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第三幕 学生期
209.新聞の特ダネ3
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ベンジャミンが思い悩んでいると、1人の魔導騎士が駆けて来た。
リッカルド
「記者のベンジャミン・ターナーだ! すげぇ! お知り合いになりたいです!」
ベンジャミン
「貴方は?」
リッカルド
「リッカルド・ロッシです」
ベンジャミン
「情報操作のリッカルド・ロッシ!? ...様」
リッカルド
「貴方が、私の事をご存知とは光栄です」
ベンジャミン
「去年の総合バトル試験は見ていましたよ! カレン王女にはおよばずとも2位!そしてつまりは、去年の卒業生の首席ですよね!? 貴方様の戦い方を見ていて胸が熱くなりましたよ! 魔力の高い魔法科の学生達が情報に翻弄されて、自滅していく姿に震えました! 1部の人間から、卑怯だなんて声もあるようですが、私はそうは思いません! 炎や電撃の魔法を相手にぶつけるだけの戦い方は、今どきの犯罪者相手の実戦では使えませんからね! あの戦いを拝見して、魔力が少ない私のような人間でも、もっと出来ることがあるんじゃないかと、勇気をもらったんです!」
リッカルド
「そんな風に言って頂けて嬉しいです! 俺も貴方の記事を定期購読していつも読んでいます! 特に王宮官僚の汚職事件の記事は面白かったですよ! どんな伝手(つて)があったら、事件の情報を手に入れられるのですか!?」
ベンジャミン
「詳しくは言えませんが、情報提供者がいるんです。日頃から交友関係を広げておくのが、取材のコツですよ」
リッカルド
「なるほど! ターナーさん! 友達になりましょう!」
ベンジャミン
「本当ですか!? それは願ってもないことです!」
ベンジャミンとリッカルドが握手を交わし、盛り上がっていると、ふと、背後で笑い声がした。
ベンジャミンが振り替えると、若い竜騎士が立っていた。身長は170cmくらい、色白の肌にソバカスが浮かんでいる。魔導騎士には珍しい焦茶の瞳だ。髪と眉の色は竜騎士の帽子とゴーグルを装備しているため分からないが、非常に若い。まるで本物の子供のように童顔だ。そんな若い竜騎士が人懐こい笑顔でこちらを見ていた。
ジュゼッペ
「どうかされたのですか?」
アントニオ
「どうもしていないです。これから飛竜の飛行訓練なのですが、楽しそうな声が聞こえてきたので、立ち寄っただけです」
ジュゼッペ
「そうなのですか」
リッカルド
「彼は有名な新聞記者なんですよ!」
ジュゼッペ
「魔道具の新商品の取材に来て下さったのです」
アントニオ
「それは、是非とも良い記事を書いて頂きたいです! 私がご案内しましょうか?」
ベンジャミン
「あ、いえ! アルベルト様とお約束をしておりますので大丈夫です」
アントニオ
「そうでしたか! では、私は予定通り訓練に行って参りますね」
ジュゼッペ
「いってらっしゃいませ」
アントニオ
「行ってきます」
若い竜騎士は階段を降りていった。
するとジュゼッペも席を立つ。
ジュゼッペ
「では、私もそろそろ失礼致します」
ベンジャミンは一息付いた。
油断ならないジュゼッペ・サクラーティがいなくなって仕事がしやすくなるぞ!
リッカルドと2人きりになった所で、ベンジャミンはチャンスを生かそうと話題を振った。
ベンジャミン
「魔導騎士としての生活はどうですか?」
リッカルド
「まだ、勤務したばかりですが、充実していますよ」
ベンジャミン
「ジーンシャンの魔導騎士は、国民から非常に人気がありますからね。今度、魔導騎士団の特集記事を書きたいのですが、取材してもいいですか?」
リッカルド
「楽しそうですが、許可が必要になりますので、アルベルト様に聞いてみて下さい」
ベンジャミン
「まぁ、そうですよね。でしたら、ロッシ様の日常生活でも良いのですが教えて頂けませんか? 差し支えないことだけで結構ですので!」
リッカルド
「もちろんいいですよ! 今日は非番ですので暇なんです。よかったら、取材が終わった後で飲みませんか?」
ベンジャミン
「是非!」
____________
アルベルトが帰宅し、ベンジャミンは魔道具の新製品の説明を受けた。
さりげなく、トニー様の事を聞きだそうとしたが、やはりアルベルト・ジーンシャンはガードが堅い!
