136 / 249
第三幕 学生期
134.剣術の授業1 ♠︎
しおりを挟む
2限は、剣術の授業だ。
授業が行われるのは闘技場で、担当教師はムワナ・サイフッディン(26歳)という漆黒の一族の先生だ。黒髪に黒い瞳、浅黒い肌。身長は180cmと背が高く、総合格闘技の選手のような引き締まった肉体を持つ。
そして、この授業は戦士科の6人の学生達も一緒に受講する。戦士科の生徒は毎日、剣術の授業があり、魔法戦士科3クラスの授業にも参加する。
ムワナ
「ルナール先輩(ヴィクトー)! お久し振りです。」
ヴィクトー
「サイフッディン(ムワナ)じゃないか! 久しぶりだな! 教師になったのか!?」
ムワナ
「お陰様で、教員試験に合格いたしました。」
ヴィクトー
「元気そうで何よりだ!」
182cmあるマッチョのヴィクトーと180cmの色黒マッチョのムワナ先生という、いかつい2人が握手すると、歴史戦国映画のワンシーンのようだ。
ムワナ
「リッカルドも護衛なんですね。」
リッカルド
「はい。ムワナ先生、今年も宜しくお願い致します。」
ムワナ
「今日は市松クラスの初めての授業なので、皆の実力が知りたい。そこで、魔法を一切使わず、剣術で、戦士科の学生と魔法戦士科の学生とで戦ってもらう。
今日は、まだ不慣れな生徒もいると思うので、真剣ではなく、真剣と同じ重さの練習用の剣を用意している。鉄の表面を柔らかいゴムで覆っているが、当たると痛いし、怪我をする可能性も十分にあるから、気を付けるように!
皆には胸と背中、頭に的(まと)を装備してもらう。この三箇所の的に一撃でも食らったら負けだ。もしくは、バトル用の舞台から落ちても負けだ。
試合は勝ち抜き戦方式。負けた者は、死んだものとしてチームを離れる。ただし、勝った方は連闘がきつい場合もあるので、生き残っているチームのメンバーと順番を交代出来る。
魔法戦士科10人に対して、戦士科は6人しかいないが、身体能力の差を考えると妥当であるだろう。対戦順は自分達で話し合って決めるといい。」
リッカルド
「トニー様、全然、妥当じゃないんですよ。大抵、戦士科の学生を1人も倒せずに終わります。」
ヴィクトー
「自分は強いと勘違いしている魔法戦士科の学生の精神を叩き直す、王立学校の洗礼のようなものです。」
アントニオ
「わぁ、そうなんですね!」
戦士科の学生は皆、身長が160cm前後あり、綺麗な筋肉が付いている。とても強そうだ。
ムワナ
「そんなことはありません。過去に魔法戦士科の学生が勝った試合もあります。去年はレオナルド・ジーンシャンが1人で4人倒していましたし、今年も可能性はあるでしょう。」
アントニオ
「レオってそんなに強いのですね...。」
ムワナ
「グリエルモ様は1人で6人全員倒されたそうですよ。この市松クラスはアントニオ様がいらっしゃるので、試合がどうなるか、楽しみですね。」
アントニオ
「...頑張りますが...きっと、皆様、ガッカリされると思います。」
リアナ
「戦士科の学生は男子しかいないのに、私達も一緒に戦うの?」
ムワナ
「戦場では、相手の性別は選べないから当然だ。」
ラドミール
「どうやって、順番を決めますか?」
ルーカス
「いつもの順番ですか?」
リアナ
「えぇ~!? か弱い女性を先に戦わせるの?」
フィオナ
「結局、皆が倒されるのだから関係ないでしょう?」
ユーリ
「リアルな戦場を想定するなら、身分の低い順でいいじゃないですか? それで、同じ身分なら女性が後、それなら文句がないのでは?」
マーク
「恐れながら! 交代が許されているのなら、勝てる見込みのある者の連闘を防ぎ、休ませながら戦いませんか?」
アントニオ
「あ、確かにそうですね! 誰なら勝てそうですか? 剣術に自信がある方はいらっしゃいます?」
ラドミール
「私はそこそこ出来ると思いますが、ルーカスの方が剣術では上ですね。」
マーク
「持久走でタイムが速かった人は体力に自信があり、剣術も強いのでは?」
クリスタ
「でも、風魔法で走行補助していたから、持久走は100%体力というわけではなかったです。」
アントニオ
「私も足は速いけど、剣術はあまり自信がないです。」
ラドミール
「なるほど、では、とりあえずルーカスで様子をみましょう。ルーカスの剣術をみて、自分がそれより上か下か判断して下さい。」
アントニオ
「承知致しました。」
ムワナ
「では、第1試合は戦士科のボマニ・アナン対、魔法戦士科のルーカス・ミラー。」
的を胸、背中、頭の三箇所に装着して、模擬戦用の剣を握り、両者、向かい合って構えた。
ボマニは背が高く166cmある。ルーカスは身長が157cmなので、一回りも二回りも小さい。
ムワナ
「始め!」
開始の掛け声が聞こえるやいなや、戦士科のボマニは間合いを詰めた。
そのまま、ルーカスに剣を打ち込む。
ルーカスは迫ってくるボマニの剣を、自分の剣で払い落とそうとした。
ゴンッ!
