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平和な日常
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一口、珈琲を飲む。
口の中に深い苦味が広がると共に芳しい香りが入り込む。
「あ~美味し~。やっぱ、珈琲は副会長のが一番だよねぇ~。副会長の淹れた珈琲の右に出るものはいない!」
「ふふっ、そうですが。ありがとうございます。」
あ、これはいつもの張り付けたかのようなエセ笑顔じゃない。ちょっと嬉しい。こっちまでニコニコしてしまう。
あー、良いねこの景色。みんな穏やかに笑っていて、平和ってこういうのだろうなって思える。仲の悪い間柄じゃあなかなか出来ない。ずっと続いていけばいいよな。
「つっつん」
「ニヤニヤしてるー」
「「ちょっときもちわるーい」」
「あ、ひっどー!!」
冷蔵庫のほうに行き、中から鍵の付いた箱を取り出す。
いやぁ、絶対に先に食べられたくなかったからな、鍵つきの箱の中に厳重しまってた。
そして箱からケーキを出し、双子に見せつけながら言う。
「そんなひどいこという子にはこの、一部店舗限定&期間限定スゥイーツ ギルム 幻のフルーツたっぷりお茶目ケーキを食べさせてあげな~い!!あ~あ、僕皆が喜ぶ顔を見たくてわざわざ持ってきたのになぁ~。」
「な、なぜそれを持っている。それは一度食べたら忘れられず、沢山の人がどんなに頼み込んでも、作り出されなかったやつではないか。」
「...まぼ...ろし、のけ...き!!」
その言葉を聞いてニヤリ、と笑って見せる。
「実はと言うとねぇ~、このケーキ、僕が~作ったやつなんだよね☆
ちょーっとスゥイーツ ギルムにお世話になったときにぃお礼で作ったんだけどぉ思いの外好評を得て~。なんと!店舗にも出るくらいだったんだよねぇ~。というか出させてくれと物凄い勢いで頼まれたんだけどぉ。」
わぁお、みんな見事に固まってる。
「う、嘘でしょう。あんなに頼み込んでも取り寄せることのできなかったものですよ!?」
「嘘じゃないもんねーだ!それも多分僕がいなかったから作ってないだけだろうしぃ~。」
「た...べ、たい!」
キラキラした目で見つめないで下さい。この嘘と打算にまみれた腐った心が浄化されてしまいます。そして今からやる鬼畜の所業を思い胸が痛むから!
「え~?僕、双子クンの心な~い言葉に傷ついちゃったんだよねぇ~?だからぁ~これはぁ~お預け、かなぁ~」
口の中に深い苦味が広がると共に芳しい香りが入り込む。
「あ~美味し~。やっぱ、珈琲は副会長のが一番だよねぇ~。副会長の淹れた珈琲の右に出るものはいない!」
「ふふっ、そうですが。ありがとうございます。」
あ、これはいつもの張り付けたかのようなエセ笑顔じゃない。ちょっと嬉しい。こっちまでニコニコしてしまう。
あー、良いねこの景色。みんな穏やかに笑っていて、平和ってこういうのだろうなって思える。仲の悪い間柄じゃあなかなか出来ない。ずっと続いていけばいいよな。
「つっつん」
「ニヤニヤしてるー」
「「ちょっときもちわるーい」」
「あ、ひっどー!!」
冷蔵庫のほうに行き、中から鍵の付いた箱を取り出す。
いやぁ、絶対に先に食べられたくなかったからな、鍵つきの箱の中に厳重しまってた。
そして箱からケーキを出し、双子に見せつけながら言う。
「そんなひどいこという子にはこの、一部店舗限定&期間限定スゥイーツ ギルム 幻のフルーツたっぷりお茶目ケーキを食べさせてあげな~い!!あ~あ、僕皆が喜ぶ顔を見たくてわざわざ持ってきたのになぁ~。」
「な、なぜそれを持っている。それは一度食べたら忘れられず、沢山の人がどんなに頼み込んでも、作り出されなかったやつではないか。」
「...まぼ...ろし、のけ...き!!」
その言葉を聞いてニヤリ、と笑って見せる。
「実はと言うとねぇ~、このケーキ、僕が~作ったやつなんだよね☆
ちょーっとスゥイーツ ギルムにお世話になったときにぃお礼で作ったんだけどぉ思いの外好評を得て~。なんと!店舗にも出るくらいだったんだよねぇ~。というか出させてくれと物凄い勢いで頼まれたんだけどぉ。」
わぁお、みんな見事に固まってる。
「う、嘘でしょう。あんなに頼み込んでも取り寄せることのできなかったものですよ!?」
「嘘じゃないもんねーだ!それも多分僕がいなかったから作ってないだけだろうしぃ~。」
「た...べ、たい!」
キラキラした目で見つめないで下さい。この嘘と打算にまみれた腐った心が浄化されてしまいます。そして今からやる鬼畜の所業を思い胸が痛むから!
「え~?僕、双子クンの心な~い言葉に傷ついちゃったんだよねぇ~?だからぁ~これはぁ~お預け、かなぁ~」
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