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第二章 ワタクシが妊娠!? ...子供の父親は誰なのです!?

5.手掛かりになるもの

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ジョージ
「もちろん、弁償させて頂きます!」

デボラ
「は!? 弁償!? お金で解決出来ると思っているのですか!?」

ジョージ
「い、いえ、確かに傷付けてしまったモノを元に戻す事は私には出来ませんが、腕の良い職人を派遣することは可能です! それから、誠心誠意、心からの謝罪を致します!」

デボラ
「へ? ...職人?」

ジョージ
「はい、柱の加工を得意とする職人です! 新築の汚れない真っ白な柱を完璧に直すことは出来ないかもしれませんが、それなりの状態には戻せるはずです!」

 クソジョージ! 紛らわしいんじゃボケー!! 室内で剣を振り回してんじゃないわよ!

デボラ
「そ、そうね。そうするのが宜しいのではなくて?」

ジョージ
「はい、そう致します。申し訳ございませんでした」

 で、でも、そしたら一体全体、ワタクシの相手は誰だったの!?

デボラ
「ところで、レッド卿...あの晩、ワタクシが誰かと一緒にいる所を見たりしませんでした?」

ジョージ
「見ましたよ」

デボラ
「見たのですか!?」

ジョージ
「はい...」

デボラ
「誰を!?」

ジョージ
「いつもの護衛の方ですが? それが何か?」

デボラ
「あ、あぁ、護衛ね」

ジョージ
「そういえば、今日は一緒にはいらしていないのですね?」

デボラ
「ちょっと、急いでいたものですから...おほほ」

ジョージ
「公女様が護衛もつけずに出歩かれるのは、危険ですよ? お帰りの際はお送り致しましょうか?」

デボラ
「いえ、大丈夫ですわ! 実は家の者には内緒で出てきたのです」

ジョージ
「私の名誉のために?」

 違うけど...

デボラ
「そうですわ。ですから、出来るだけ目立たない様に帰りますわ」

ジョージ
「あ、有難うございます!」

デボラ
「い、いいのよ。気にしないで!」

 デボラはジョージと別れ馬車へと向かった。


 そうだわ。あの日も、護衛騎士がワタクシの事を守っていたはずよ! 護衛騎士は任務中にお酒なんか飲めないし、変な男は近付けないはず...では、一体どうしてワタクシは妊娠したっていうの!?

 ま、まさか...護衛騎士が!?


 不安な気持ちで馬車まで戻ると、御者が手紙を差し出してきた。

御者
「お嬢様がお待ちの間、馬車を掃除していたのですが、座席にコレが置いてありましたよ」

デボラ
「手紙?」

 封筒には、とても美しい字で『デボラ・シルバー様』と書かれているが、差出人の名前がない。

 デボラは封筒から手紙を取り出し、広げた。
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