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第三幕 学生期
159.誤解の誘拐事件1
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ディーデリックは、市松クラスの教室でしばらく立ち尽くしていたが、自分を取り戻すと、護衛騎士に駆け寄った。
2人とも息があり、死んではいない様だ。
だが、ピクリとも動かない。
ディーデリックは、教室を出て、本校舎の入り口まで降りて行き、守衛室へ駆け込んだ。
王立騎士団から派遣されている警備兵が3人、椅子に座っている。
ディーデリック
「助けて下さい! 黒い騎士が現れたんです! アントニオ様が連れて行かれたんです! 護衛騎士の2人も電撃をくらって倒れています。」
警備兵1
「何だって!? 相手は何人だ?」
ディーデリック
「1人です。 ですが、すごく大きくて....」
警備兵1
「1人!?...まぁ、まぁ、落ち着きなさい。怖い夢でも見たんだろ。アントニオ様の護衛にはルナールさんが付いているんだ、倒されるわけがない。」
ディーデリック
「本当なんです! ジーンシャン魔導騎士団の方も魔法攻撃を受けて倒れているんです!」
警備兵1
「ジーンシャン魔導騎士って、あのリッカルド・ロッシだろ? あの2人が揃っていて、1人の男に倒せるわけがない。」
警備兵2
「君、特待生の子だろ? 勉強のし過ぎで、寝ていないから、夢と現実の境が分からなくなっているんじゃないか? 保険室に連れて行ってあげようか?」
ディーデリック
「違う! 本当なんです! 信じて下さい! 早く、一緒に来て!」
警備兵3
「はいはい。俺達は、こう見えて結構忙しいんだからね。帰った! 帰った!」
ディーデリックは、警備兵に押し出され、守衛室から外へ追い出されてしまった。
目の前で扉が閉まる。
こんな時に!どうして助けてくれないんだ!?
込み上げてくる涙を堪え、ディーデリックは職員室へと向かった。
職員室には、攻撃魔法教師のスラッカリー・グルーバーと、回復魔法教師のマデリーン・ウォーカーの2人がいた。
マデリーンは去年に1度退職しているが、ホリー・ブレインがクビになった所為で、新任が決まるまで、回復魔法の授業を引き継ぐことになった、お婆ちゃん先生だ。
ディーデリック
「助けて下さい! 黒い騎士にアントニオ様の護衛騎士がやられて、アントニオ様が連れて行かれたんです!」
スラッカリーは、目を丸くして首を傾げた。
スラッカリー
「お前は何を言っているんだ? こんなにセキュリティーの厳しい学校に、どうやって外部の騎士が入ったというんだ。まして、アントニオ様の護衛を倒すなんて無理に決まってる。」
ディーデリックは絶望した。
どうして...どうして、誰も信じてくれないんだ! 私が赤毛だからか? 下層階級の赤毛というだけで、誰も、私の言う事を真剣に聞いてくれないのか!?
ディーデリック
「嘘じゃないんです! 本当なんです!」
スラッカリー
「あのな、仮にも、それが本当だったとして、私が何とか出来ると思うか? だって、相手はヴィクトー・ルナールやリッカルド・ロッシの2人でも倒せないんだろ?」
ディーデリックは青ざめた。
その通りだ...あの2人よりも、強い人に助けを求めなくては! でも、誰なら!?
マデリーン
「倒されちゃった護衛騎士さんはどちらに?」
マデリーンは優しく話しかける。
ディーデリック
「市松クラスの教室に! 電気魔法を受けたけど、まだ生きているんです! お願いします! 助けて! 本当なんです!」
マデリーン
「えぇ、えぇ、今行きましょうね。」
スラッカリー
「マデリーン先生!? 信じたのですか?」
マデリーン
「それが真実か嘘かは、あまり重要じゃないんですよ。子供の話を聞いて、付き合ってあげることが重要なんです。」
ディーデリック
「有難うございます! こっちです!」
ディーデリックに誘導され、マデリーンとスラッカリーは市松クラスに足を踏み入れた。
そこで、信じられない光景を目の当たりにする。
倒れている2人の護衛騎士は紛れもなくリッカルド・ロッシとヴィクトー・ルナールだ。そして、教室中に書かれた、誹謗中傷の落書き。
スラッカリー
「こ、これは!?」
マデリーン
「何てこと!?」
マデリーンは、護衛の2人に駆け寄って状態をみる。
マデリーン
「電気魔法と言っていたわね。私が出来る応急処置はないわ。今はとにかく保健室のベッドで休ませましょう!」
スラッカリー
「た、大変だ! アントニオ様が連れて行かれたといのも本当か?」
ディーデリック
「本当です!」
スラッカリー
「す、すぐに警備兵に連絡を!」
ディーデリック
「言いに行ったのですが、私では信じてもらえなくて!」
スラッカリー
「では、私が行く!」
スラッカリーが守衛室に行くと、警備兵は真っ青になり飛んで来た。
そうして、護衛騎士の2人は保健室に運ばれ、王立騎士団により学校が封鎖された。ジュン王太子に報告が届くと、王太子は国王と王立騎士団の精鋭部隊を連れて駆け付けた。
ジュン王太子
「ディーデリック以外の子供達を帰宅させろ! それ以外の人間は外へ出すな!」
だが、王太子と国王が市松クラスの教室に足を踏み入れた瞬間、2人は固まった。
無数の悪意ある誹謗中傷の文言が、教室中に書き記されている。
ジュン王太子
「何だこれは!?」
アントニオに向けられた、あまりに酷い言葉の数々に、気持ちが悪くなった。
ジュン王太子
「前言撤回だ! 誰も帰すな! とくに一年の市松クラスの生徒を見つけたら拘束しろ!それから、ネハ・カーンを呼んでくれ! ジーンシャン家にも遣いを!」
王太子は、市松クラスを完全に封鎖し、誰も入れないように命じた。
王太子と国王は、人目のない部屋に、待機していたディーデリックを呼び、事情を尋ねた。
ジュン王太子
「何があったんだ?」
ディーデリック
「市松クラスの教室に入ったら、アントニオ様が倒れていて、黒い騎士がいて...」
ジュン王太子
「黒い騎士? 顔は見たか?」
ディーデリック
「いいえ、フルフェイスの全身鎧を着ていたので、顔は分かりません。鎧は黒い鱗の様なもので出来ていて、物凄く大きな男でした。ルナールさんが小さく見えるほど。」
ヒロヤ国王
「黒燐の全身鎧の男だと!?」
ディーデリック
「は、はい。」
ヒロヤ国王
「それで?」
ディーデリック
「アントニオ様を連れて行こうとするので、護衛騎士が防ごうとしたのですが、魔法が全部跳ね返されてしまって、だから、剣で応戦しようとされたみたいなのですが、その黒い騎士が電撃魔法を放って、護衛の2人は動かなくなってしまって...黒い騎士はアントニオ様を抱き上げて、突然、消えていってしまったのです!」
ジュン王太子
「突然消えた?」
ディーデリック
「本当なんです! 嘘じゃないんです! 信じて下さい!」
ヒロヤ国王
「あぁ、分かっている。空間移動魔法だろう。上級魔族が使う高等魔法だ。」
ジュン王太子
「つまり、黒燐の全身鎧を纏った大男が、反射魔法や電撃魔法を使い護衛騎士を倒し、空間魔法でトニー様を連れ去った...と?」
ディーデリック
「そうです。」
国王と王太子は、14年前、勇者と聖女によって報告された、魔王の特徴を思い出した。
処理のし難い恐ろしい情報に対し、自分の脳の神経が、ギ、ギと、悲鳴をあげる音を聞いた。
魔王が復活した!?
2人とも息があり、死んではいない様だ。
だが、ピクリとも動かない。
ディーデリックは、教室を出て、本校舎の入り口まで降りて行き、守衛室へ駆け込んだ。
王立騎士団から派遣されている警備兵が3人、椅子に座っている。
ディーデリック
「助けて下さい! 黒い騎士が現れたんです! アントニオ様が連れて行かれたんです! 護衛騎士の2人も電撃をくらって倒れています。」
警備兵1
「何だって!? 相手は何人だ?」
ディーデリック
「1人です。 ですが、すごく大きくて....」
警備兵1
「1人!?...まぁ、まぁ、落ち着きなさい。怖い夢でも見たんだろ。アントニオ様の護衛にはルナールさんが付いているんだ、倒されるわけがない。」
ディーデリック
「本当なんです! ジーンシャン魔導騎士団の方も魔法攻撃を受けて倒れているんです!」
警備兵1
「ジーンシャン魔導騎士って、あのリッカルド・ロッシだろ? あの2人が揃っていて、1人の男に倒せるわけがない。」
警備兵2
「君、特待生の子だろ? 勉強のし過ぎで、寝ていないから、夢と現実の境が分からなくなっているんじゃないか? 保険室に連れて行ってあげようか?」
ディーデリック
「違う! 本当なんです! 信じて下さい! 早く、一緒に来て!」
警備兵3
「はいはい。俺達は、こう見えて結構忙しいんだからね。帰った! 帰った!」
ディーデリックは、警備兵に押し出され、守衛室から外へ追い出されてしまった。
目の前で扉が閉まる。
こんな時に!どうして助けてくれないんだ!?
込み上げてくる涙を堪え、ディーデリックは職員室へと向かった。
職員室には、攻撃魔法教師のスラッカリー・グルーバーと、回復魔法教師のマデリーン・ウォーカーの2人がいた。
マデリーンは去年に1度退職しているが、ホリー・ブレインがクビになった所為で、新任が決まるまで、回復魔法の授業を引き継ぐことになった、お婆ちゃん先生だ。
ディーデリック
「助けて下さい! 黒い騎士にアントニオ様の護衛騎士がやられて、アントニオ様が連れて行かれたんです!」
スラッカリーは、目を丸くして首を傾げた。
スラッカリー
「お前は何を言っているんだ? こんなにセキュリティーの厳しい学校に、どうやって外部の騎士が入ったというんだ。まして、アントニオ様の護衛を倒すなんて無理に決まってる。」
ディーデリックは絶望した。
どうして...どうして、誰も信じてくれないんだ! 私が赤毛だからか? 下層階級の赤毛というだけで、誰も、私の言う事を真剣に聞いてくれないのか!?
