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第三幕 学生期
170.誤解が誤解を呼んだ誘拐事件2
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ネハが部屋で1人、溜め息をついていると、何もない空間から、白い185cmの男が突然現れた。
生成りのリゾートシャツとダボっとしたズボン、白いデッキシューズを履いており、ブルーグリーンの瞳にだけ色がさしている。
リン
「お前が賢者か?」
ネハ
「そうだよ。ネハ・カーンだ。そういうお前さんは、ジーンシャン領の龍人かい?」
リン
「リンドウって意味の名前なんだが、まぁ、好きに呼ぶといい。」
ネハ
「力になってくれるのかい?」
リン
「あぁ。本来なら人間同士の諍(いさか)いには口を挟まないんだが、アイリスがどうしても助けてやって欲しいと言うのでな、仕方がないから助けてやる。」
ネハ
「有難たいね! 何とお礼を言えばいいやらだよ!」
リン
「お礼なら酒がいいな。量よりも質の良い物を所望する。」
ネハ
「酒か...カーン伯爵領で作ってる最高級のワインはどうだい?」
リン
「カーン伯爵領のワインはアイリスのところにもあるし、結構飲んでいるから他の酒がいいな。あんまり一般的に出回ってないものの方がいい。」
ネハ
「それなら人参のお酒があるよ!サンシチニンジンやオタネニンジン、エゾウコギ、カンカニクジュヨウ、マカ等を焼酎に漬け込んだお酒で、滋養にいいんだよ。」
リン
「人参の酒か...いいだろう! 交渉成立だ! 報酬は忘れずに用意しろよ!」
ネハ
「あぁ、もちろんだよ!」
リン
「それで? 何か犯人について心辺りがあるのか?」
ネハ
「その子を攫った奴は、黒鱗のフルフェイスアーマーを身に付けた大男らしい。子供を警護していた182cmの騎士が小さく見えるほど背が高かったというんだ。顔も、髪の色も、目の色も分からない。反射魔法を使い、あらゆる魔法攻撃を反射し、電撃魔法で攻撃してきたと言う。子供を護ろうとしたエリート騎士2人が一瞬で倒されている。極め付けに、空間移動魔法を使う相手だ。」
リン
「空間移動魔法か、では犯人は中々の魔力持ちだな。しかも黒鱗の鎧を着ているなら暗黒竜のおっさんに決闘で勝利している強者(つわもの)である可能性が高い。そして、光属性の魔法を使う大男だと...ん?んんん???」
リンは、その特徴にピッタリ当てはまる人物に思い当たった。
ネハ
「どうしたんだい?」
リン
「いや、何でもない。知っている奴に似ていると思ったが、気の所為だろう。アイツは絶対に子供を攫うなんて面倒なことはしない。黒い騎士は単体か? 似たよう奴が複数いたら厄介だ。」
ネハ
「今のところ、そいつ1人だけしか目撃されていないけど、誘拐犯に仲間がいるかどうかは分からない。」
リン
「まぁ、問題ない。相手が誰であろうと、複数であろうと、厄介なだけで倒せない訳ではない。」
ネハは驚いた。探すだけでなく、倒すのも手伝ってくれるのか? 龍人が?
