Lara

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準備に整備に大忙し~!!

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広げた衣装を見てみると、それは見慣れたものではなく、異国風の衣装だった。あくまでも風、だが。一番近いのはBL小説漁りをしているとたまに見かけるラノベの登場キャラクターの服だろうか。
大体異世界ものだからなー服にしても元になった文化もあるだろうが、色々と混ざっているから結果奇抜なものになったりするんだよな。

と思いつつ制服を脱いで渡された衣装を着ていく。それは白く滑らかで肌触りが良い。ぴっちりとした膝下までの長さの上衣には腰の部分からスリットが入っている。その下には八分丈のゆったりとした黒いズボン。そして上からショールを被る。後は…長細い布があるが何処に着ければいいのかわからなかった。とりあえず手袋を着けるか。

鏡を見てみると…………うん、まあまあかな。まだ彼らの横にアクセサリーらしきものが置いてあったからこれから“飾り付け”を行うのだろう。

部屋を出るとパッと目を輝かせたファッション部の子たちとうんざりした顔で椅子に座っているホストとうきうきした顔で宝石を手に取っている宝石狂がいた。

どうやらホストの飾りつけは終わったらしい。金キラしてる。…………成金?
いやまあ、それは言葉が悪いか。彼は金細工で象ったアクセサリーを多々身に着けていた。服は…王族?まあ、いっか。

「おお…………着れましたか。…それは?」
「あ~、これ~?何処に着けるものなのかぁわからなかったからさ~」
「そうですか。それはショールの下で首から前に下げるものです。ほら、貸してください」

宝石狂に布を手渡してショールを一旦脱ぐと彼は腕を伸ばして俺の首に布を取り付けた。

「いい感じですね。ほらどうですか皆さん」

宝石狂がファッション部の子たちに問いかけると肯定し口々に褒めだした。俺はこう…白が多い服だから落ち着かない。出来るだけ服が視界の中に入らないようにしていた。

俺のその様子に気づかないまま宝石狂はアクセサリーを手に取る。いろいろとあるな…………

「それではこれとこれを腕に、このチョーカーは首に」
「はいは~い」
「あ、靴と靴下は脱いでくださいね」
「え゛ッ」

虚を突かれて濁った声が出てきたが大人しく靴と靴下を脱いだ。するとこれを足に通せと靴下に似た形状のものを渡されたので履く。手首にリングを取り付け、チョーカーを身に着ける。けっこう豪華だな。

それから足首、ショール、ショールの下と飾りをつける。耳飾りだけは持ってきた馬鹿…義父に貰ったオニキスのイヤリングにしてもらった。そこでファッション部の子たちが俺の前に出てきた。

「お化粧と、髪を…………」

断る理由もないので許可する。というか宝石狂のご意向なら従うしかないな。よっぽどのものではない限り。

椅子に座り、目をつぶって顔の表面を走る感覚を追い続ける。けど頭に触れる手の感触に鬘が外れないかひやひやしていた。

「…………できました」
「こっちも、できましたよ」
「どうぞ、鏡です」

目を開けて目の前に出された鏡を受け取るとそこにはすっかり変わった俺が現れた。

「これは…すごいね~」

危ない危ない。危うく口調が崩れたままでしゃべるところだった。あ、ベールが側頭部についてる。
完成したのを感じ取ったのか部屋の向こうで会話していた宝石狂とホストがやって来て目を見開いた。

「うわ…………すげぇな。これ他の生徒たちに見せたら絶対騒ぎ出すぞ」
「すごい、ですね…ここまでとは、これは売りに出せますね」

おい、今売りに出せるとか何とか言ってなかったか!?

「よろしければですが…………」

説明されたのはこうだ、学園祭ではクラスも部活も生徒会も委員会も何か出し物を出す。そこに風紀も逃れることはない。だが見回りをするので少人数でできるものを出すのだ。だからこの宝石狂が風紀の顧問になったのは去年。去年から数々の宝石で彩られた少年たちの写真を売りに出していた。これかー……

まあ、いっか。別に俺の写真なんてしょっちゅう生徒間で出回っているからな。ちゃんと許可されたものから盗撮まで…………だからこれくらいで嫌がることはない。だけどな

「モデル代くらいは頂戴ね~?売り物にするならさ~」

タダで金を手に入れようと思うんじゃねぇよ?あ、許可されたものは売りに出すなら二割貰うという契約を交わし、盗撮には親衛隊諸君が取り立ててしっかりと貰っている。

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