合わさる剣。
だが、叩き落とされたのは、ルーカスの剣の方だった。
ボマニの圧倒的なパワーに押し切られ、ルーカスの剣は宙を舞った。
そのままルーカスは胸の的を突かれ、試合はあっという間に終了した。
ムワナ
「勝者、ボマニ!」
ラドミール
「ルーカスのポンコツめ! 全然、勝負にならないじゃないか!」
ルーカス
「それじゃあ、ラドミール様が戦士科の連中を倒して下さいよ!」
ラドミール
「俺は後でいい。」
ルーカス
「そんなこと言って、自分が恥をかかないように、クラスメイトに戦士科の生徒を倒してもらうつもりなんでしょ!」
ラドミールはルーカスの言葉を無視して、他の学生に質問した。
ラドミール
「それで、どうだった? ルーカスより上か? 下か?」
ユーリ
「正直、今のじゃ、ルーカスが強いのか弱いのか分かりませんね。」
クリスタ
「でも、戦士科の学生が強いことはわかりました。私では、難しいかもしれません。」
マーク
「やはり、持久走の順番で上位の方にお願い出来ませんか?」
アントニオ
「でも...私は本当に剣術は苦手で...」
エーリク
「では、私が!」
ムワナ
「では、次は戦士科のオニカ・ニャシンベ対、魔法戦士科のエーリク・ハッキネン。」
エーリクも161cmで背が高く、俊足で中々いい筋肉が付いている。持久走ではアントニオとディーデリックに続いて3番目に速いタイムだ。
戦士科のオニカは160cmで、ほとんど変わらない体格を持っている。
ムワナ
「始め!」
エーリクとオニカは同時に前に出た。
一撃目を打ち合う。
パワーもスピードも互角か?
一度、体が離れ、二撃目を打ち合う。
二撃目の攻撃も互いに受けとめたが、体が離れる僅かな隙をついて、オニカは三撃目を繰り出し、エーリクの胸の的をついた。
ムワナ
「勝者オニカ!」
ルーカス
「あぁ~! エーリク様でもダメかぁ~!」
ラドミール
「誰か戦士科に勝てる奴は1人くらいいないのか!?」
マーク
「他に持久走で成績がよかったのは?」
ディーデリック
「私です。」
ディーデリックは持久走のタイムは2番目に良かった。
ラドミール
「よし、お前が行け!」
ディーデリック
「はい。」
ムワナ
「では次の試合は、戦士科のルストム・ウスマン対、魔法戦士科ディーデリック・バース!」
戦士科のルストムは163cm。ディーデリックは162cmあるが、ルストムの方が肉付きがいい。
ムワナ
「始め!」
ディーデリックは、冷静に相手の隙を狙っていた。
年上の男爵家の兵を相手に訓練してきたのだ。格上の相手と戦うことには慣れている。始めは攻撃を流して、相手の隙をつこう!
ルストムも、先程の間抜けな坊ちゃん達とディーデリックが違うことに気が付いた。
こいつ、隙が無い!
両者、少しずつ間合いを詰めた。
先に動いたのはディーデリックだ。
なんだ、全然甘い攻撃じゃないか。
ルストムは、ディーデリックが突いた剣を軽くいなし、胸の的を突こうと一歩前に出た。
しかし、ディーデリックの一撃目はフェイントで、薙ぎ払われることを前提に繰り出されたものだった。
ルストムの予想に反し、ディーデリックは体勢を崩すことなく、クルッと手首を返し、無防備になったルストムの胸の的を目掛けて、剣を突き出した。
ルストムは、慌てて身体を後ろにそって、攻撃をかわした。そのまま、バク転し、距離をとって体勢を整える。
ルストム
「あっぶな!」
「何やってんだ!」
「ボサッとしてんじゃねぇ!」
戦士科の仲間から、怒声がとぶ。
ルーカス
「うわぁ~、戦士科って、あんなに運動神経いいの!? 勝つの無理じゃね?」
アントニオ
「わぁ~、そうですね...ディック頑張って!」
ラドミール
「おい! ディーデリック! 1人くらい倒せ!」
再び両者は睨み合い、間合いを少しずつ詰めた。
今度は、ルストムから仕掛ける。
ディーデリックはルストムの剣を受けようとした。
だが、次の瞬間、ルストムの剣の軌道が変わる。
しまった!