ネハ
「相手が魔王でもかい?」
リン
「魔王だと?」
リンは、バルドと決闘する事を思い浮かべた。
どっちがより美味しい人参料理を作れるかの勝負、審査員は誘拐してきた子供、レオナルドだ。
人族の子供のことをよく知らないバルドは、最高の人参料理を作ろうと、手間暇をかけて人参の甘煮を作る。俺は細かくみじん切りにした人参と、目立つように大きめに切った魔牛肉で作るカレーライスだ。
リン
「ふははは...! あんな引き篭もりで面倒くさがりで世間知らずな奴に俺が負ける訳ないだろう!」
レオナルドを無事に保護したら、親元に返す前にアイリスの家で、実際に、魔王バルドと勝負するのも面白そうだと思うリンであった。
ネハは喜んだ。龍人が魔王を倒せると言うのだ。きっと本当のことだろう。
リン
「だが変だな。それだけ強い奴なら、何で子供なんか誘拐するんだ? 殺したい奴がいたら殺せるし、金が欲しかったら直接奪うことだってできるはずだ。子供を誘拐する意味が分からない。まさか、イタズラ目的の誘拐じゃないだろうな? いや、だが...攫われたレオは美形だったか...」
ネハ
「レオ? レオナルドの事を言っているのかい?」
リン
「あぁ、王立学校に通っているジーンシャンの子供は数が少ない。王太子の親戚なら、レオしかいないだろ?」
ネハ
「龍人は本当に情報収集能力が凄いね。だけど、レオナルドじゃなくて、アントニオだよ。攫われた子供は。」
リン
「アントニオ...?」
ネハ
「そうさ。今年、入学したばかりなんだ。」
リン
「勇者と聖女の息子のアントニオか!?」
ネハ
「そうだよ。」
ネハは、目を見開いて動揺するリンを不思議に思った。
リン
「アントニオ・ジーンシャンを黒鱗の鎧の大男が連れ去ったと? 護衛2人を倒して?」
ネハ
「そうだ。」
リン
「なるほど...ところで、手紙は読まなかったのか?」
ネハ
「手紙?」
リン
「カラスが手紙を運んで来たはずだ。」
ネハ
「学校をお休みするって子供の手紙かい?」
リン
「あぁ、そうだ! 届いているようだな。」
ネハ
「あれは、アンタが書いたのか? 実は、龍人語で読めなくてね。それで、アイリスに読んでもらいに来たのさ。」
リンは自分の失態に気が付いたが、あえて自分が書いたとは答えず、さらに質問をした。
リン
「学生の名前はアイリスに聞かなかったのか?」
ネハ
「聞いたよ。ダイキ・カナヤマという学生だと。」
ダイキ・カナヤマ? あぁ、大貴(アントニオ)・金山(ジーンシャン)か....
リンは天井を見上げた。
リン
「...まぁ、状況はわかった。とにかく、アントニオ・ジーンシャンが帰宅したらいいんだな?」
ネハ
「あぁ。」
ネハは、龍人が何故、手紙の話しをしたのか気になったが、誘拐事件を解決してくれるという龍人の機嫌を損ねたくなかったので、詮索はしなかった。
きっとリンドウは、ダイキ・カナヤマ君の友人で、手紙が無事に届いたのか気になったのだろう。
リン
「無事にアントニオが帰ったら、酒はアイリスに渡しておいてくれ。」
ネハ
「分かった。」
リンが部屋から消えると、ネハは最高級人参酒を確保するために急いだ。
_________
リンはアイリスの家に戻ってきた。
アントニオ
「どうだった? 犯人の手掛かりとか聞けた?」
リン
「あぁ、攫われたのはレオではなかった。」
アントニオ
「え!? じゃあ、エドが?」
リン
「いや、エドでもない。」
アントニオ
「じゃあ、カリーナ?」
リン
「いや。」
アントニオ
「ヤンが間違われて攫われたとか?」
リン
「いや...ときにルド君、エストを保護するときに、護衛騎士とか倒さなかったかね?」
バルド
「殺してはいない。眠らせただけだ。」
アントニオ
「え!? 護衛騎士の2人を眠らせた!?」
バルド
「あぁ、そういえば、お前の友達だって奴にも会った。赤毛の...」
アントニオ
「ディックも眠らせたの!?」
バルド
「いや、そいつとは少し会話しただけだ。」
アントニオ
「え!? 何を話したの!?」
バルド
「お前の事を、友達だから連れて行くなって言ってた。」
アントニオ
「ディックが!? 俺を友達だって!?」
バルド
「違うのか?」
ディックは、皆の前では俺のことを友達じゃないって言っていた。だけど、それはきっと、クラスメイトに話しを合わせただけだったんだ! デカくて強いルドに向かって友達を連れて行くなって言ったのであるならば、ディックは、本心では俺を友達だと思っているんだ!
