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第二章 ワタクシが妊娠!? ...子供の父親は誰なのです!?
11.密室の謎
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デボラ
「その...ブラウン卿...」
ブラウン卿
「何ですか!? まだ、何かやらかした事があるのですか!?」
デボラ
「いいえ? でも、その、お聞きしたいことがありますの」
ブラウン卿
「何でしょう?」
デボラは言い出しにくい言葉を言うために笑顔を作った。
ブラウン卿も、デボラが発するであろう、突拍子も無い言葉の衝撃に耐えようと笑顔を作った。
デボラ
「ホワイト子爵夫妻の結婚式があった、その晩の事なのですけど...ワタクシに何かおっしゃりたい事があるのではないかと思いまして」
ブラウン卿はニコニコ笑顔のままだ。笑顔でいると、なかなか悪くない顔である。
いつも傍でワタクシを守ってくれるし、小言は多いけれど、それも全て、ワタクシのためを思って言ってくれている事ですわ。家も代々シルバー公爵家に仕える由緒ある騎士の家系で、お父様の覚えも良い。
悪くないかも?
ブラウン卿
「ホワイト子爵夫妻の結婚式があった、その晩ですか? もちろん、申し上げたい事がございます!」
ついに真実に辿り着いた!?
デボラ
「遠慮なさらなくて宜しくてよ? ハッキリおっしゃって?」
ブラウン卿は少し躊躇(ためら)うような表情になる。
ブラウン卿
「では、申し上げさせて頂きますが、公爵家の淑女たるもの、酒に酔って、大声で泣き喚き、周りの方々に絡むなど、あるまじき行為! 言語道断! 大騒ぎするデボラ様を、私とグレー卿で抱えて部屋までお連れする事が、どれ程大変だったか! 私達がいなければ本当にどうなっていたことでしょう!? それなのにグレー卿を辞めさせた!? この私にも、公爵様にもご相談なく? デボラお嬢様は阿保の子なんですか!? 普段から気に入らない事があると直ぐに手が出るし、外面は良くても家の者には横柄な態度で、品位というものに欠けております! 公爵様も他の者も、デボラ様の美貌にデレデレして甘やかしてばかりいるから、こんな暴れ馬のようなお嬢様に育ってしまうのです! 公爵閣下も、夫人も、乳母殿も、執事殿も、言い難い事は何でも私に『ブラウン卿から言ってくれないか?』と面倒事を押し付けて、どれだけ私が苦労していることか! いいですか!? 今度、シルバー公爵家の家名をおとしめる様な事件を引き起こしたら、今度は私が辞めさせて頂きますからね!」
フンっと鼻を鳴らして、ブラウン卿は仁王立ちで睨みをきかせた。
そんなブラウン卿の態度に、デボラはガッカリして辟易としたものの、慣れた素振りで、苦い笑顔を作っただけだった。
デボラ
「ごめん遊ばせ! ちゃんと反省していますわ! もう、お酒は辞めましたの!」
ブラウン卿
「そうですか、それは何よりです」
デボラ
「それより...その...ブラウン卿とグレー卿で、部屋まで送って下さったの? あの晩?」
ブラウン卿
「そうですが? まさか、覚えていらっしゃらないとか言い出さないですよね?」
デボラ
「も、もちろんですわ? ちょ~っと、夢か現実かあやふやでしたので確認しただけですの。介抱して下さって有難う御座いますわ!」
ブラウン卿
「私は介抱まではしておりませんよ? グレー卿と一緒にお部屋までお連れしただけで御座います。デボラ様ご自身で鍵をかけられた音がしましたので、安心して私達も自室に引き上げました」
デボラ
「そ、そうでしたわね? オホホホ...」
ハァ~! と大きな溜息をついてブラウン卿は頭を抱えた。
何よ! 確かに少しばかし...いつも迷惑をかけているかもしれないけど、溜息をつきたいのはワタクシの方ですわ!
これで、疑わしい人物が全ていなくなってしまった...それどころか、部屋は密室だったのね? それでは、相手は誰なの!? あの晩に、一体何があったというの!?
デボラは唯一の手掛かりである手紙を握り締めた。
_____________
作者:狸田真より
ミステリーといったら、密室トリックですよね?