『子供達の情報を記事にしようとは考えないで下さいね。特に、トニーに関する身体的特徴や行動範囲など、誘拐や暗殺のリスクが高まる報道をされるようでしたら、ジーンシャン家は貴方を敵とみなしますのでご注意下さい』と先に言われてしまい、それ以上、聞き出すことは出来なかった。
穏やかそうな顔をしていても、やはり黄金の狂戦士ロベルト・ジーンシャンの息子であるのだと痛感した。
だが、まだチャンスはある!
取材が終わったらリッカルド・ロッシと飲む約束をしているのだ。
____________
リッカルド
「宿舎の俺の部屋でいいですか?」
ベンジャミン
「もちろんです!」
てっきり外の飲み屋に行くと思っていたが、部屋飲みはかえって自分に都合がいい。プライベートな空間は、それだけジーンシャンの秘密を探りやすくなる! 願ってもいないチャンスだ!
通されたリッカルドの部屋は簡素で、必要最低限の家具だけが並んでいた。
もっと、雑多な部屋かと想像していたが、ミニマリストなんだな。
ベンジャミンはそう思った。
リッカルドは冷蔵庫からワインを取り出しグラスを並べる。
ベンジャミン
「ヴィンテージもののワインじゃないですか!? いいんですか?」
リッカルド
「ジーンシャン魔導騎士団は給料がいいんですよ!この位は、何でもないのでジャンジャン飲んで下さい! それに、外で飲むよりは安上がりですし」
リッカルドが用意した高級ワインとつまみは舌がとろけるほどに美味であった。急な飲み会だったので仕方がないのだが、自分は手土産も無しに部屋に来てしまったと、ベンジャミンは少し申し訳なく思った。
ワインの他にも、高級なウィスキーやブランデー、ビール、様々なお酒が登場し、リッカルドが「是非、味見して意見を聞かせて欲しい」と勧めてくる。どれも、極上の味である。
今日は何てラッキーなんだ!
ベンジャミンは普段よりも多く飲んで、飲み過ぎていることに気が付かなかった。ついつい、口が軽くなっていることにも。
リッカルド
「記者のベンジャミン・ターナーだ! すげぇ! お知り合いになりたいです!」
ベンジャミン
「貴方は?」
リッカルド
「リッカルド・ロッシです」
ベンジャミン
「情報操作のリッカルド・ロッシ!? ...様」
リッカルド
「貴方が、私の事をご存知とは光栄です」
ベンジャミン
「去年の総合バトル試験は見ていましたよ! カレン王女にはおよばずとも2位!そしてつまりは、去年の卒業生の首席ですよね!? 貴方様の戦い方を見ていて胸が熱くなりましたよ! 魔力の高い魔法科の学生達が情報に翻弄されて、自滅していく姿に震えました! 1部の人間から、卑怯だなんて声もあるようですが、私はそうは思いません! 炎や電撃の魔法を相手にぶつけるだけの戦い方は、今どきの犯罪者相手の実戦では使えませんからね! あの戦いを拝見して、魔力が少ない私のような人間でも、もっと出来ることがあるんじゃないかと、勇気をもらったんです!」
リッカルド
「そんな風に言って頂けて嬉しいです! 俺も貴方の記事を定期購読していつも読んでいます! 特に王宮官僚の汚職事件の記事は面白かったですよ! どんな伝手(つて)があったら、事件の情報を手に入れられるのですか!?」
ベンジャミン
「詳しくは言えませんが、情報提供者がいるんです。日頃から交友関係を広げておくのが、取材のコツですよ」
リッカルド
「なるほど! ターナーさん! 友達になりましょう!」
ベンジャミン
「本当ですか!? それは願ってもないことです!」
ベンジャミンとリッカルドが握手を交わし、盛り上がっていると、ふと、背後で笑い声がした。
ベンジャミンが振り替えると、若い竜騎士が立っていた。身長は170cmくらい、色白の肌にソバカスが浮かんでいる。魔導騎士には珍しい焦茶の瞳だ。髪と眉の色は竜騎士の帽子とゴーグルを装備しているため分からないが、非常に若い。まるで本物の子供のように童顔だ。そんな若い竜騎士が人懐こい笑顔でこちらを見ていた。
ジュゼッペ
「どうかされたのですか?」
アントニオ
「どうもしていないです。これから飛竜の飛行訓練なのですが、楽しそうな声が聞こえてきたので、立ち寄っただけです」
ジュゼッペ
「そうなのですか」
リッカルド
「彼は有名な新聞記者なんですよ!」
ジュゼッペ
「魔道具の新商品の取材に来て下さったのです」
アントニオ
「それは、是非とも良い記事を書いて頂きたいです! 私がご案内しましょうか?」
ベンジャミン
「あ、いえ! アルベルト様とお約束をしておりますので大丈夫です」
アントニオ
「そうでしたか! では、私は予定通り訓練に行って参りますね」
ジュゼッペ
「いってらっしゃいませ」
アントニオ
「行ってきます」
若い竜騎士は階段を降りていった。
するとジュゼッペも席を立つ。
ジュゼッペ
「では、私もそろそろ失礼致します」
ベンジャミンは一息付いた。
油断ならないジュゼッペ・サクラーティがいなくなって仕事がしやすくなるぞ!
