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第二幕 幼少期
77.断られないプロポーズの方法 ❤︎♣︎
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翌日、モルナール邸にて。
ブレンダは、お客様をお迎えする準備に大忙しだった。
何と、昨日、自分の代わりに晩餐会に出席した妹のアウロラが、あのジュゼッペ様と婚約したという。それで、今日は、こちらに挨拶に来るというのだ。
自分が出席したら、自分が結婚出来たのだろうか? いや、きっと美人の妹だから結婚を承諾してもらえたのだろう。ちょっと、惜しいことをしたと思う気持ちもあるが、妹の幸せを喜ぶ気持ちの方がはるかに大きい。
ブレンダ
「アウロラ! これ変じゃないかしら?」
ブレンダは1番お気に入りの、ピンクの総レースのドレスを着て、頭に着ける髪飾りを選んでいる。
アウロラ
「いいんじゃない?」
アウロラはブレンダの方をチラリとも見ないで、寝転がりながら、帳簿をつけている。
ブレンダ
「妹が結婚するのに、姉の方が浮かれているとサクラーティ家の方々に、思われないかしら?」
アウロラ
「大丈夫よ。可愛くしておいた方がいいよ。今日は、特に。」
ブレンダ
「お花じゃなくて、こっちの宝石の付いているものの方が大人っぽくていいかしら? でも、派手過ぎる?」
アウロラ
「何でもいいよ。どっちも可愛いから。」
ブレンダ
「ちょっと! 私は真剣に悩んでるの! 相談に乗ってよ!」
アウロラ
「えぇ~、姉様、面倒臭い。じゃ、派手な宝石の方。」
ブレンダ
「面倒臭がらないでよ~! っていうか、アウロラ! あなた着替えは? まさか、その普段着で食事会に出るつもり?」
今日もアウロラは、着古したドレスを着ている。
アウロラ
「そうだけど? だって、昨日の茶色のドレスで大丈夫だったんだから、このドレスでも大丈夫でしょう?」
ブレンダ
「ダメよ! あなたは、もうジュゼッペ様の婚約者なのよ! そんなボロを着ていたら、サクラーティ家の方々にご迷惑がかかるでしょう?」
アウロラ
「えぇ? そうなの? 面倒臭いなぁ~。」
アウロラは、仕方なく緑の綺麗めなドレスに着替える。
ブレンダ
「アクセサリーもちゃんとして!」
アウロラ
「はいはい。」
地味な黒ベルベットのチョーカーを首に付けた。
今日は、晩餐会ではなく、昼食会だ。
何故、こんなにすぐに顔合わせをしようとするのだろうか? とブレンダは、少し疑問に思った。
トニー様が来年、ご入学されたら、ジュゼッペ様はトニー様と一緒に王都に行ってしまわれるから?
召使い
「お城の方々を連れて奥様がお戻りになられました!」
もっさり動くアウロラの手を引きながら、ブレンダは慌ててお出迎えに向かった。
だが、玄関にたどり着いたブレンダは、思わず卒倒しそうになった。
白銀に輝く髪と菫色の瞳を持つ人々が並んでいる。
バルドの光魔法で、リュシアンを除く全員が、衣装も髪も全部、白銀色に変えられている。瞳もメアリーと同じ菫色にしたのだ。メアリーと同じ色ということは、つまり、王族と同じ色ということである。
アントニオ、メアリー、シンシア、クラウディオ、ジュゼッペ、リン、グリエルモ、バルドがハの字に整列して並ぶ。
その中央に青と金の軍服を来たリュシアンが薔薇の花を持って立っている。
リヒャルト・シュトラウスのオペラ「薔薇の騎士」に、男爵の代わりに、美少年の主人公が薔薇の騎士となってヒロインに代理プロポーズをするシーンがある。
昨日の今日で音楽は間に合わなかったが、そのシーンを真似て、絶対に断れないロマンティックなプロポーズを、皆で打ち合わせたのだ。
アントニオが、リュシアンから赤い薔薇の花束を受け取ると、それを持ってブレンダの前に歩み出る。
アントニオ
「我が名はアントニオ・ジーンシャン。我が親愛なる騎士、リュシアン・フールドランの名においてブレンダ・モルナール嬢に、愛の証である薔薇の花をお贈りいたします。どうか、この薔薇の花とともに、フールドランの愛をお受け取り下さい。」
アントニオが薔薇の花束を差し出す。
何て目が眩むような美少年! 銀髪の高貴な男の子は、確かにアントニオ・ジーンシャンと名乗った。焦茶の髪だと聞いていたけど、グリエルモ様のような顔立ちで、メアリー様のような髪と目の色だわ。この子が噂のトニー様なの?
