Lara

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第二章 夏季休暇編 よし、仕事さぼるわ。

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空いているテーブルを見つけて三人で座る。視線はまだ集まってくるが、中央よりはマシだろう。まだ耳を痛めている二人を横目に注文用タブレットを手に取る。うーん、今日はどれにしようかな。

「あー、僕は素麵にするけど、二人はどうする~?」
「……ちょっと貸せ」

岩崎が俺の手からタブレットを奪い取り、操作する。そんな渋面にしてどうした。

「僕は肉厚ハンバーグセットでお願い。」
「わかった。俺は定食Aにするか。椿はうな丼ご飯大盛りな」
「え、ちょっ、変えないでよ~!」
「あからさまに少なすぎだ。前から少ないとは思っていたが今回は流石に酷い。もっと食え」
「でも大盛りは無理~!」
「なんでそんな食わねぇんだよ。」
「そんなに食べても意味ないんですぅ~これだけでも立派に生きていけますぅ~!」
「この食堂の素麺の量は結構少ないんだ。それなら違うのも頼め。」
「ぶ~ぶ~」

いいだろ素麺。食べるのに面倒くさくないし、あっさりしてるし、なによりめんどうくさくないし。
俺は口を尖らせて、親指を下に向けて抗議する。
そうしたら、岩崎の目はきらりと光って頷いた。いや、今のエフェクトは何。

「そうか、まあいい。もう頼んでしまったからな。」
「えっ、ちょ~何やってんのぉ~!?」
「ちゃんと全部食べろよ?」
「いやいやいや」

はぁ、いいけどさぁ…食べきれないって考えはなかったのか?まあ食べれるけどな。食堂では萌えが多いからそれに多く費やそうと飯の量を少なくしているだけだし。ったく…
そうしているうちにウェイターがやってきて料理をテーブルの上に置いていく。

「ありがと~」
「ありがとうございます!」
「ありがとう」

俺が礼を伝えるとほかの二人も口々に礼をする。それを聞いたウェイターはにっこりと笑って去っていった。
初めの頃は二人は礼を言わなかったけど俺がやっていたら自然と言うようになった。いい子ちゃんたちだわ、こいつら。
それじゃあ、早速…と箸を持とうとしたら岩崎に取り上げられた。

「え…?」
「あーん」

びっくりしてみたらうな丼を一口分持って口に差し出してきた。ファッ……!?

「え?ちょ…」
「あーん」

ナニコレ、あーんされようとしている?俺の箸が取られて代わりに飯を差し出されてる…澤瀬にやれよ。まあいっか

「あ、あーん?」
「ん、それじゃあ次…」
「というか、待った!名にこの状況!?」
「ん?嫌がらせ、さっき喧嘩売って来たもんな」
「喧嘩って…」
「ほらこれ」

そういって岩崎は親指を指さした。…それかよぉ!てかそれでやり返すか普通!?そしていそいそとまた俺の前に差し出される鰻。

「いや、普通に食べれるし~!」
「だめだ、最後までやるぞ。ほらあーん」
「う~!岩崎のご飯も冷めちゃうし~というか澤瀬はなにニヤニヤしてんだよ~!」
「いやー、眼福眼福」
「そう思うんだったらさっさと受け取れ。はいあーん」
「ぐぅぅ!あーん!」

頬が熱いぜ、ちくしょー!


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