リッカルドと2人きりになった所で、ベンジャミンはチャンスを生かそうと話題を振った。
ベンジャミン
「魔導騎士としての生活はどうですか?」
リッカルド
「まだ、勤務したばかりですが、充実していますよ」
ベンジャミン
「ジーンシャンの魔導騎士は、国民から非常に人気がありますからね。今度、魔導騎士団の特集記事を書きたいのですが、取材してもいいですか?」
リッカルド
「楽しそうですが、許可が必要になりますので、アルベルト様に聞いてみて下さい」
ベンジャミン
「まぁ、そうですよね。でしたら、ロッシ様の日常生活でも良いのですが教えて頂けませんか? 差し支えないことだけで結構ですので!」
リッカルド
「もちろんいいですよ! 今日は非番ですので暇なんです。よかったら、取材が終わった後で飲みませんか?」
ベンジャミン
「是非!」
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アルベルトが帰宅し、ベンジャミンは魔道具の新製品の説明を受けた。
さりげなく、トニー様の事を聞きだそうとしたが、やはりアルベルト・ジーンシャンはガードが堅い!
『子供達の情報を記事にしようとは考えないで下さいね。特に、トニーに関する身体的特徴や行動範囲など、誘拐や暗殺のリスクが高まる報道をされるようでしたら、ジーンシャン家は貴方を敵とみなしますのでご注意下さい』と先に言われてしまい、それ以上、聞き出すことは出来なかった。
穏やかそうな顔をしていても、やはり黄金の狂戦士ロベルト・ジーンシャンの息子であるのだと痛感した。
だが、まだチャンスはある!
取材が終わったらリッカルド・ロッシと飲む約束をしているのだ。
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リッカルド
「宿舎の俺の部屋でいいですか?」
ベンジャミン
「もちろんです!」
てっきり外の飲み屋に行くと思っていたが、部屋飲みはかえって自分に都合がいい。プライベートな空間は、それだけジーンシャンの秘密を探りやすくなる! 願ってもいないチャンスだ!
通されたリッカルドの部屋は簡素で、必要最低限の家具だけが並んでいた。
もっと、雑多な部屋かと想像していたが、ミニマリストなんだな。
ベンジャミンはそう思った。
リッカルドは冷蔵庫からワインを取り出しグラスを並べる。
ベンジャミン
「ヴィンテージもののワインじゃないですか!? いいんですか?」
リッカルド
「ジーンシャン魔導騎士団は給料がいいんですよ!この位は、何でもないのでジャンジャン飲んで下さい! それに、外で飲むよりは安上がりですし」
リッカルドが用意した高級ワインとつまみは舌がとろけるほどに美味であった。急な飲み会だったので仕方がないのだが、自分は手土産も無しに部屋に来てしまったと、ベンジャミンは少し申し訳なく思った。
ワインの他にも、高級なウィスキーやブランデー、ビール、様々なお酒が登場し、リッカルドが「是非、味見して意見を聞かせて欲しい」と勧めてくる。どれも、極上の味である。
今日は何てラッキーなんだ!
ベンジャミンは普段よりも多く飲んで、飲み過ぎていることに気が付かなかった。ついつい、口が軽くなっていることにも。
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