証

わく☆どき♡ 新入生歓迎会

１０

「委員ちょーう！」
「どうした、椿。なにかあったか？」
「んー、あったというより…ねぇ？この子と転校生クンをなるべく引き離せないかなぁ～って」
「ほう……なるほどな。」

おっ、委員長は納得したか。まあ、同年代ではぴか一の観察眼を持っているからな。俺か？俺は例外だ。

「早めに対応したほうが良いかなぁって思っちゃったんだよねぇ～」
「わかった。爽に言っておこう。あいつはあの問題児を担当しているからな。それくらいなら多分大丈夫だと思う。あいつのストレスは計り知れないが。」

爽とは、今王道クンと一緒にいる風紀委員である。名前は一ノ瀬 爽いちのせ そう
名前からして爽やかと分かる。そう、教室で仲良くなるという爽やかクンだ！
この学園では惚れたとかなんとかは無く、委員長命令で監視しているらしい。正直言って、お疲れ様としか言いようがない。王道クンと同じクラスになり、そして委員長の覚えが良かったのが運の尽きだろう。
委員長はその爽やかクンに監視、対応だけでなく王道クンの誘導、妨害も担当しろ。と言うつもりだろう。ブラックだなぁ……王道クン相手の時点で。今までも大変だったのにさらに地獄になると……ガンバ！

「あ、あの……えっとどういうことでしょうか。」
「あ～そうだねぇ、もう転校生クンと一緒にいるの限界でしょ？おニーさんに正直に言ってみな～？」
「う、その……はい。……もう、むり、です。」
「うんうん、素直でよろしい！ってことでいいんちょ～？」
「ああ、これからは風紀委員も成香 律についてあなたに近づかないようになるべく対処しよう。その為に、成香 律を担当しているうちの委員、一ノ瀬 爽に連絡しておく。流石にすべてとは言わないが、成香 律に悩まされるのは少なくなるだろう。これでどうだ？」
「うんうん、僕はいいと思うよぉ～？頼クンはど～お～？」
「あっ！はい！ありがとうございます！それなら大丈夫です！」
「そうか、それならよかった。」

とりあえず巻き込まれクンのことはこれで大丈夫だろう。
話すことはもう話したし、そろそろ会議室に戻ろう。思ったより時間を食ってしまった。チャットからも二人からどうかしたのかと送られてきていた。

「それじゃあ、僕はもう帰るねぇ～」
「ああ、気をつけて帰れよ。」
「今日はありがとうございました！」
「……ばいば……い…」

どうやらチャラ男は最後の最後で起きたらしい。

――があんっ

近くにあったステンレス板でその起き上がった頭を叩き、また昏倒させる。
いやーなんかイラっと来たからついつい手が滑った。

「じゃ～ね～」

その後、一人の男が床に沈む中、その鬼の所業たる様を笑顔でやっていたのを見ていた二人は頬を引きつらせ

「これ、どうします？」
「…ソファーに横にさせておくか。」

顔を見合わせていた。