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四章 月下香
獣武祭があるらしい
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———獣武祭当日
目を開けると鳥の鳴き声と外の賑やかな人々の声が聞こえて来る
俺は身体をくねらせベッドから起きようとした‥‥しかし妙に体が重く何かが乗っかっている感じがする‥‥‥
体の下方に視線をやるとその正体がわかった
「———おい。俺が寝ている間に何をしていた」
「———ん?主よ、おはよう。どうだぐっすり眠れたか?」
やはりヴァルネラだった‥‥迂闊だった‥‥
先に寝てしまえばなんとなく想像できた事だ。なんて事を‥‥
「おいっ!さっさと降りろ」
俺は体から早く降りる様に促す。なぜなら‥‥嫌な予感がする‥‥
「もう少しこのまま良いではないか———」
『———何してるの』
恐れていたことが起きてしまった
『彼女達』は口を一分のズレもない動きでこちらに発してきた
それはもう低い声で‥‥
「ヴァルネラ様。それはまだと言ったはずです」
「精霊女帝がなんですって?ルールを守らないなんて万死に値するわ」
二人の美少女が俺と言うよりヴァルネラに鬼の形相で詰め寄る
「悪いな小娘達、これは寝相だ。我はとてもとっても寝相が悪いのでな。仕方ない事よ」
ヴァルネラはこんな状況でもシラを切る様だ。彼女達との間に火花がばちばち散っている。そしてそのまま口論になってしまった
こうなっては気がやむまで止まらない
俺は三人の間を抜け出し部屋の扉に手を掛けた
三人は口論に夢中になって俺が抜け出したことに気付いていない
何も無かったかの様に俺は食事に一人で向かった
階段を降り、昨日と同じ食堂にまっすぐ向かう
猫耳ウェイトレスが笑顔で挨拶して来たのでこちらも笑顔で返す
辺りを見渡し昨日と同じ席が空いていたのでそこに座りとりあえず注文しておく
ウェイトレスを呼びまたもや四人前を頼んだ
(これ毎回俺が頼まなくてはならないのか‥‥)
3人はまだ降りてきそうにないので水を飲みながら待つことにする
———数分経つと先に料理が運び込まれた
しかも四人前が一度に運び込まれた為、周りからは偏見の目を向けられる
息苦しい中、一人で料理を食べていると周りが騒めき出した
「おい!見ろよあれ!昨日の美人親子じゃねーか」
「ああ、見ているとも。あの胸を、もちろんなっ」
「ありゃ~目が癒される。娘達もとんでもねー逸材だ」
「おい誰か、声掛けてこい」
「馬鹿やめとけ。お前みたいな奴相手にされねーよ」
———なんとも優雅だ。あの美人親子は俺の連れだと言うのだから実に優雅であるっ
美人親子が俺を見つけると、こっちにやって来た
て言うか着替えも済んでいるのね。あの口論中によく着替えたな
「おはよう三人とも。朝食を頼んでおいた」
俺はテーブルに出されている料理を三人に見せる
「おはよう。朝から豪華な朝食ね」
「おはようございます。 とっても良い匂いがします」
「また会ったな主。ほお、中々粋な料理だ」
三人とも先ほどの口論が嘘だったかの様に元通りになっている
しかし笑顔がやや怖いのは気のせいか?
美味しそうに料理を食べる三人を見るとなんだか眩しい
俺が一緒のテーブルに座っていると場違いな気がしてならない
辺りを見ると‥‥‥‥
周りの男達からは殺気を向けられている。ぶつぶつと呟いている男もいるが呪いじゃないよな?
