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第三幕 学生期
154.ダンスパートナー6 ❤︎
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話し込んでいる内に、アントニオ達の周りには、リボンブローチを受け取った女子生徒達が集まっていた。
目当てはもちろん、レオナルド・ジーンシャンだ。それに、タイラ王子もいるとあって、集まった女子生徒の数は約40人にまで膨れ上がっていた。
その中には、漆黒の一族の三年生や、背の高い4年生、辺境伯家の金のリボンブローチを着けた双子の姿もある。そして、もちろん、リアナの姿も。
女子生徒の外側には、あぶれている男子生徒達が並んでいる。
タイラは、沈黙の効果魔法をどうにか、解除してアントニオに話しかけた。
タイラ
「やはり、女子が集まって来ましたね。さぁ、トニー様から、先にお選び下さい!」
タイラの言葉に、女子生徒達の多くは、一歩後ろに下がった。
アントニオ
「あ、えっと...多分、この方達はレオやタイラ様を希望しているんだと思いますよ?」
女子生徒達は、アントニオの言葉に頷く。
それを見て、レオナルドは溜め息を吐きながら、双子の姉妹の元へ足を運んだ。
辺境伯家の娘、テオドラ・マジョルガ(12歳)とカサンドラ・マジョルガ(12歳)だ。2人ともロングの髪を下ろしていて、毛先に強いカールをつけている。身長は148cmである。
レオナルド
「手紙を有難う。お二人は双子なのですね。こちらも辺境伯家の男が2人ですので、ちょうどいいと思うのですが、どうでしょうか?」
そう言って、レオナルドはアントニオの方を振り返る。
双子は一瞬ビクッとしたが、笑顔でお辞儀した。
テオドラ
「嬉しいお申し出を有難うございます! 是非お願い致します! 妹のカサンドラに栄光あるアントニオ様のパートナーを譲りますので、私がレオナルド様と組みますわ!」
カサンドラ
「いえいえ、テオドラお姉様にアントニオ様の名誉あるパートナーはお譲りしますわ!」
2人が譲り合うのを見て、アントニオはガッカリして俯いた。
レオナルドは、また大きく溜め息をついた。
レオナルド
「無理なお願いをしてしまったようで申し訳ありません。このお話しは無かったことに!」
テオドラ
「い、いえ! 決してそのようなことはありません!」
レオナルド
「では、貴女がトニーのパートナーに?」
テオドラ
「あ...」
テオドラが固まると、レオナルドは一礼して、その場を離れた。
カレン王女は、ギリギリと痛む胸を押さえた。
マジョルガ姉妹の気持ちは分かる。誰だって、焦茶の男とパートナーなんか組みたくない。焦茶に偏見がなくたって、トニー様と組めば、ジーンシャン辺境伯夫人になりたくて、焦茶に自分を売ったと噂されるだろう。自分に自信のある女の子であればあるほど、そんな不名誉な噂には耐えられないもの。
でも、何だか、あの双子には、とってもムカついた! あんな風に、押し付け合わなくってもいいじゃない! トニー様が可哀想よ!
でもでも...人間はなんて愚かなの! 私は未だに、自分の利益や保身ばかりを考えている! だって、やっぱり、焦茶なんかと、パートナーを組むなんて無理!
レオナルド
「集まって下さった中で、アントニオ様を希望されている方は?」
アントニオは、レオナルドの配慮の足らない募集に目眩がした。
わぁ~! レオの馬鹿! そんな子いるわけないのに、何言ってくれちゃってるの!? 誰も希望してないって公(おおやけ)に知れ渡って、俺、めっちゃ、恥かくじゃん!
シーンと静まり返る会場。
これには、ジュン王太子も頭を押さえた。
涙目になったアントニオをみて、レオナルドは自分の過ちに気が付いた。
レオナルド
「も、申し訳ありません。」
どのくらいの時間だかわからないが、誰も何も喋れない時間が続いた。
重苦しい空気の中、時間だけが過ぎていく。
アントニオは、自分にどんな罪があって、こんなに苦しい時間を耐えなければいけないのかと思った。
先にパートナーを選ぶように、レオやタイラ様に言ってあげたいが、今、声を出したら、確実に涙が止まらなくなる。ただでさえ、恥ずかしい状況なのに、ジーンシャンの次期領主として、これ以上、恥をかくわけにはいかない!
