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二章 穢れの少女
幕間 ファシーノ・ウノ
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————私はファシーノ・ウノ
もともとこの名ではなく命の恩人から贈られた新しい名
私の元の家は公爵家。でも数ヶ月前に捨てられた‥‥貴族は魔法の才能や武術などを大いに気にする
そして私は5歳から毎日訓練されてきた。しかし全ての才能において欠点しかなかった‥‥‥
13歳になる頃には親にも見放され家の名潰しと言われてきた。そして運命の日、全階級制定協会の試験を受けるため王都の闘技場に足を運んだ
ここで挽回して親を認めさせる。そして証明してみせると粋がるが結果は最下位のFランク
(何で私だけ才能がないの? 他の貴族の同級生達は高ランクばかりなのに‥‥)
哀れでしかたなかった。なんの為に生まれてきたのか分からなかった
今まで一生懸命に訓練してきた事が全て無駄だった事実
それからはトントン拍子で破門され奴隷にまで落ち、買われた。
私を買った人たちはとても良い人たちではなかった。 暴力は当たり前、食事は三日に一度
そして森に連れていかれ洞窟で実験に使われると知り、絶望した
悲しくて怖くて涙が出るはずがなにも出ない。
涙までも私を嫌ってしまったらしい
洞窟の中が肌寒くなり全身が凍える。夜が訪れ今日が最後の日だと悟った
その時だった。洞窟の入り口が騒ぎ出した。気になり観にいくと一人の少年が大人達を圧倒していた
そして最後の一人になった時、彼の体内からとても綺麗な魔力が視えた
(なんて綺麗なの‥‥‥)
私は息をするのを忘れて魅入った。でも同時にとても怖かった。
彼が放った魔法は天と大地を裂いた。心が戦慄し身を縮めるほどにおぞましい物だった
彼が手を差し伸べてきたが怖くて体が動かなかった。すると彼は回復魔法を私に掛けてくれた
傷が全て痕を残さずに消えていく。夢かと思った‥‥
でもなぜ彼は私を助けてくれたのか謎だった‥‥
彼は親の仇でついでに助けたと言ったが、それでも助けてくれたことには変わらなかった
今後どうするかと聞かれたが私は捨てられた身、どこにも帰る場所がないと告げると彼は『一緒に来い』と言ってくれた
私は即答した。そして新たな人生、新たな名前を貰った。
———ファシーノ・ウノ
それが私の名前
その後魔法までも使えるようにしてくれた。私の体内に彼と同じ魔力が宿っているのだと思うと嬉しくて堪らない
なんて幸せなのか、しかし私は彼に返せる物が何も無い‥‥私は恥かしさを捨てて身体をと言うが彼はそれを望まなかった。ただ仲間になれと告げられた。
私は彼に一生ついていくと決めた。彼が今後一人になろうと、世界からたった一人嫌われようと、地獄へ落ちようと私は彼のそばにいると誓った
◊◊◊
そして新たな仲間を求めてエルフ大国へ旅立った
とても幻想的で世界一の国と言われているらしい。私も初めて訪れた
そして妙な噂を聞きつけ深夜オークション会場へと向かう事になる
しかし、そこで目にしたものはとても耐えられるものではなかった
オークションの最後にとても観ていられない姿の蒼髪のエルフが登場する
私は絶句した。今すぐにでも周りの会員達を屠ってやりたかった
しかし彼に止められる
私は耐えきれなかった。私と同じ、いいえそれ以上の扱いをされているエルフを見逃す事が出来そうになかった
それに察した彼はあのエルフを『奪う』と言い内心とても嬉しかった
けど、彼を横目に見るとその顔はとても怖かった。初めて観た顔だけど何だか体が熱くなる。
(な、何で彼の怖い顔を観るとこんなに興奮するんだろう‥‥)
私はおかしくなってしまったのだろうか‥‥
———考えるのをやめて、奪うその時をただ待っていると突然、後方の扉が爆破された。そこでエルフ軍の特魔部隊を名乗る者達が突入してくる
彼と特魔部隊の隊長が戦闘を始めると私は今のうちにエルフの彼女を奪還しに向かった
そこでは特魔部隊の隊員とぶつかり戦闘になる
「「止まれ! そこを動くな!」」
「いいえ、その子は私達の物よ!」
絶叫と共に魔力を解放する。彼から受け継いだ魔力と私の元の魔力が体内で重なり合う
————私の人生はあの時にようやく動き始めた。
これは偶然なのか必然なのか。それとも運命なのか‥‥
神すら寄せ付けない私と彼の歩み‥‥
体内から魔力が流れ出る
隊員達は口を開け唖然とする。その一人が何とか声を発した
「‥‥ばかな!?可視化できる魔力だと!
