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第三幕 学生期

142.馬術の授業3

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 馬術教師のマリー・ガーランド(37歳)は、騎士爵を持つレディである。王立学校を卒業し、20代までは王立騎士団に所属していたが、馬の操縦技術が素晴らしいと認められ、新人騎士と学生を教える先生になった。

 ガーランド先生は市松クラスの学生が珍しい馬を集めているので、大変面白がっていた。

 他のクラスの学生達は、芦毛や栗毛の中間種ばかりを連れてくるのに、このクラスの学生達は面白いわ!

 勇者様の御子息のアントニオ・ジーンシャンは一体、どんな騎獣を連れてくるんだろう? 学長先生からは、ユニコーンに角が2つ付いているような、バイコーンという魔獣だと聞いているけど...


 ...トトトト、トトトト、トトトト!

 微かな音で、馬の駆ける音が聞こえる。

 そう思ったら、何かが横切ったような強い風圧を受けた。

 そして突然、目の前に黄金に輝く魔獣が現れた。

 神話の世界から抜け出したような圧倒的な存在感。女王のような威厳のあるオーラ、禍々しい程の魔力を放ち、その魔獣は立っていた。

 神々しい2本角の魔獣を見上げ、馬術教師のマリー・ガーランドもクラスメイト達も、その馬達も、空いた口が塞がらない状態になった。

 ドーラちゃんから飛び降りたアントニオがガーランド先生に声をかける。

アントニオ
「おはようございます! アントニオ・ジーンシャンです! 皆様、もう、お揃いなのですね? 遅くなりましてすみません。」

ガーランド
「い、いえ。私は馬術教師のマリー・ガーランドです。まだ、授業開始時間前ですので大丈夫です。私も愛馬を連れて来ますので少々お待ち下さい。」

 ガーランドは厩舎に駆け込んだ。

 胸を押さえて、呼吸を落ち着けようとした。

 何あれ? 何あれ? バイコーンってあんななの!? 化け物を通り越して、もはや神獣だわ!

 ガーランドは、自分の愛馬を世話係から引き渡してもらう。尾花栗毛(鬣や尻尾がススキの穂のように白い栗毛)の中間種の馬だ。

 厩舎から連れ出そうとしたが、ガーランドの馬は入り口で立ち止まる。

 ガーランドの愛馬は、遠くに黄金のバイコーンの姿を発見したのだ。

 途轍(とてつ)もなく、恐ろしい生き物がいる!