子供から差し出された花を拒否出来る女性は少ない。まして、王族の血の流れを組む高貴な少年から差し出されたものなら尚更である。
ブレンダは、よく考えることも出来ず、薔薇の花束を受け取った。
アントニオはすかさず、バルドからリュートを受け取り、弾き始めた。
カール・ツェラー作曲のオペレッタ「小鳥売り」より“チロルでバラを”
「♪Schenkt man sich Rosen im Tirol, Weisst du, was das bedeuten soll?♪」
(チロルで薔薇を贈るその理由を貴女は知っていますか? 薔薇だけでなく、自分自身を捧げることになるのです。その意味を分かっていると言って、最愛の人、僕を慰めて下さい)
甘い薔薇の香りのような色気のある声がウィンナーワルツの陽気なリズムにのって踊る。ロマンチックでダイナミックなメロディーが高音に跳躍するとブレンダの頬は薔薇色に色付いた。
オペレッタでは、領主夫人が意味を知らずにチロルの若者に薔薇を渡して勘違いが生まれるシーンで歌われる。そして、この曲は、大団円のフィナーレにアンコールされる名曲でもある。
アントニオは魔力を込めず、素のままで歌った。ブレンダの気持ちを尊重するためだ。
その陽気でロマンティックなメロディーに、ブレンダが酔いしれていると、リュシアンが歩み出て跪き、手を取る。
リュシアン
「竜騎士の名にかけて、貴女を生涯お守りすると誓います。どうか私と結婚して下さい!」
ブレンダは夢だと思った。
そうでなければ、結婚したくない女性ナンバーワンの自分が、結婚したい男性ナンバーワンから、突然プロポーズされるわけがない!
自分の家の玄関に、勇者様や聖女様達に似た、光り輝く高貴人々がならんでいるなんて、夢以外に考えられない。
天使の美しい歌声に祝福され、薔薇の香りに包まれている!
何て幸せな夢だろう!
...夢なんだから、思う存分楽しんでも、構わないかしら?
ブレンダ
「はい。リュシアン様と結婚致しますわ。」
ブレンダが返事をすると、手の甲にリュシアンの唇が触れた。それから、リュシアンは立ち上がると、今度はブレンダの身体を引き寄せて、抱きしめた。
ブレンダは、そのリアルな感触にドキドキする。
何てリアルな夢なの!
リュシアンは、少し身体を離し、じっとブレンダを見つめた。
なるほど、太っているが可愛い顔だ。痩せたら、きっと美人になるに違いない。
そのまま、顔を寄せてキスしようとしたら、ディアナの声が響いた。
ディアナ
「待て! その先は、結婚式まで許可しない!」
アウロラ
「わぁ~、母様ったら、考え方が古臭い。」
グリエルモ
「結婚式はいつかな? 出来れば早い方がいいと思うのだが。」
ディアナ
「待って下さいよ。私の宝物をあげるのですから。しかも、2人いっぺんに!」
リュシアン
「実家と相談ですが、私は婿に入ってもいいですよ?」
ディアナ
「リュシアン...お前...いいやつだな。」
リュシアン
「えぇ、実はそうなんです。」
ブレンダは何度も何度も瞬きをした。
え.....?
あれ?
これって夢じゃ........