貴様一体‥‥‥!?」
そう‥‥‥私も可視化できる魔力‥‥。しかし彼のように黒い魔力ではなく傍の紫。
彼の魔力が支えになっているからこそ可視化できる
そして私は目の前の隊員に微笑みかける
「‥‥‥‥‥運命《ファートゥム》」
まだ彼のように剣を模し出来ないけど‥‥‥私なりに右手に魔力を集めて横なぎに払った
「———これは運命。私と彼の‥‥‥邪魔をする者は私が彼に変わって奪う」
横なぎに払った右手から魔力が消えていくと同時に、目の前の隊員達は全員倒れた。まるで魂が抜けたかのように‥‥
それもそのはずこの魔法は相手の運命、人生を奪う魔法。
所謂寿命を奪う魔法。彼にこの魔法はまだ教えていない
なぜなら今思いついた魔法だから‥‥
私のオリジナル魔法‥‥なんて酷いのかしらね‥‥
人の運命を奪う魔法は人に反する魔法。私は人の枠から外れた存在。
おぞましい罪の魔法
それでも彼と共ならどんな化け物になったって良い。自ら化け物へと落ちよう
———隊員達の屍を越えエルフの少女を救出する。どうやら気絶してしまっている。私は彼女を担ぎ、戦闘中の彼と隊長の間に割り込んだ
一瞬で周りを囲まれたが彼のあの魔法で逃げきれる事に成功
森に転移し一安心かと思えば彼は重傷を負っている———
「怪我してるじゃない?!」
私は急いで彼に回復魔法をかける。こんな傷だらけの彼を見るのは心が痛む
「ばか‥‥」
回復が終わりエルフの少女が起き上がった。しかし言葉を発しない。赤ちゃんのように呻き声を出すだけ‥‥
彼が怪しむと舌が切られている事に気付いた
彼に鋭い視線を向けられ、ビクッと体が跳ねたが回復という言葉を聞きすぐに察して回復魔法を掛けた————
もともとこの名ではなく命の恩人から贈られた新しい名
私の元の家は公爵家。でも数ヶ月前に捨てられた‥‥貴族は魔法の才能や武術などを大いに気にする
そして私は5歳から毎日訓練されてきた。しかし全ての才能において欠点しかなかった‥‥‥
13歳になる頃には親にも見放され家の名潰しと言われてきた。そして運命の日、全階級制定協会の試験を受けるため王都の闘技場に足を運んだ
ここで挽回して親を認めさせる。そして証明してみせると粋がるが結果は最下位のFランク
(何で私だけ才能がないの? 他の貴族の同級生達は高ランクばかりなのに‥‥)
哀れでしかたなかった。なんの為に生まれてきたのか分からなかった
今まで一生懸命に訓練してきた事が全て無駄だった事実
それからはトントン拍子で破門され奴隷にまで落ち、買われた。
私を買った人たちはとても良い人たちではなかった。 暴力は当たり前、食事は三日に一度
そして森に連れていかれ洞窟で実験に使われると知り、絶望した
悲しくて怖くて涙が出るはずがなにも出ない。
涙までも私を嫌ってしまったらしい
洞窟の中が肌寒くなり全身が凍える。夜が訪れ今日が最後の日だと悟った
その時だった。洞窟の入り口が騒ぎ出した。気になり観にいくと一人の少年が大人達を圧倒していた
そして最後の一人になった時、彼の体内からとても綺麗な魔力が視えた
(なんて綺麗なの‥‥‥)
私は息をするのを忘れて魅入った。でも同時にとても怖かった。
彼が放った魔法は天と大地を裂いた。心が戦慄し身を縮めるほどにおぞましい物だった
彼が手を差し伸べてきたが怖くて体が動かなかった。すると彼は回復魔法を私に掛けてくれた
傷が全て痕を残さずに消えていく。夢かと思った‥‥
でもなぜ彼は私を助けてくれたのか謎だった‥‥
彼は親の仇でついでに助けたと言ったが、それでも助けてくれたことには変わらなかった
今後どうするかと聞かれたが私は捨てられた身、どこにも帰る場所がないと告げると彼は『一緒に来い』と言ってくれた
私は即答した。そして新たな人生、新たな名前を貰った。
———ファシーノ・ウノ
それが私の名前
その後魔法までも使えるようにしてくれた。私の体内に彼と同じ魔力が宿っているのだと思うと嬉しくて堪らない
