て行った。

さぁ~て、まずは鑑定したろ。

◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●

名前:メイソン=コッポラ/男爵家当主
家族構成:妻・長男・長男嫁・孫2人・(勘当中:次男)
年 齢:70歳
職 業:王宮内元中級官職
レベル:35
体 力:100/500
魔 力:50/450
運  :25

●スキル
▽書類作成(中級)
▽人材育成(中級)
▽剣術(中級)

●魔法:火・生活

【当主だが、病のため王都の邸宅にて療養中。領地はないので特に問題なし。家族関係は、悪い。妻とは政略結婚。子供たちを妻に任せっきりで、自分は仕事だけしてきた。性格は、頑固だが義理人情に厚い面がある。所謂、昔ながらの古いタイプの野郎。今は、長男の対応が面倒で寝たフリ中。】

◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●

創造神様の言っていた通りだなぁ。

さて、寝たフリ老人に起きてもらう前に勝手に病気治しちゃおうっと!

白魔法で、それっ!とね。

お祖父様の身体全体がピカピカ光って、暫くして消えたら治療完了だよ。

さて、再度鑑定してみよう。

◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●

名前:メイソン=コッポラ/男爵家当主
同居家族構成:妻・長男・長男嫁・孫2人
年 齢:70歳
職 業:王宮内元中級官職
レベル:35
体 力:500
魔 力:450
運  :35

●スキル
▽書類作成(中級)
▽人材育成(中級)
▽剣術(中級)

●魔法:火・生活

【当主。病のため王都の邸宅にて療養中だったが今すぐ執務が出来るくらい完治。家族関係は、悪い。妻とは政略結婚。子供たちを妻に任せっきりで、自分は仕事だけしてきた。性格は、頑固だが義理人情に厚い面がある。所謂、昔ながらの古いタイプの野郎。今は、自分の身体の変化に戸惑い中。】

◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●

おっ、お祖父様ビックリしてるね。

さて、起こしますか。

「ご当主様、そろそろ起きて頂けますか?身体の変化について、ご説明させて頂きたいので。」

ばちんって音が聞こえてきそうな勢いで、お祖父様が目を開け、こちらに身体を起こし向き直ってきた。

「おい、これは一体どういうことだ?!寝たフリしてても、辛かった身体が以前と変わらない位チカラが漲ってくるぞ!ワシに何をした?」

70歳には思えない、気迫でこちらに質問してきた。正直怖いから、落ち着いて欲しい。

「あの、先ずは落ち着いて下さい。10歳の女の子には、正直怖いだけです。先程、白魔法にて勝手ながらご当主様の病を治させて頂きました。どうしてもお話をしたく、本日参りました。」

暫し、ぽっか~んなお祖父様。

「なんだと?お前が、このワシを治したというのか?!アルベルトの娘が、ワシになんの話だ。」

「はぁ~、では本題を話します。ご長男のガイド様が、私を利用して出世しようとして養女にするとまで言ってるので困っています。平民の商会で、みそっかす扱いで育ってきたのに、魔法とスキルが使えるモノと知ったガイド様が独断で突っ走ってます。」

10歳児としての話し方をしなくて良いだろうと、もう諦めの境地で居直り話してしまった。

「そうか、なんだかまだ混乱はしとるが分かった。スマンな、子供にそんなことを言わせてしまった。して、どうしろと?」

「取り敢えず、養女の件を辞めて下さい。ガイド様には、見守って下さいと言っています。あと、ガイド様に出世は無理ですので止めて下さい。私は、安定した生活をしたいだけなので出世の為になんか働きたくないんです。」

ハッキリと言ってやった。もう、大人に過度に期待してないからね。

「なんとも、生意気な子供だが言っている事は正しいな。ガイドあいつには、出世は無理だ根回しや立ち回りが出来んからな。それとワシが、直々にお前の後見人になってやるわ。アルベルトバカ次男が、何やらしでかしてガイドあいつが愚痴愚痴と寝とるワシに文句を言っていたからな。」

「ありがとうございます。」

養女の件は、完全に回避出来たかな?
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