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四章 月下香
女王の憶測
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———ある女性が悠々たる足取りで廊下を歩いている
行き着く先は闘技場の最上級貴賓席
女性は扉の前で足を止めゆっくりと重い扉を開く
開いた先には玉座に座る人物とその両隣のボディガードがこちらを振り向いた
「———お帰り。調子はどうだリコリス?妾は心配で胸がはち切れそうだ」
「ご心配なくお母様。今年も好調です」
リコリスは予選が終わると医務室には寄らずまっすぐ母親もとい女王の元に来ていた。両隣のボディガードは後ろで腕を組みただ立っているので会話に入らない
ストレニアは頬杖を着き神妙な声で言葉を発する
「そうか。ならば良い。しかし今年は妙な奴がいるようだ」
滅多に頬杖を着かない母親に少し目を見開き会話を続ける
「そのようです‥‥子供なのではと思いましたが、あの戦闘ぶりから子供とは思えないです。それに獣人ではありません。私の眼が正しければ人族かと」
「そうか‥‥人族か‥‥」
女王ストレニアは遠くを見るように視線を空へと投げあることを思い返す
半年前に同じSSSランクのエルフ族総司令ディアナから連絡があった。
内容としては単純明快、可視化できる魔力の持ち主がこの世に現れたと‥‥
知らせを聞いたときは信用せずに『そんなことはあり得ない』と思っていた。それも男女の子供のような人物と‥‥
それに加えエルフ族が崇める神に等しき存在、精霊女帝が召喚され国が混乱したと‥‥なんとも大袈裟な、と馬鹿にしていた
しかし極秘事項の内容でその考えが一度振り出しに戻る。
人族領での厄災に関与しているのは魔獣ではなく人間であること。それも背格好は小さく子供のようだと言う
この半年で様々な国で事件が起こる。それもある者を中心に次々と
そして先程、目を見開く戦闘をした少年に視点を当てる
「偶然なのか‥‥それとも勘違いか。流れ的に次はこの国か‥‥」
「‥‥?この国とは?」
「ああ、なんでもない。独り言だ‥‥」
ストレニアは意識をいつも通りに戻し再び話す
「———次はトーナメント線、決勝に挑む前に奴と当たるかもしれん。リコリス気を引き締めろ」
「はい。お母様」
行き着く先は闘技場の最上級貴賓席
女性は扉の前で足を止めゆっくりと重い扉を開く
開いた先には玉座に座る人物とその両隣のボディガードがこちらを振り向いた
「———お帰り。調子はどうだリコリス?妾は心配で胸がはち切れそうだ」
「ご心配なくお母様。今年も好調です」
リコリスは予選が終わると医務室には寄らずまっすぐ母親もとい女王の元に来ていた。両隣のボディガードは後ろで腕を組みただ立っているので会話に入らない
ストレニアは頬杖を着き神妙な声で言葉を発する
「そうか。ならば良い。しかし今年は妙な奴がいるようだ」
滅多に頬杖を着かない母親に少し目を見開き会話を続ける
「そのようです‥‥子供なのではと思いましたが、あの戦闘ぶりから子供とは思えないです。それに獣人ではありません。私の眼が正しければ人族かと」
「そうか‥‥人族か‥‥」
女王ストレニアは遠くを見るように視線を空へと投げあることを思い返す
半年前に同じSSSランクのエルフ族総司令ディアナから連絡があった。
内容としては単純明快、可視化できる魔力の持ち主がこの世に現れたと‥‥
知らせを聞いたときは信用せずに『そんなことはあり得ない』と思っていた。それも男女の子供のような人物と‥‥
それに加えエルフ族が崇める神に等しき存在、精霊女帝が召喚され国が混乱したと‥‥なんとも大袈裟な、と馬鹿にしていた
しかし極秘事項の内容でその考えが一度振り出しに戻る。
人族領での厄災に関与しているのは魔獣ではなく人間であること。それも背格好は小さく子供のようだと言う
この半年で様々な国で事件が起こる。それもある者を中心に次々と
そして先程、目を見開く戦闘をした少年に視点を当てる
「偶然なのか‥‥それとも勘違いか。流れ的に次はこの国か‥‥」
「‥‥?この国とは?」
「ああ、なんでもない。独り言だ‥‥」
ストレニアは意識をいつも通りに戻し再び話す
「———次はトーナメント線、決勝に挑む前に奴と当たるかもしれん。リコリス気を引き締めろ」
「はい。お母様」
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