ブレンダは、今度こそ本当に卒倒したが、目が覚めても、リュシアンの腕の中だったので、現実を受け入れるより他なかった。
こうして、リュシアンも無事に婚約することが出来た。
3ヶ月後、4人の結婚式が城で執り行われた。
メアリーと一緒にダイエットして痩せたブレンダと、今まで碌(ろく)にお洒落などしなかったアウロラが、美しい花嫁姿で結婚式に現れて、城の独身男性達を悔しがらせることとなったのである。
ブレンダは、お客様をお迎えする準備に大忙しだった。
何と、昨日、自分の代わりに晩餐会に出席した妹のアウロラが、あのジュゼッペ様と婚約したという。それで、今日は、こちらに挨拶に来るというのだ。
自分が出席したら、自分が結婚出来たのだろうか? いや、きっと美人の妹だから結婚を承諾してもらえたのだろう。ちょっと、惜しいことをしたと思う気持ちもあるが、妹の幸せを喜ぶ気持ちの方がはるかに大きい。
ブレンダ
「アウロラ! これ変じゃないかしら?」
ブレンダは1番お気に入りの、ピンクの総レースのドレスを着て、頭に着ける髪飾りを選んでいる。
アウロラ
「いいんじゃない?」
アウロラはブレンダの方をチラリとも見ないで、寝転がりながら、帳簿をつけている。
ブレンダ
「妹が結婚するのに、姉の方が浮かれているとサクラーティ家の方々に、思われないかしら?」
アウロラ
「大丈夫よ。可愛くしておいた方がいいよ。今日は、特に。」
ブレンダ
「お花じゃなくて、こっちの宝石の付いているものの方が大人っぽくていいかしら? でも、派手過ぎる?」
アウロラ
「何でもいいよ。どっちも可愛いから。」
ブレンダ
「ちょっと! 私は真剣に悩んでるの! 相談に乗ってよ!」
アウロラ
「えぇ~、姉様、面倒臭い。じゃ、派手な宝石の方。」
ブレンダ
「面倒臭がらないでよ~! っていうか、アウロラ! あなた着替えは? まさか、その普段着で食事会に出るつもり?」
今日もアウロラは、着古したドレスを着ている。
アウロラ
「そうだけど? だって、昨日の茶色のドレスで大丈夫だったんだから、このドレスでも大丈夫でしょう?」
ブレンダ
「ダメよ! あなたは、もうジュゼッペ様の婚約者なのよ! そんなボロを着ていたら、サクラーティ家の方々にご迷惑がかかるでしょう?」
アウロラ
「えぇ? そうなの? 面倒臭いなぁ~。」
アウロラは、仕方なく緑の綺麗めなドレスに着替える。
ブレンダ
「アクセサリーもちゃんとして!」
アウロラ
「はいはい。」
地味な黒ベルベットのチョーカーを首に付けた。
今日は、晩餐会ではなく、昼食会だ。
何故、こんなにすぐに顔合わせをしようとするのだろうか? とブレンダは、少し疑問に思った。
トニー様が来年、ご入学されたら、ジュゼッペ様はトニー様と一緒に王都に行ってしまわれるから?
召使い
「お城の方々を連れて奥様がお戻りになられました!」
もっさり動くアウロラの手を引きながら、ブレンダは慌ててお出迎えに向かった。
だが、玄関にたどり着いたブレンダは、思わず卒倒しそうになった。
白銀に輝く髪と菫色の瞳を持つ人々が並んでいる。
バルドの光魔法で、リュシアンを除く全員が、衣装も髪も全部、白銀色に変えられている。瞳もメアリーと同じ菫色にしたのだ。メアリーと同じ色ということは、つまり、王族と同じ色ということである。
アントニオ、メアリー、シンシア、クラウディオ、ジュゼッペ、リン、グリエルモ、バルドがハの字に整列して並ぶ。
その中央に青と金の軍服を来たリュシアンが薔薇の花を持って立っている。
リヒャルト・シュトラウスのオペラ「薔薇の騎士」に、男爵の代わりに、美少年の主人公が薔薇の騎士となってヒロインに代理プロポーズをするシーンがある。
昨日の今日で音楽は間に合わなかったが、そのシーンを真似て、絶対に断れないロマンティックなプロポーズを、皆で打ち合わせたのだ。
アントニオが、リュシアンから赤い薔薇の花束を受け取ると、それを持ってブレンダの前に歩み出る。
アントニオ
「我が名はアントニオ・ジーンシャン。我が親愛なる騎士、リュシアン・フールドランの名においてブレンダ・モルナール嬢に、愛の証である薔薇の花をお贈りいたします。どうか、この薔薇の花とともに、フールドランの愛をお受け取り下さい。」
アントニオが薔薇の花束を差し出す。
何て目が眩むような美少年! 銀髪の高貴な男の子は、確かにアントニオ・ジーンシャンと名乗った。焦茶の髪だと聞いていたけど、グリエルモ様のような顔立ちで、メアリー様のような髪と目の色だわ。この子が噂のトニー様なの?