「その...ブラウン卿...」
ブラウン卿
「何ですか!? まだ、何かやらかした事があるのですか!?」
デボラ
「いいえ? でも、その、お聞きしたいことがありますの」
ブラウン卿
「何でしょう?」
デボラは言い出しにくい言葉を言うために笑顔を作った。
ブラウン卿も、デボラが発するであろう、突拍子も無い言葉の衝撃に耐えようと笑顔を作った。
デボラ
「ホワイト子爵夫妻の結婚式があった、その晩の事なのですけど...ワタクシに何かおっしゃりたい事があるのではないかと思いまして」
ブラウン卿はニコニコ笑顔のままだ。笑顔でいると、なかなか悪くない顔である。
いつも傍でワタクシを守ってくれるし、小言は多いけれど、それも全て、ワタクシのためを思って言ってくれている事ですわ。家も代々シルバー公爵家に仕える由緒ある騎士の家系で、お父様の覚えも良い。
悪くないかも?
ブラウン卿
「ホワイト子爵夫妻の結婚式があった、その晩ですか? もちろん、申し上げたい事がございます!」
ついに真実に辿り着いた!?
デボラ
「遠慮なさらなくて宜しくてよ? ハッキリおっしゃって?」
ブラウン卿は少し躊躇(ためら)うような表情になる。
ブラウン卿
「では、申し上げさせて頂きますが、公爵家の淑女たるもの、酒に酔って、大声で泣き喚き、周りの方々に絡むなど、あるまじき行為! 言語道断! 大騒ぎするデボラ様を、私とグレー卿で抱えて部屋までお連れする事が、どれ程大変だったか! 私達がいなければ本当にどうなっていたことでしょう!? それなのにグレー卿を辞めさせた!? この私にも、公爵様にもご相談なく? デボラお嬢様は阿保の子なんですか!? 普段から気に入らない事があると直ぐに手が出るし、外面は良くても家の者には横柄な態度で、品位というものに欠けております! 公爵様も他の者も、デボラ様の美貌にデレデレして甘やかしてばかりいるから、こんな暴れ馬のようなお嬢様に育ってしまうのです! 公爵閣下も、夫人も、乳母殿も、執事殿も、言い難い事は何でも私に『ブラウン卿から言ってくれないか?』と面倒事を押し付けて、どれだけ私が苦労していることか! いいですか!? 今度、シルバー公爵家の家名をおとしめる様な事件を引き起こしたら、今度は私が辞めさせて頂きますからね!」
フンっと鼻を鳴らして、ブラウン卿は仁王立ちで睨みをきかせた。
そんなブラウン卿の態度に、デボラはガッカリして辟易としたものの、慣れた素振りで、苦い笑顔を作っただけだった。
デボラ
「ごめん遊ばせ! ちゃんと反省していますわ! もう、お酒は辞めましたの!」
ブラウン卿
「そうですか、それは何よりです」
デボラ
「それより...その...ブラウン卿とグレー卿で、部屋まで送って下さったの? あの晩?」
ブラウン卿
「そうですが? まさか、覚えていらっしゃらないとか言い出さないですよね?」
デボラ
「も、もちろんですわ? ちょ~っと、夢か現実かあやふやでしたので確認しただけですの。介抱して下さって有難う御座いますわ!」
ブラウン卿
「私は介抱まではしておりませんよ? グレー卿と一緒にお部屋までお連れしただけで御座います。デボラ様ご自身で鍵をかけられた音がしましたので、安心して私達も自室に引き上げました」
デボラ
「そ、そうでしたわね? オホホホ...」
ハァ~! と大きな溜息をついてブラウン卿は頭を抱えた。
何よ! 確かに少しばかし...いつも迷惑をかけているかもしれないけど、溜息をつきたいのはワタクシの方ですわ!
これで、疑わしい人物が全ていなくなってしまった...それどころか、部屋は密室だったのね? それでは、相手は誰なの!? あの晩に、一体何があったというの!?
デボラは唯一の手掛かりである手紙を握り締めた。
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作者:狸田真より
ミステリーといったら、密室トリックですよね?
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