ルストム剣がディーデリックの胸の的を突く。
授業が行われるのは闘技場で、担当教師はムワナ・サイフッディン(26歳)という漆黒の一族の先生だ。黒髪に黒い瞳、浅黒い肌。身長は180cmと背が高く、総合格闘技の選手のような引き締まった肉体を持つ。
そして、この授業は戦士科の6人の学生達も一緒に受講する。戦士科の生徒は毎日、剣術の授業があり、魔法戦士科3クラスの授業にも参加する。
ムワナ
「ルナール先輩(ヴィクトー)! お久し振りです。」
ヴィクトー
「サイフッディン(ムワナ)じゃないか! 久しぶりだな! 教師になったのか!?」
ムワナ
「お陰様で、教員試験に合格いたしました。」
ヴィクトー
「元気そうで何よりだ!」
182cmあるマッチョのヴィクトーと180cmの色黒マッチョのムワナ先生という、いかつい2人が握手すると、歴史戦国映画のワンシーンのようだ。
ムワナ
「リッカルドも護衛なんですね。」
リッカルド
「はい。ムワナ先生、今年も宜しくお願い致します。」
ムワナ
「今日は市松クラスの初めての授業なので、皆の実力が知りたい。そこで、魔法を一切使わず、剣術で、戦士科の学生と魔法戦士科の学生とで戦ってもらう。
今日は、まだ不慣れな生徒もいると思うので、真剣ではなく、真剣と同じ重さの練習用の剣を用意している。鉄の表面を柔らかいゴムで覆っているが、当たると痛いし、怪我をする可能性も十分にあるから、気を付けるように!
皆には胸と背中、頭に的(まと)を装備してもらう。この三箇所の的に一撃でも食らったら負けだ。もしくは、バトル用の舞台から落ちても負けだ。
試合は勝ち抜き戦方式。負けた者は、死んだものとしてチームを離れる。ただし、勝った方は連闘がきつい場合もあるので、生き残っているチームのメンバーと順番を交代出来る。
魔法戦士科10人に対して、戦士科は6人しかいないが、身体能力の差を考えると妥当であるだろう。対戦順は自分達で話し合って決めるといい。」
リッカルド
「トニー様、全然、妥当じゃないんですよ。大抵、戦士科の学生を1人も倒せずに終わります。」
ヴィクトー
「自分は強いと勘違いしている魔法戦士科の学生の精神を叩き直す、王立学校の洗礼のようなものです。」
アントニオ
「わぁ、そうなんですね!」
戦士科の学生は皆、身長が160cm前後あり、綺麗な筋肉が付いている。とても強そうだ。
ムワナ
「そんなことはありません。過去に魔法戦士科の学生が勝った試合もあります。去年はレオナルド・ジーンシャンが1人で4人倒していましたし、今年も可能性はあるでしょう。」
アントニオ
「レオってそんなに強いのですね...。」
ムワナ
「グリエルモ様は1人で6人全員倒されたそうですよ。この市松クラスはアントニオ様がいらっしゃるので、試合がどうなるか、楽しみですね。」
アントニオ
「...頑張りますが...きっと、皆様、ガッカリされると思います。」
リアナ
「戦士科の学生は男子しかいないのに、私達も一緒に戦うの?」
ムワナ
「戦場では、相手の性別は選べないから当然だ。」
ラドミール
「どうやって、順番を決めますか?」
ルーカス
「いつもの順番ですか?」
リアナ
「えぇ~!? か弱い女性を先に戦わせるの?」
フィオナ
「結局、皆が倒されるのだから関係ないでしょう?」
ユーリ
「リアルな戦場を想定するなら、身分の低い順でいいじゃないですか? それで、同じ身分なら女性が後、それなら文句がないのでは?」
マーク
「恐れながら! 交代が許されているのなら、勝てる見込みのある者の連闘を防ぎ、休ませながら戦いませんか?」
アントニオ
「あ、確かにそうですね! 誰なら勝てそうですか? 剣術に自信がある方はいらっしゃいます?」
ラドミール
「私はそこそこ出来ると思いますが、ルーカスの方が剣術では上ですね。」
マーク
「持久走でタイムが速かった人は体力に自信があり、剣術も強いのでは?」
クリスタ
「でも、風魔法で走行補助していたから、持久走は100%体力というわけではなかったです。」
アントニオ
「私も足は速いけど、剣術はあまり自信がないです。」
ラドミール
「なるほど、では、とりあえずルーカスで様子をみましょう。ルーカスの剣術をみて、自分がそれより上か下か判断して下さい。」
アントニオ
「承知致しました。」
ムワナ
「では、第1試合は戦士科のボマニ・アナン対、魔法戦士科のルーカス・ミラー。」
的を胸、背中、頭の三箇所に装着して、模擬戦用の剣を握り、両者、向かい合って構えた。
ボマニは背が高く166cmある。ルーカスは身長が157cmなので、一回りも二回りも小さい。
ムワナ
「始め!」
開始の掛け声が聞こえるやいなや、戦士科のボマニは間合いを詰めた。
そのまま、ルーカスに剣を打ち込む。
ルーカスは迫ってくるボマニの剣を、自分の剣で払い落とそうとした。
ゴンッ!