美味しい食事なのに胃が痛くなってきた‥‥
(これから獣武祭のために防具ぐらいは買っておいたほうが良いだろうな)
俺は三人に防具を揃えるため店に行くよう説明する
三人とも潔くオーケーしてくれた
料理を残さずに食べ終えたところで一度部屋に戻る
やはり背中には殺気の視線を向けられる
視線を無視して階段を上がり、部屋に着いたところで外着に着替えた
「よし、準備オーケー。行くか」
「「「了解」」」
三人に告げると口を揃えて承諾してくれた
目を開けると鳥の鳴き声と外の賑やかな人々の声が聞こえて来る
俺は身体をくねらせベッドから起きようとした‥‥しかし妙に体が重く何かが乗っかっている感じがする‥‥‥
体の下方に視線をやるとその正体がわかった
「———おい。俺が寝ている間に何をしていた」
「———ん?主よ、おはよう。どうだぐっすり眠れたか?」
やはりヴァルネラだった‥‥迂闊だった‥‥
先に寝てしまえばなんとなく想像できた事だ。なんて事を‥‥
「おいっ!さっさと降りろ」
俺は体から早く降りる様に促す。なぜなら‥‥嫌な予感がする‥‥
「もう少しこのまま良いではないか———」
『———何してるの』
恐れていたことが起きてしまった
『彼女達』は口を一分のズレもない動きでこちらに発してきた
それはもう低い声で‥‥
「ヴァルネラ様。それはまだと言ったはずです」
「精霊女帝がなんですって?ルールを守らないなんて万死に値するわ」
二人の美少女が俺と言うよりヴァルネラに鬼の形相で詰め寄る
「悪いな小娘達、これは寝相だ。我はとてもとっても寝相が悪いのでな。仕方ない事よ」
ヴァルネラはこんな状況でもシラを切る様だ。彼女達との間に火花がばちばち散っている。そしてそのまま口論になってしまった
こうなっては気がやむまで止まらない
俺は三人の間を抜け出し部屋の扉に手を掛けた
三人は口論に夢中になって俺が抜け出したことに気付いていない
何も無かったかの様に俺は食事に一人で向かった
階段を降り、昨日と同じ食堂にまっすぐ向かう
猫耳ウェイトレスが笑顔で挨拶して来たのでこちらも笑顔で返す
辺りを見渡し昨日と同じ席が空いていたのでそこに座りとりあえず注文しておく
ウェイトレスを呼びまたもや四人前を頼んだ
(これ毎回俺が頼まなくてはならないのか‥‥)
3人はまだ降りてきそうにないので水を飲みながら待つことにする
———数分経つと先に料理が運び込まれた
しかも四人前が一度に運び込まれた為、周りからは偏見の目を向けられる
息苦しい中、一人で料理を食べていると周りが騒めき出した
「おい!見ろよあれ!昨日の美人親子じゃねーか」
「ああ、見ているとも。あの胸を、もちろんなっ」
「ありゃ~目が癒される。娘達もとんでもねー逸材だ」
「おい誰か、声掛けてこい」
「馬鹿やめとけ。お前みたいな奴相手にされねーよ」
———なんとも優雅だ。あの美人親子は俺の連れだと言うのだから実に優雅であるっ
美人親子が俺を見つけると、こっちにやって来た
て言うか着替えも済んでいるのね。あの口論中によく着替えたな
「おはよう三人とも。朝食を頼んでおいた」
俺はテーブルに出されている料理を三人に見せる
「おはよう。朝から豪華な朝食ね」
「おはようございます。 とっても良い匂いがします」
「また会ったな主。ほお、中々粋な料理だ」
三人とも先ほどの口論が嘘だったかの様に元通りになっている
しかし笑顔がやや怖いのは気のせいか?
美味しそうに料理を食べる三人を見るとなんだか眩しい
俺が一緒のテーブルに座っていると場違いな気がしてならない
辺りを見ると‥‥‥‥
周りの男達からは殺気を向けられている。ぶつぶつと呟いている男もいるが呪いじゃないよな?
美味しい食事なのに胃が痛くなってきた‥‥
(これから獣武祭のために防具ぐらいは買っておいたほうが良いだろうな)
俺は三人に防具を揃えるため店に行くよう説明する
三人とも潔くオーケーしてくれた
料理を残さずに食べ終えたところで一度部屋に戻る
やはり背中には殺気の視線を向けられる
視線を無視して階段を上がり、部屋に着いたところで外着に着替えた
「よし、準備オーケー。行くか」
「「「了解」」」
三人に告げると口を揃えて承諾してくれた
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