アントニオ
「ううん、友達だよ。」
アントニオは涙まじりの笑顔で答えた。
だが、次の瞬間、護衛騎士の事を思い出して、険しい表情になる。
アントニオ
「待って! 何で護衛騎士を眠らせたんだ!?」
バルド
「いきなりアイツらが攻撃してきたんだ。正当防衛だろ? お前を護るためなのだろうが、お前の護衛騎士は凶暴過ぎる。」
アントニオ
「そっか...御免、注意しておく。...それじゃあ、誘拐された事になってるのって俺!?」
リン
「そうだな。」
アントニオ
「王太子殿下やアルベルト邸に出した手紙は!?」
リン
「あれは、不幸な事故があって届かなかったみたいだ。」
アントニオ
「大変だ! 戻らないと!」
アイリスにお礼とお別れを言って、3人は王立学校に空間移動した。
生成りのリゾートシャツとダボっとしたズボン、白いデッキシューズを履いており、ブルーグリーンの瞳にだけ色がさしている。
リン
「お前が賢者か?」
ネハ
「そうだよ。ネハ・カーンだ。そういうお前さんは、ジーンシャン領の龍人かい?」
リン
「リンドウって意味の名前なんだが、まぁ、好きに呼ぶといい。」
ネハ
「力になってくれるのかい?」
リン
「あぁ。本来なら人間同士の諍(いさか)いには口を挟まないんだが、アイリスがどうしても助けてやって欲しいと言うのでな、仕方がないから助けてやる。」
ネハ
「有難たいね! 何とお礼を言えばいいやらだよ!」
リン
「お礼なら酒がいいな。量よりも質の良い物を所望する。」
ネハ
「酒か...カーン伯爵領で作ってる最高級のワインはどうだい?」
リン
「カーン伯爵領のワインはアイリスのところにもあるし、結構飲んでいるから他の酒がいいな。あんまり一般的に出回ってないものの方がいい。」
ネハ
「それなら人参のお酒があるよ!サンシチニンジンやオタネニンジン、エゾウコギ、カンカニクジュヨウ、マカ等を焼酎に漬け込んだお酒で、滋養にいいんだよ。」
リン
「人参の酒か...いいだろう! 交渉成立だ! 報酬は忘れずに用意しろよ!」
ネハ
「あぁ、もちろんだよ!」
リン
「それで? 何か犯人について心辺りがあるのか?」
ネハ
「その子を攫った奴は、黒鱗のフルフェイスアーマーを身に付けた大男らしい。子供を警護していた182cmの騎士が小さく見えるほど背が高かったというんだ。顔も、髪の色も、目の色も分からない。反射魔法を使い、あらゆる魔法攻撃を反射し、電撃魔法で攻撃してきたと言う。子供を護ろうとしたエリート騎士2人が一瞬で倒されている。極め付けに、空間移動魔法を使う相手だ。」
リン
「空間移動魔法か、では犯人は中々の魔力持ちだな。しかも黒鱗の鎧を着ているなら暗黒竜のおっさんに決闘で勝利している強者(つわもの)である可能性が高い。そして、光属性の魔法を使う大男だと...ん?んんん???」
リンは、その特徴にピッタリ当てはまる人物に思い当たった。
ネハ
「どうしたんだい?」
リン
「いや、何でもない。知っている奴に似ていると思ったが、気の所為だろう。アイツは絶対に子供を攫うなんて面倒なことはしない。黒い騎士は単体か? 似たよう奴が複数いたら厄介だ。」
ネハ
「今のところ、そいつ1人だけしか目撃されていないけど、誘拐犯に仲間がいるかどうかは分からない。」
リン
「まぁ、問題ない。相手が誰であろうと、複数であろうと、厄介なだけで倒せない訳ではない。」
ネハは驚いた。探すだけでなく、倒すのも手伝ってくれるのか? 龍人が?