合わさる剣。
だが、叩き落とされたのは、ルーカスの剣の方だった。
ボマニの圧倒的なパワーに押し切られ、ルーカスの剣は宙を舞った。
そのままルーカスは胸の的を突かれ、試合はあっという間に終了した。
ムワナ
「勝者、ボマニ!」
ラドミール
「ルーカスのポンコツめ! 全然、勝負にならないじゃないか!」
ルーカス
「それじゃあ、ラドミール様が戦士科の連中を倒して下さいよ!」
ラドミール
「俺は後でいい。」
ルーカス
「そんなこと言って、自分が恥をかかないように、クラスメイトに戦士科の生徒を倒してもらうつもりなんでしょ!」
ラドミールはルーカスの言葉を無視して、他の学生に質問した。
ラドミール
「それで、どうだった? ルーカスより上か? 下か?」
ユーリ
「正直、今のじゃ、ルーカスが強いのか弱いのか分かりませんね。」
クリスタ
「でも、戦士科の学生が強いことはわかりました。私では、難しいかもしれません。」
マーク
「やはり、持久走の順番で上位の方にお願い出来ませんか?」
アントニオ
「でも...私は本当に剣術は苦手で...」
エーリク
「では、私が!」
ムワナ
「では、次は戦士科のオニカ・ニャシンベ対、魔法戦士科のエーリク・ハッキネン。」
エーリクも161cmで背が高く、俊足で中々いい筋肉が付いている。持久走ではアントニオとディーデリックに続いて3番目に速いタイムだ。
戦士科のオニカは160cmで、ほとんど変わらない体格を持っている。
ムワナ
「始め!」
エーリクとオニカは同時に前に出た。
一撃目を打ち合う。
パワーもスピードも互角か?
一度、体が離れ、二撃目を打ち合う。
二撃目の攻撃も互いに受けとめたが、体が離れる僅かな隙をついて、オニカは三撃目を繰り出し、エーリクの胸の的をついた。
ムワナ
「勝者オニカ!」
ルーカス
「あぁ~! エーリク様でもダメかぁ~!」
ラドミール
「誰か戦士科に勝てる奴は1人くらいいないのか!?」
マーク
「他に持久走で成績がよかったのは?」
ディーデリック
「私です。」
ディーデリックは持久走のタイムは2番目に良かった。
ラドミール
「よし、お前が行け!」
ディーデリック
「はい。」
ムワナ
「では次の試合は、戦士科のルストム・ウスマン対、魔法戦士科ディーデリック・バース!」
戦士科のルストムは163cm。ディーデリックは162cmあるが、ルストムの方が肉付きがいい。
ムワナ
「始め!」
ディーデリックは、冷静に相手の隙を狙っていた。
年上の男爵家の兵を相手に訓練してきたのだ。格上の相手と戦うことには慣れている。始めは攻撃を流して、相手の隙をつこう!
ルストムも、先程の間抜けな坊ちゃん達とディーデリックが違うことに気が付いた。
こいつ、隙が無い!
両者、少しずつ間合いを詰めた。
先に動いたのはディーデリックだ。
なんだ、全然甘い攻撃じゃないか。
ルストムは、ディーデリックが突いた剣を軽くいなし、胸の的を突こうと一歩前に出た。
しかし、ディーデリックの一撃目はフェイントで、薙ぎ払われることを前提に繰り出されたものだった。
ルストムの予想に反し、ディーデリックは体勢を崩すことなく、クルッと手首を返し、無防備になったルストムの胸の的を目掛けて、剣を突き出した。
ルストムは、慌てて身体を後ろにそって、攻撃をかわした。そのまま、バク転し、距離をとって体勢を整える。
ルストム
「あっぶな!」
「何やってんだ!」
「ボサッとしてんじゃねぇ!」
戦士科の仲間から、怒声がとぶ。
ルーカス
「うわぁ~、戦士科って、あんなに運動神経いいの!? 勝つの無理じゃね?」
アントニオ
「わぁ~、そうですね...ディック頑張って!」
ラドミール
「おい! ディーデリック! 1人くらい倒せ!」
再び両者は睨み合い、間合いを少しずつ詰めた。
今度は、ルストムから仕掛ける。
ディーデリックはルストムの剣を受けようとした。
だが、次の瞬間、ルストムの剣の軌道が変わる。
しまった!
ルストム剣がディーデリックの胸の的を突く。
0
お気に入りに追加
208
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星河由乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる