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血を啜る者たちと鳥獣と血狂いと
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☆★☆★☆
「ふむ、やはりならず者が多いな」
「豹ー僕もう疲れたんだけど。」
手当たり次第に倒していったら、時間が掛かってしまって完全に囲まれてしまった。配下のやつらとも引き離されてしまい、少々辛いところがある。
「おうおう、まだまだいるぜェ?たーっぷり楽しんでくれよぉ」
「黙れ」
「ひひひ、つれねぇなァ」
男たちの壁が分かれ、一人歩いてくるやつがいた。赤く染めた髪にピアスを鼻に着けている。事前に知らされた情報からだと、おそらく幹部だろう。ナイフを片手にニタニタと笑いかけてくる。
「一騎打ちだァ、あそぼーぜぇ?」
「…はぁ、エナ」
「あーわかった。だけど気を付けてよ?ないと思うけどさ」
エナは俺から離れて俺たちを見守る。周りのやつらも傍観するつもりなのか、ヤジと罵声を飛ばして立っている。
改めて、こいつの前に立った。俺は無手、向こうはナイフ。明らかにそれを受けたら不利に陥るだろう。今までにもナイフを使ってくるやつはいたが、こいつは幹部にまで成り上がったやつだ。油断はしないほうが良いだろう。
「じゃあ、いこうか…なぁっ!!」
「…フッ、ッ!!!」
一直線に目にナイフを突きさそうとするのを頭を横にずらして避ける。そしてまたナイフ…と見せかけて足払いをかけてくるので間合いを開けて回避する。
その後もフェイントも含め攻撃してくるが全て避けることに専念する。
「ふぅっ!!!おめぇは、避けるだけで、何もしてこねぇなァ!!!俺は、寂しいぜェ!!!」
仕掛ながら、話しかけてくる。俺はそれを聞いて、判断する。
「そうだな、もう十分だろう。」
「ハァっ?」
「行くぞ」
「…?ッ…!!?」
今度は首を狙ったナイフの動きをよく見て、後ろに大きく下がる。腕を伸ばし切ったとともに、その下がった時の力を利用してナイフを蹴り上げた。
回転しながら上に飛んでいくナイフ、目を大きく見開いている顔、硬直した隙にそいつの鼻っ面をぶん殴った。
「ふっ…!!!」
「ッぐあっ!!!??」
力を籠めすぎたのか勢いよく飛んでいく男を横目にエナに声を掛ける。
「行くぞ」
「わかったー」
騒めく周りを無視して俺たちは歩き出す。壁は分かれ、俺たちは夜闇に消えた。
背後でナイフが落ちた音が響いた。
「ふむ、やはりならず者が多いな」
「豹ー僕もう疲れたんだけど。」
手当たり次第に倒していったら、時間が掛かってしまって完全に囲まれてしまった。配下のやつらとも引き離されてしまい、少々辛いところがある。
「おうおう、まだまだいるぜェ?たーっぷり楽しんでくれよぉ」
「黙れ」
「ひひひ、つれねぇなァ」
男たちの壁が分かれ、一人歩いてくるやつがいた。赤く染めた髪にピアスを鼻に着けている。事前に知らされた情報からだと、おそらく幹部だろう。ナイフを片手にニタニタと笑いかけてくる。
「一騎打ちだァ、あそぼーぜぇ?」
「…はぁ、エナ」
「あーわかった。だけど気を付けてよ?ないと思うけどさ」
エナは俺から離れて俺たちを見守る。周りのやつらも傍観するつもりなのか、ヤジと罵声を飛ばして立っている。
改めて、こいつの前に立った。俺は無手、向こうはナイフ。明らかにそれを受けたら不利に陥るだろう。今までにもナイフを使ってくるやつはいたが、こいつは幹部にまで成り上がったやつだ。油断はしないほうが良いだろう。
「じゃあ、いこうか…なぁっ!!」
「…フッ、ッ!!!」
一直線に目にナイフを突きさそうとするのを頭を横にずらして避ける。そしてまたナイフ…と見せかけて足払いをかけてくるので間合いを開けて回避する。
その後もフェイントも含め攻撃してくるが全て避けることに専念する。
「ふぅっ!!!おめぇは、避けるだけで、何もしてこねぇなァ!!!俺は、寂しいぜェ!!!」
仕掛ながら、話しかけてくる。俺はそれを聞いて、判断する。
「そうだな、もう十分だろう。」
「ハァっ?」
「行くぞ」
「…?ッ…!!?」
今度は首を狙ったナイフの動きをよく見て、後ろに大きく下がる。腕を伸ばし切ったとともに、その下がった時の力を利用してナイフを蹴り上げた。
回転しながら上に飛んでいくナイフ、目を大きく見開いている顔、硬直した隙にそいつの鼻っ面をぶん殴った。
「ふっ…!!!」
「ッぐあっ!!!??」
力を籠めすぎたのか勢いよく飛んでいく男を横目にエナに声を掛ける。
「行くぞ」
「わかったー」
騒めく周りを無視して俺たちは歩き出す。壁は分かれ、俺たちは夜闇に消えた。
背後でナイフが落ちた音が響いた。
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