ネハ
「相手が魔王でもかい?」
リン
「魔王だと?」
リンは、バルドと決闘する事を思い浮かべた。
どっちがより美味しい人参料理を作れるかの勝負、審査員は誘拐してきた子供、レオナルドだ。
人族の子供のことをよく知らないバルドは、最高の人参料理を作ろうと、手間暇をかけて人参の甘煮を作る。俺は細かくみじん切りにした人参と、目立つように大きめに切った魔牛肉で作るカレーライスだ。
リン
「ふははは...! あんな引き篭もりで面倒くさがりで世間知らずな奴に俺が負ける訳ないだろう!」
レオナルドを無事に保護したら、親元に返す前にアイリスの家で、実際に、魔王バルドと勝負するのも面白そうだと思うリンであった。
ネハは喜んだ。龍人が魔王を倒せると言うのだ。きっと本当のことだろう。
リン
「だが変だな。それだけ強い奴なら、何で子供なんか誘拐するんだ? 殺したい奴がいたら殺せるし、金が欲しかったら直接奪うことだってできるはずだ。子供を誘拐する意味が分からない。まさか、イタズラ目的の誘拐じゃないだろうな? いや、だが...攫われたレオは美形だったか...」
ネハ
「レオ? レオナルドの事を言っているのかい?」
リン
「あぁ、王立学校に通っているジーンシャンの子供は数が少ない。王太子の親戚なら、レオしかいないだろ?」
ネハ
「龍人は本当に情報収集能力が凄いね。だけど、レオナルドじゃなくて、アントニオだよ。攫われた子供は。」
リン
「アントニオ...?」
ネハ
「そうさ。今年、入学したばかりなんだ。」
リン
「勇者と聖女の息子のアントニオか!?」
ネハ
「そうだよ。」
ネハは、目を見開いて動揺するリンを不思議に思った。
リン
「アントニオ・ジーンシャンを黒鱗の鎧の大男が連れ去ったと? 護衛2人を倒して?」
ネハ
「そうだ。」
リン
「なるほど...ところで、手紙は読まなかったのか?」
ネハ
「手紙?」
リン
「カラスが手紙を運んで来たはずだ。」
ネハ
「学校をお休みするって子供の手紙かい?」
リン
「あぁ、そうだ! 届いているようだな。」
ネハ
「あれは、アンタが書いたのか? 実は、龍人語で読めなくてね。それで、アイリスに読んでもらいに来たのさ。」
リンは自分の失態に気が付いたが、あえて自分が書いたとは答えず、さらに質問をした。
リン
「学生の名前はアイリスに聞かなかったのか?」
ネハ
「聞いたよ。ダイキ・カナヤマという学生だと。」
ダイキ・カナヤマ? あぁ、大貴(アントニオ)・金山(ジーンシャン)か....
リンは天井を見上げた。
リン
「...まぁ、状況はわかった。とにかく、アントニオ・ジーンシャンが帰宅したらいいんだな?」
ネハ
「あぁ。」
ネハは、龍人が何故、手紙の話しをしたのか気になったが、誘拐事件を解決してくれるという龍人の機嫌を損ねたくなかったので、詮索はしなかった。
きっとリンドウは、ダイキ・カナヤマ君の友人で、手紙が無事に届いたのか気になったのだろう。
リン
「無事にアントニオが帰ったら、酒はアイリスに渡しておいてくれ。」
ネハ
「分かった。」
リンが部屋から消えると、ネハは最高級人参酒を確保するために急いだ。
_________
リンはアイリスの家に戻ってきた。
アントニオ
「どうだった? 犯人の手掛かりとか聞けた?」
リン
「あぁ、攫われたのはレオではなかった。」
アントニオ
「え!? じゃあ、エドが?」
リン
「いや、エドでもない。」
アントニオ
「じゃあ、カリーナ?」
リン
「いや。」
アントニオ
「ヤンが間違われて攫われたとか?」
リン
「いや...ときにルド君、エストを保護するときに、護衛騎士とか倒さなかったかね?」
バルド
「殺してはいない。眠らせただけだ。」
アントニオ
「え!? 護衛騎士の2人を眠らせた!?」
バルド
「あぁ、そういえば、お前の友達だって奴にも会った。赤毛の...」
アントニオ
「ディックも眠らせたの!?」
バルド
「いや、そいつとは少し会話しただけだ。」
アントニオ
「え!? 何を話したの!?」
バルド
「お前の事を、友達だから連れて行くなって言ってた。」
アントニオ
「ディックが!? 俺を友達だって!?」
バルド
「違うのか?」
ディックは、皆の前では俺のことを友達じゃないって言っていた。だけど、それはきっと、クラスメイトに話しを合わせただけだったんだ! デカくて強いルドに向かって友達を連れて行くなって言ったのであるならば、ディックは、本心では俺を友達だと思っているんだ!
アントニオ
「ううん、友達だよ。」
アントニオは涙まじりの笑顔で答えた。
だが、次の瞬間、護衛騎士の事を思い出して、険しい表情になる。
アントニオ
「待って! 何で護衛騎士を眠らせたんだ!?」
バルド
「いきなりアイツらが攻撃してきたんだ。正当防衛だろ? お前を護るためなのだろうが、お前の護衛騎士は凶暴過ぎる。」
アントニオ
「そっか...御免、注意しておく。...それじゃあ、誘拐された事になってるのって俺!?」
リン
「そうだな。」
アントニオ
「王太子殿下やアルベルト邸に出した手紙は!?」
リン
「あれは、不幸な事故があって届かなかったみたいだ。」
アントニオ
「大変だ! 戻らないと!」
アイリスにお礼とお別れを言って、3人は王立学校に空間移動した。
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