ディーデリック
「嘘じゃないんです! 本当なんです!」
スラッカリー
「あのな、仮にも、それが本当だったとして、私が何とか出来ると思うか? だって、相手はヴィクトー・ルナールやリッカルド・ロッシの2人でも倒せないんだろ?」
ディーデリックは青ざめた。
その通りだ...あの2人よりも、強い人に助けを求めなくては! でも、誰なら!?
マデリーン
「倒されちゃった護衛騎士さんはどちらに?」
マデリーンは優しく話しかける。
ディーデリック
「市松クラスの教室に! 電気魔法を受けたけど、まだ生きているんです! お願いします! 助けて! 本当なんです!」
マデリーン
「えぇ、えぇ、今行きましょうね。」
スラッカリー
「マデリーン先生!? 信じたのですか?」
マデリーン
「それが真実か嘘かは、あまり重要じゃないんですよ。子供の話を聞いて、付き合ってあげることが重要なんです。」
ディーデリック
「有難うございます! こっちです!」
ディーデリックに誘導され、マデリーンとスラッカリーは市松クラスに足を踏み入れた。
そこで、信じられない光景を目の当たりにする。
倒れている2人の護衛騎士は紛れもなくリッカルド・ロッシとヴィクトー・ルナールだ。そして、教室中に書かれた、誹謗中傷の落書き。
スラッカリー
「こ、これは!?」
マデリーン
「何てこと!?」
マデリーンは、護衛の2人に駆け寄って状態をみる。
マデリーン
「電気魔法と言っていたわね。私が出来る応急処置はないわ。今はとにかく保健室のベッドで休ませましょう!」
スラッカリー
「た、大変だ! アントニオ様が連れて行かれたといのも本当か?」
ディーデリック
「本当です!」
スラッカリー
「す、すぐに警備兵に連絡を!」
ディーデリック
「言いに行ったのですが、私では信じてもらえなくて!」
スラッカリー
「では、私が行く!」
スラッカリーが守衛室に行くと、警備兵は真っ青になり飛んで来た。
そうして、護衛騎士の2人は保健室に運ばれ、王立騎士団により学校が封鎖された。ジュン王太子に報告が届くと、王太子は国王と王立騎士団の精鋭部隊を連れて駆け付けた。
ジュン王太子
「ディーデリック以外の子供達を帰宅させろ! それ以外の人間は外へ出すな!」
だが、王太子と国王が市松クラスの教室に足を踏み入れた瞬間、2人は固まった。
無数の悪意ある誹謗中傷の文言が、教室中に書き記されている。
ジュン王太子
「何だこれは!?」
アントニオに向けられた、あまりに酷い言葉の数々に、気持ちが悪くなった。
ジュン王太子
「前言撤回だ! 誰も帰すな! とくに一年の市松クラスの生徒を見つけたら拘束しろ!それから、ネハ・カーンを呼んでくれ! ジーンシャン家にも遣いを!」
王太子は、市松クラスを完全に封鎖し、誰も入れないように命じた。
王太子と国王は、人目のない部屋に、待機していたディーデリックを呼び、事情を尋ねた。
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「何があったんだ?」
ディーデリック
「市松クラスの教室に入ったら、アントニオ様が倒れていて、黒い騎士がいて...」
ジュン王太子
「黒い騎士? 顔は見たか?」
ディーデリック
「いいえ、フルフェイスの全身鎧を着ていたので、顔は分かりません。鎧は黒い鱗の様なもので出来ていて、物凄く大きな男でした。ルナールさんが小さく見えるほど。」
ヒロヤ国王
「黒燐の全身鎧の男だと!?」
ディーデリック
「は、はい。」
ヒロヤ国王
「それで?」
ディーデリック
「アントニオ様を連れて行こうとするので、護衛騎士が防ごうとしたのですが、魔法が全部跳ね返されてしまって、だから、剣で応戦しようとされたみたいなのですが、その黒い騎士が電撃魔法を放って、護衛の2人は動かなくなってしまって...黒い騎士はアントニオ様を抱き上げて、突然、消えていってしまったのです!」
ジュン王太子
「突然消えた?」
ディーデリック
「本当なんです! 嘘じゃないんです! 信じて下さい!」
ヒロヤ国王
「あぁ、分かっている。空間移動魔法だろう。上級魔族が使う高等魔法だ。」
ジュン王太子
「つまり、黒燐の全身鎧を纏った大男が、反射魔法や電撃魔法を使い護衛騎士を倒し、空間魔法でトニー様を連れ去った...と?」
ディーデリック
「そうです。」
国王と王太子は、14年前、勇者と聖女によって報告された、魔王の特徴を思い出した。
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