 ガーランドがいくら引っ張っても出ようとしない。それどころか、愛馬は、ガーランドを振り切って自分の部屋に入ろうとした。

 小刻みに震え、懸命に隠れようとしている。

 仕方がないので、ガーランドは愛馬を諦め、馬場へ戻った。

___________

 クラスメイト達も、クラスメイトの騎獣達も固まっていた。

アントニオ
「ドーラちゃん、護衛の2人を振り切ったら駄目だよ。あの2人は私達を護ってくれているんだからね。」

ドーラ
「ブ、ブ、ブ...」

 ドーラちゃんは首を傾げながら呟いた。

アントニオ
「何それ? どういう感情?」

 ドーラちゃんはアントニオに頬擦りしてから、アントニオの髪の毛を口でグルーミングし始めた。

アントニオ
「ご機嫌をとって、話しをはぐらかそうとしてるでしょ! 次からは気を付けて下さいね!」

 ドーラちゃんは頷いた。

 遅れて、護衛の2人が慌てて追い掛けてきた。

 リッカルドのユニコーンはアントニオから5m位の位置まで近付くことが出来たが、ヴィクトーの馬は10m手前で止まる。

 動物の本能が自分よりも強い騎獣に怖れを抱かせていた。

 ドーラちゃんが、クラスメイト達の馬を見渡すと、目が合ったリアナのゾースが甲高い悲鳴を上げて駆け出した。

 圧倒的な強さを誇る動物が、捕食する餌として、自分に狙いを定めたと思ったのだ。

 リアナは思わず手綱の手を離してしまう。

 いや、離して正解だったかもしれない。引きずられずに済んだのだ。

リアナ
「ナナちゃん!」

 リアナが叫ぶと、クラスメイトの愛馬達まで暴れ出した。

 ゾースが逃げ出したことで、他の馬達にも恐怖が伝染し、逃げなくてはいけないという本能が働いたのである。

 学生達は、次々と制御不能になる馬達を必死になだめようとした。

 ディーデリックは魔法で土の柵を作り、自分の馬を押し留めた。

 ルーカスは光の電撃魔法でビリビリする柵を作り、馬を動けなくする。

 エーリクは咄嗟に馬に飛び乗って騎乗しながら、馬をなだめる。

 クリスタの馬はクリスタの後ろにピッタリくっついて隠れた振りをした。

 フィオナは水魔法で馬を囲んだが、重種の斑毛の馬は水の壁に体当たりして突破し、逃げていってしまった。

 ユーリ、マークも馬を止めることが出来ず、馬は逃走していった。

 そんな中、ラドミールのラバだけは硬直したまま一歩も動かなかった。

アントニオ
「えっと...ドーラちゃん。逃げた子を捕まえたいんだけど、協力してくれる?」

 ドーラちゃんは頷いた。

 アントニオが飛び乗ると、ドーラちゃんは風のような速さで駆け出し、逃げた馬達の後を追った。

 護衛の2人も慌てて追う。

________

 アントニオを乗せたドーラちゃんは、馬場を出て、すぐ、目に付いたフィオナの馬に近付くと、風魔法でフィオナの馬を持ち上げた。フィオナの馬は重種の巨体だというのに、軽々と持ち上げられ、空中で足をバタバタさせた。アントニオはフィオナの馬の真横から、優しく声をかける。

アントニオ
「よしよし! 落ち着いて!」

 馬が声の方に視線を向けると、虹色に輝くものが見えた。

 アントニオの瞳が虹色に光っていたのだ。

 馬はもがくのをやめ、脱力し、アントニオの瞳をボーッと見つめた。

 大人しくなった馬の手綱をアントニオが握り、ドーラちゃんが馬を地面に降ろすと、リッカルドが追い付いてきた。

アントニオ
「いい所に! この子をお願いします。」

 フィオナの馬の手綱をリッカルドに渡すと、アントニオを乗せたドーラちゃんは再び駆け出した。

アントニオ
「私は他の子も捕まえてきますね!」

リッカルド
「トニー様!お待ち下さい!」

 リッカルドは叫んだが、言い終わる頃には、アントニオを乗せたドーラちゃんは、遥か遠くへと移動しており、リッカルドの声は届かなかった。

 リッカルドの元に、追い付いてきたヴィクトーが駆け寄り、叫ぶ。

ヴィクトー
「俺が追う! 1度戻れ!」

リッカルド
「頼んだぞ!」

___________

 アントニオとドーラちゃんは、マークとユーリの馬が並んで走っているのを見つけた。

 2頭の軽種はとても足が速いが、ドーラちゃんは軽々と追い付く。

 フィオナの馬と同様にドーラちゃんが風の魔法で浮かし、アントニオが魔力を込めた魅了の瞳で落ち着かせた。アントニオが左右の手で、捕まえた2頭の馬の手綱を掴む。

アントニオ
「両手が塞がっちゃったから、1度戻ろうかな?」

 戻ろうとした所にヴィクトーが追い付く。

アントニオ
「いい所に! この子達を皆のところへ連れて行って頂けますか?」

ヴィクトー
「もちろんです。」

 アントニオが捕まえた馬の手綱をヴィクトーに渡そうとして、ドーラちゃんと近付くと、ヴィクトーの馬は後退(あとずさ)った。ドーラちゃんよりも一回りも大きな重種の巨体であるのにもかかわらず、ヴィクトーの馬は明らかに恐怖している様子だった。

 アントニオは逃げられたら大変だと思い、咄嗟に瞳に魔力を込めた。

アントニオ
「敵じゃないよ。大丈夫、落ち着いて。」

 虹色に輝く瞳。

 ヴィクトーの馬は、恐怖を忘れてアントニオの瞳に釘付けになった。

 だが、アントニオの魅了効果のある瞳に釘付けになったのは、馬だけではなかった。

 心の奥底まで、『私は味方だよ』という優しい声が届く。ヴィクトーは、寒い場所から、暖かい場所に入った時のように、身も心もほぐれるような感覚を味わった。

 何と美しい瞳、何という心地良さ...。

アントニオ
「良かった! ヴィクトーの馬も落ち着いたみたいですね。では、この子達をお願いします。」

 アントニオは、手綱を渡そうと近付き、ヴィクトーの横にマークの馬を誘導した。

 だが、ヴィクトーはボーッとしており動かない。

アントニオ
「ヴィクトー?」

ヴィクトー
「...はい?」

アントニオ
「ですから、この子達をお願いします。」

ヴィクトー
「はい!」

 正気に戻ったヴィクトーは、マークの馬の反対側から手綱を手繰り寄せた。

 ユーリの馬も同様にして手綱を受け取る。ヴィクトーは左右の手にそれぞれマークとユーリの馬の手綱を握り、自分の馬の手綱も持つ形になった。

アントニオ
「2頭同時でも大丈夫ですか?」

ヴィクトー
「大丈夫です。」

アントニオ
「では、お願いしますね!」

 そう言って、アントニオはドーラちゃんと去っていった。

 アントニオの背中が見えなくなっても、ヴィクトーはしばらく、その場に立ち尽くした。

 もしかして...今...俺は魅了魔法にかかったのか? ...俺は魔力が450もあるんだぞ!?

 俺が12歳の子供の効果魔法にかかるなんて、有り得ない!

ヴィクトー
「ジーンシャンのローレライ...」

 ヴィクトーは無意識のうちに呟いていた。
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