顔を真っ赤にして、涙目になっているアントニオを見て、レオナルドも、ジュン王太子も、アントニオを大切に思っている人間は、皆、居た堪れない気持ちになった。
カレン王女が静かに一歩前へ歩み出る。
カレン
「皆様が遠慮なさっているようですので、ワタクシが立候補させて頂きますわ。トニー様、ワタクシでも宜しいでしょうか?」
アントニオは顔を上げて、カレン王女を見つめた。だが、涙で視界がぼやけて、顔がよく分からなかった。
アントニオ
「あ、有難うございます! もちろんでございます。勿体ないお言葉に感激しております。で 、でも、去年のパートナーの方は?」
カレン
「大丈夫ですわ。去年のパートナーには、今年も一緒に組むと、明確には約束しておりませんし、彼ならすぐに他のパートナーが見つかるでしょう。」
アントニオ
「有難うございます。宜しくお願い致します。」
アントニオが差し出した手を、カレン王女はそっと握った。
タイラ
「それで? レオ、お前はどうする?」
女子生徒達は、もう、焦茶のアントニオを押し付けられる心配がなくなり、安堵し、期待に胸を膨らませた。
だが、そんな女子生徒達を見渡し、レオナルドは心底嫌そうな顔をした。
トニーの価値が分からないような女とパートナーを組むなんて真っ平だ。
レオナルド
「タイラ様...俺と組みませんか?」
タイラ
「そうだな。俺もその方が気楽でいい。身長も近いし、お前はダンスも上手そうだしな。」
会場には、落胆する女子生徒達の声がこだました。
そして、タイラとレオナルドが組んだことは、男子生徒達に大きな影響を与えた。
男同士で組んでも恥ずかしくなくなった上、ジーンシャン家や王家に睨まれたくないと考えた男子生徒達は、レオナルドの取り巻きをしていた女子生徒と組むのを諦め、男子生徒同士でペアを組み始めたのだ。
こうして、今年は、女子生徒があぶれるという、前代未聞の事態に陥ったのであった。
_______
履修登録の後、ジュン王太子は、タイラとカレンを連れて王宮に帰宅し、ご機嫌でアフタヌーンティーの席についた。
ジュン王太子
「一時はどうなることかと思ったが、良かった、良かった! 全て丸く収まった!」
だが、カレンからは闇のオーラが溢れ出した。
カレン
「どこが丸く収まったっていうのよ! 殿下の役立たず! タイラの馬鹿! なんで、貴方がレオ様と組んでるのよ! 信じられない! 交代しなさいよ!」
カレンの闇魔法で、部屋に飾ってあった花瓶や窓ガラスが割れる。
ジュン王太子
「わぁ~! カレン! 落ち着きなさい! すまん! この通りだから!」
タイラ
「俺だってレオよりトニー様の方がいいから、交代してもいいけど、姉上が、それをトニー様に申し上げて下さいね。俺には言えない。」
カレン
「ワタクシにだって言えるわけないでしょ!? だって、トニー様ったら、泣いて喜んでたのよ!? 卑怯でしょ、あんなに可哀想だなんて、私が引き受けるしかないじゃない! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿ぁ~!!!」
その日の王宮は、大荒れに荒れることとなった。
目当てはもちろん、レオナルド・ジーンシャンだ。それに、タイラ王子もいるとあって、集まった女子生徒の数は約40人にまで膨れ上がっていた。
その中には、漆黒の一族の三年生や、背の高い4年生、辺境伯家の金のリボンブローチを着けた双子の姿もある。そして、もちろん、リアナの姿も。
女子生徒の外側には、あぶれている男子生徒達が並んでいる。
タイラは、沈黙の効果魔法をどうにか、解除してアントニオに話しかけた。
タイラ
「やはり、女子が集まって来ましたね。さぁ、トニー様から、先にお選び下さい!」
タイラの言葉に、女子生徒達の多くは、一歩後ろに下がった。
アントニオ
「あ、えっと...多分、この方達はレオやタイラ様を希望しているんだと思いますよ?」
女子生徒達は、アントニオの言葉に頷く。
それを見て、レオナルドは溜め息を吐きながら、双子の姉妹の元へ足を運んだ。
辺境伯家の娘、テオドラ・マジョルガ(12歳)とカサンドラ・マジョルガ(12歳)だ。2人ともロングの髪を下ろしていて、毛先に強いカールをつけている。身長は148cmである。
レオナルド
「手紙を有難う。お二人は双子なのですね。こちらも辺境伯家の男が2人ですので、ちょうどいいと思うのですが、どうでしょうか?」
そう言って、レオナルドはアントニオの方を振り返る。
双子は一瞬ビクッとしたが、笑顔でお辞儀した。
テオドラ
「嬉しいお申し出を有難うございます! 是非お願い致します! 妹のカサンドラに栄光あるアントニオ様のパートナーを譲りますので、私がレオナルド様と組みますわ!」
カサンドラ
「いえいえ、テオドラお姉様にアントニオ様の名誉あるパートナーはお譲りしますわ!」
2人が譲り合うのを見て、アントニオはガッカリして俯いた。
レオナルドは、また大きく溜め息をついた。
レオナルド
「無理なお願いをしてしまったようで申し訳ありません。このお話しは無かったことに!」
テオドラ
「い、いえ! 決してそのようなことはありません!」
レオナルド
「では、貴女がトニーのパートナーに?」
テオドラ
「あ...」
テオドラが固まると、レオナルドは一礼して、その場を離れた。
カレン王女は、ギリギリと痛む胸を押さえた。
マジョルガ姉妹の気持ちは分かる。誰だって、焦茶の男とパートナーなんか組みたくない。焦茶に偏見がなくたって、トニー様と組めば、ジーンシャン辺境伯夫人になりたくて、焦茶に自分を売ったと噂されるだろう。自分に自信のある女の子であればあるほど、そんな不名誉な噂には耐えられないもの。
でも、何だか、あの双子には、とってもムカついた! あんな風に、押し付け合わなくってもいいじゃない! トニー様が可哀想よ!