なんて幸せなのか、しかし私は彼に返せる物が何も無い‥‥私は恥かしさを捨てて身体をと言うが彼はそれを望まなかった。ただ仲間になれと告げられた。
私は彼に一生ついていくと決めた。彼が今後一人になろうと、世界からたった一人嫌われようと、地獄へ落ちようと私は彼のそばにいると誓った
◊◊◊
そして新たな仲間を求めてエルフ大国へ旅立った
とても幻想的で世界一の国と言われているらしい。私も初めて訪れた
そして妙な噂を聞きつけ深夜オークション会場へと向かう事になる
しかし、そこで目にしたものはとても耐えられるものではなかった
オークションの最後にとても観ていられない姿の蒼髪のエルフが登場する
私は絶句した。今すぐにでも周りの会員達を屠ってやりたかった
しかし彼に止められる
私は耐えきれなかった。私と同じ、いいえそれ以上の扱いをされているエルフを見逃す事が出来そうになかった
それに察した彼はあのエルフを『奪う』と言い内心とても嬉しかった
けど、彼を横目に見るとその顔はとても怖かった。初めて観た顔だけど何だか体が熱くなる。
(な、何で彼の怖い顔を観るとこんなに興奮するんだろう‥‥)
私はおかしくなってしまったのだろうか‥‥
———考えるのをやめて、奪うその時をただ待っていると突然、後方の扉が爆破された。そこでエルフ軍の特魔部隊を名乗る者達が突入してくる
彼と特魔部隊の隊長が戦闘を始めると私は今のうちにエルフの彼女を奪還しに向かった
そこでは特魔部隊の隊員とぶつかり戦闘になる
「「止まれ! そこを動くな!」」
「いいえ、その子は私達の物よ!」
絶叫と共に魔力を解放する。彼から受け継いだ魔力と私の元の魔力が体内で重なり合う
————私の人生はあの時にようやく動き始めた。
これは偶然なのか必然なのか。それとも運命なのか‥‥
神すら寄せ付けない私と彼の歩み‥‥
体内から魔力が流れ出る
隊員達は口を開け唖然とする。その一人が何とか声を発した
「‥‥ばかな!?可視化できる魔力だと!
貴様一体‥‥‥!?」
そう‥‥‥私も可視化できる魔力‥‥。しかし彼のように黒い魔力ではなく傍の紫。
彼の魔力が支えになっているからこそ可視化できる
そして私は目の前の隊員に微笑みかける
「‥‥‥‥‥運命《ファートゥム》」
まだ彼のように剣を模し出来ないけど‥‥‥私なりに右手に魔力を集めて横なぎに払った
「———これは運命。私と彼の‥‥‥邪魔をする者は私が彼に変わって奪う」
横なぎに払った右手から魔力が消えていくと同時に、目の前の隊員達は全員倒れた。まるで魂が抜けたかのように‥‥
それもそのはずこの魔法は相手の運命、人生を奪う魔法。
所謂寿命を奪う魔法。彼にこの魔法はまだ教えていない
なぜなら今思いついた魔法だから‥‥
私のオリジナル魔法‥‥なんて酷いのかしらね‥‥
人の運命を奪う魔法は人に反する魔法。私は人の枠から外れた存在。
おぞましい罪の魔法
それでも彼と共ならどんな化け物になったって良い。自ら化け物へと落ちよう
———隊員達の屍を越えエルフの少女を救出する。どうやら気絶してしまっている。私は彼女を担ぎ、戦闘中の彼と隊長の間に割り込んだ
一瞬で周りを囲まれたが彼のあの魔法で逃げきれる事に成功
森に転移し一安心かと思えば彼は重傷を負っている———
「怪我してるじゃない?!」
私は急いで彼に回復魔法をかける。こんな傷だらけの彼を見るのは心が痛む
「ばか‥‥」
回復が終わりエルフの少女が起き上がった。しかし言葉を発しない。赤ちゃんのように呻き声を出すだけ‥‥
彼が怪しむと舌が切られている事に気付いた
彼に鋭い視線を向けられ、ビクッと体が跳ねたが回復という言葉を聞きすぐに察して回復魔法を掛けた————
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