子供から差し出された花を拒否出来る女性は少ない。まして、王族の血の流れを組む高貴な少年から差し出されたものなら尚更である。
ブレンダは、よく考えることも出来ず、薔薇の花束を受け取った。
アントニオはすかさず、バルドからリュートを受け取り、弾き始めた。
カール・ツェラー作曲のオペレッタ「小鳥売り」より“チロルでバラを”
「♪Schenkt man sich Rosen im Tirol, Weisst du, was das bedeuten soll?♪」
(チロルで薔薇を贈るその理由を貴女は知っていますか? 薔薇だけでなく、自分自身を捧げることになるのです。その意味を分かっていると言って、最愛の人、僕を慰めて下さい)
甘い薔薇の香りのような色気のある声がウィンナーワルツの陽気なリズムにのって踊る。ロマンチックでダイナミックなメロディーが高音に跳躍するとブレンダの頬は薔薇色に色付いた。
オペレッタでは、領主夫人が意味を知らずにチロルの若者に薔薇を渡して勘違いが生まれるシーンで歌われる。そして、この曲は、大団円のフィナーレにアンコールされる名曲でもある。
アントニオは魔力を込めず、素のままで歌った。ブレンダの気持ちを尊重するためだ。
その陽気でロマンティックなメロディーに、ブレンダが酔いしれていると、リュシアンが歩み出て跪き、手を取る。
リュシアン
「竜騎士の名にかけて、貴女を生涯お守りすると誓います。どうか私と結婚して下さい!」
ブレンダは夢だと思った。
そうでなければ、結婚したくない女性ナンバーワンの自分が、結婚したい男性ナンバーワンから、突然プロポーズされるわけがない!
自分の家の玄関に、勇者様や聖女様達に似た、光り輝く高貴人々がならんでいるなんて、夢以外に考えられない。
天使の美しい歌声に祝福され、薔薇の香りに包まれている!
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ブレンダ
「はい。リュシアン様と結婚致しますわ。」
ブレンダが返事をすると、手の甲にリュシアンの唇が触れた。それから、リュシアンは立ち上がると、今度はブレンダの身体を引き寄せて、抱きしめた。
ブレンダは、そのリアルな感触にドキドキする。
何てリアルな夢なの!
リュシアンは、少し身体を離し、じっとブレンダを見つめた。
なるほど、太っているが可愛い顔だ。痩せたら、きっと美人になるに違いない。
そのまま、顔を寄せてキスしようとしたら、ディアナの声が響いた。
ディアナ
「待て! その先は、結婚式まで許可しない!」
アウロラ
「わぁ~、母様ったら、考え方が古臭い。」
グリエルモ
「結婚式はいつかな? 出来れば早い方がいいと思うのだが。」
ディアナ
「待って下さいよ。私の宝物をあげるのですから。しかも、2人いっぺんに!」
リュシアン
「実家と相談ですが、私は婿に入ってもいいですよ?」
ディアナ
「リュシアン...お前...いいやつだな。」
リュシアン
「えぇ、実はそうなんです。」
ブレンダは何度も何度も瞬きをした。
え.....?
あれ?
これって夢じゃ........
ブレンダは、今度こそ本当に卒倒したが、目が覚めても、リュシアンの腕の中だったので、現実を受け入れるより他なかった。
こうして、リュシアンも無事に婚約することが出来た。
3ヶ月後、4人の結婚式が城で執り行われた。
メアリーと一緒にダイエットして痩せたブレンダと、今まで碌(ろく)にお洒落などしなかったアウロラが、美しい花嫁姿で結婚式に現れて、城の独身男性達を悔しがらせることとなったのである。
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