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第三章 結婚してから乙女ゲームのヒロインである妻が愛してると言ってくれない

15.エタナーナルラブエンド

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 ホワイト領の屋敷に到着すると、ブレイデンはアンジェリカをお姫様抱っこで部屋に運んだ。

ブレイデン
「アンジェリカ、喉は渇いていませんか?」

アンジェリカ
「渇いてる!」

 ブレイデンはメイドに飲み物をすぐに用意させた。

ブレイデン
「御手洗いに行きます?」

アンジェリカ
「行く!」

 ブレイデンはアンジェリカをお姫様抱っこでトイレに連れて行った。

ブレイデン
「夕食は食べますか?」

アンジェリカ
「食べる!」

 食事をすぐに用意させて部屋で食べられるようにした。

ブレイデン
「お風呂は一緒に入りますか?」

アンジェリカ
「お風呂は一人で入ります!」

ブレイデン
「そ、そうですか...」

アンジェリカ
「ガッカリするなよ」

ブレイデン
「では...」

アンジェリカ
「では?」

 ブレイデンは思い切り息を吸って、息を止めた。だが、すぐに息を吐き出して、溜息をついた。

 夜のお誘いをしたいが、アンジェリカは疲れていると言っていたし今日は無理だろう...あぁ! でも、アンジェリカは、アンジェリカの蜂蜜を食べていいと言っていた! ど、どうすれば!?

アンジェリカ
「何だよ?」

ブレイデン
「う、歌でも歌いましょうか?」

アンジェリカ
「いいよ。それより、ご飯食べよ! 俺がパンに蜂蜜を塗ってあげよう!」

ブレイデン
「え!? 蜂蜜ですか!?」

アンジェリカ
「バラ園で採れた俺のとっておきの蜂蜜でっす!」

ブレイデン
「俺の...蜂蜜?」

アンジェリカ
「そう! 俺の蜂蜜! 特別に食べさせてあげよう!」

ブレイデン
「あ、あぁ、そうですよね...アンジェリカですものね、裏の意味がある訳ないか...はぁ...」

 ブレイデンは肩を落として額に手をあてた。

アンジェリカ
「な、何でガッカリしてるんだよ!? 特別な蜂蜜なんだぞ? ブレイデン君だけにあげる特別なヤツ!」

ブレイデン
「いえ、ガッカリなどしていません! 嬉しくて感動しているところです! 有難うございます」

アンジェリカ
「えへへ、良かった!」

 蜂蜜を塗って貰ったパンをかじるとほのかに薔薇の香りがした。この蜂蜜を食べたのは今日が初めてではない気がするんだが...贅沢をしないアンジェリカにとっては、こんな高級な蜂蜜は確かに特別な蜂蜜なのだろう。


アンジェリカ
「赤い薔薇ばっかり咲いてる薔薇園の蜂蜜なんだよ」

ブレイデン
「赤い薔薇?」

 赤い薔薇の花言葉が「アナタを愛しています」だという事は、花言葉に詳しくない人でも知っているだろう。

アンジェリカ
「そう! 赤い薔薇! えへへ」

 アンジェリカが薔薇色に色付いた頬で微笑んでいる。

 やっぱりアンジェリカは私の天使だ!

ブレイデン
「アンジェリカ! 私も! 私も貴女を愛しています!」

アンジェリカ
「うん...知ってる」

 ブレイデンは食事中のマナーを無視して席を立ち、アンジェリカをギュッと抱きしめた。

 腕の力を緩めると目と目が合った。

アンジェリカ
「俺も」

 再び腕に力が入り、今度は口と口が重なる。

 甘い蜂蜜と薔薇の香りが口いっぱいに広がった。


END

________________
作者:狸田真より

 (3話のアンジェリカに注目!)


~エスプレッソコーヒーの楽しみ方~

 イタリアでは苦いエスプレッソを飲むとき、残り少なくなってきたところでざらめの砂糖をスプーン2杯位入れて、甘々の珈琲を楽しむ方が多いそうです。

 普段はブラック珈琲を好む僕も、エスプレッソはそうやって飲むのが大好きです。

 (↑要約:苦い話が甘々になって終わるのが大好物です)

 最後に、読者の皆様、愛してるぅ~!
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