でもでも...人間はなんて愚かなの! 私は未だに、自分の利益や保身ばかりを考えている! だって、やっぱり、焦茶なんかと、パートナーを組むなんて無理!
レオナルド
「集まって下さった中で、アントニオ様を希望されている方は?」
アントニオは、レオナルドの配慮の足らない募集に目眩がした。
わぁ~! レオの馬鹿! そんな子いるわけないのに、何言ってくれちゃってるの!? 誰も希望してないって公(おおやけ)に知れ渡って、俺、めっちゃ、恥かくじゃん!
シーンと静まり返る会場。
これには、ジュン王太子も頭を押さえた。
涙目になったアントニオをみて、レオナルドは自分の過ちに気が付いた。
レオナルド
「も、申し訳ありません。」
どのくらいの時間だかわからないが、誰も何も喋れない時間が続いた。
重苦しい空気の中、時間だけが過ぎていく。
アントニオは、自分にどんな罪があって、こんなに苦しい時間を耐えなければいけないのかと思った。
先にパートナーを選ぶように、レオやタイラ様に言ってあげたいが、今、声を出したら、確実に涙が止まらなくなる。ただでさえ、恥ずかしい状況なのに、ジーンシャンの次期領主として、これ以上、恥をかくわけにはいかない!
顔を真っ赤にして、涙目になっているアントニオを見て、レオナルドも、ジュン王太子も、アントニオを大切に思っている人間は、皆、居た堪れない気持ちになった。
カレン王女が静かに一歩前へ歩み出る。
カレン
「皆様が遠慮なさっているようですので、ワタクシが立候補させて頂きますわ。トニー様、ワタクシでも宜しいでしょうか?」
アントニオは顔を上げて、カレン王女を見つめた。だが、涙で視界がぼやけて、顔がよく分からなかった。
アントニオ
「あ、有難うございます! もちろんでございます。勿体ないお言葉に感激しております。で 、でも、去年のパートナーの方は?」
カレン
「大丈夫ですわ。去年のパートナーには、今年も一緒に組むと、明確には約束しておりませんし、彼ならすぐに他のパートナーが見つかるでしょう。」
アントニオ
「有難うございます。宜しくお願い致します。」
アントニオが差し出した手を、カレン王女はそっと握った。
タイラ
「それで? レオ、お前はどうする?」
女子生徒達は、もう、焦茶のアントニオを押し付けられる心配がなくなり、安堵し、期待に胸を膨らませた。
だが、そんな女子生徒達を見渡し、レオナルドは心底嫌そうな顔をした。
トニーの価値が分からないような女とパートナーを組むなんて真っ平だ。
レオナルド
「タイラ様...俺と組みませんか?」
タイラ
「そうだな。俺もその方が気楽でいい。身長も近いし、お前はダンスも上手そうだしな。」
会場には、落胆する女子生徒達の声がこだました。
そして、タイラとレオナルドが組んだことは、男子生徒達に大きな影響を与えた。
男同士で組んでも恥ずかしくなくなった上、ジーンシャン家や王家に睨まれたくないと考えた男子生徒達は、レオナルドの取り巻きをしていた女子生徒と組むのを諦め、男子生徒同士でペアを組み始めたのだ。
こうして、今年は、女子生徒があぶれるという、前代未聞の事態に陥ったのであった。
_______
履修登録の後、ジュン王太子は、タイラとカレンを連れて王宮に帰宅し、ご機嫌でアフタヌーンティーの席についた。
ジュン王太子
「一時はどうなることかと思ったが、良かった、良かった! 全て丸く収まった!」
だが、カレンからは闇のオーラが溢れ出した。
カレン
「どこが丸く収まったっていうのよ! 殿下の役立たず! タイラの馬鹿! なんで、貴方がレオ様と組んでるのよ! 信じられない! 交代しなさいよ!」
カレンの闇魔法で、部屋に飾ってあった花瓶や窓ガラスが割れる。
ジュン王太子
「わぁ~! カレン! 落ち着きなさい! すまん! この通りだから!」
タイラ
「俺だってレオよりトニー様の方がいいから、交代してもいいけど、姉上が、それをトニー様に申し上げて下さいね。俺には言えない。」
カレン
「ワタクシにだって言えるわけないでしょ!? だって、トニー様ったら、泣いて喜んでたのよ!? 卑怯でしょ、あんなに可哀想だなんて、私が引き受けるしかないじゃない! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿ぁ~!!!」
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