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20 本屋で本を読む……

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「綿…の木…」
家に戻り早速木を作成し綿を吸収させる、ゴミ取りとかが必要かと思いながらなるべくシンプルな木にしたとイメージすれは実の様にそのまま綿が成る理想的な木が出い上がった。
風魔法でとりあえず2人分のクッションになりそうな量を収穫する。
工程を飛ばしてクッションや枕にしたいのをイメージしたせいか、まんま丸い綿が出来ている、座布団も作ろうか。
「………うん…」
広げて何個も重ねていき厚みを増していく、弾力がある今回はこんな物かと布を裁断し縫っていく、売り物でもないしざっくりでいいだろう。
クッションには沢山綿を使い、座布団には座り心地を良くする為のなのでそこそこの厚みにしほぼ正方形にしてみる、クッションカバーは入らないかと袋状に縫い合わせ綿を詰めていった。
「………うん」
歪だが椅子の座り心地が格段に良い、この調子で枕も作っていこう、裏地も縫い合わせ長方形に袋状に縫い平らにした綿を詰めていき程好い高さで口を縫う、気が付けば真夜中という時間だ、夕食はいいかとレモンもどき風呂を用意し入る。
「もう少し…」
風呂から出て枕の調子を確かめる、いまいちだがあると無いのとでは全く違う、カバーは明日にして今日はこれで休もう、目を閉じた…。

朝…本屋の店主も陰気で静かな人物だ、本を読んでいても時々隣にいるのを忘れる位だ。
「………お茶とパンとか位良いか…」
今日何時位に仕入れ?が来るか分からないし、食べなくてもいいが昨日出した物を店主は残さず食べていたしと、ポテトサラダサンドとジャムサンド、魚のスープとキノコと肉のソテーをようして本屋に向かった。

「まだ来ていない、好きに読め」
本日も店主は無愛想だが、客もいないし商売気もない椅子を顎で指すのでクッションと座布団を店主に渡した。
「椅子に敷くクッションと背もたれにおいて下さい…読ませて貰っているので」
「…………そうか、使う」
「はい…」
店主は無愛想にクッションと座布団を受け取り使って本を読む『ゴーレムの変遷』というタイトルだ…ゴーレムがいるのだろうか、『都市案内と隠れた名店』という以外にこう言う本もあるのかとそれを手に取り読み始めた。

2冊目『岩人形の造り方』の本を手に取る、状態が酷く所々虫食いに遭いぼろぼろだが読み進めていく…、ゴーレムは一体造るのは簡単だが、魔石の質によって労働ややれる事が変わるらしい魔石が要で魔力が切れたら廃棄か魔力の入れ直しを要し魔力の入れ直しより新たに造った方が安い、傀儡魔法持ちがいればもっと複雑な事も出来ると…要約すればそんな事が書いてあった。
気が付けば昼過ぎ、昨日同様お茶を店主の分と作った食事も渡せば少し迷って受け取り食べている、1口2口はゆっくりだったが残りは素早く食べ終わって葉を眺めていたので追加でパンとジャムを出せば、クビを傾げているのでスプーンでパンにジャムを塗って渡せば勢い良く食べていった。
「……………」
スープも渡し、沢山食べる店主。
「食べ物というのは美味いのだな…」
「?」
「礼がしたい……魔石は必要か?」
「あれば…」
「わかった…少し空ける」
「え?誰か来たら…」
「………待たせておけばいい、すぐ戻る」
「ええ…」
店主はそう言って店の出て行ってしまう、客やその仕入れが来たらどうすればいいのだろうか…客はともかくとして…店番として戻って来るのを待つしかないと続きを読み始めた。

「おーいストフス~?」
う…こんな時に限って客か仕入れの者か店に入りながらストフスとおそらく店主の名だろうか名を呼び入ってくる青年、こういう時に限って仕方ないと読みかけの本に作った栞を挟みなんとか対応してみる事にした。
「ん~ストフス??お前暫くあわない内になんか?細い?薄い?」
店の奥で待つストフスを呼ぶ青年、首を傾げつつこちらを何故かストフスと認識しているのか冗談なのかよく分からないが事情を説明することにした。
「ふうん、留守番ねーどこ行ったんだろ…いっか、なんか食い物持ってる?買うから食わして、あ、俺ねシヴァ」
「………」
あっさりし過ぎているしあっけらかんと食事の要求を頼むシヴァ、2人で何時戻って来るか分からに店主を沈黙で待つよりは良いだろうと食事を出す事にし、シヴァはクッションと座布団を敷いた椅子に座った。

「うま!なんだこれ!始めて食った!これも!これも!茶までうまい!」
「うるさい…」
「よ!ストフス!こいつ外神の飯うまい!」
「そうだな…其処は私の席だ」
「固い事言うなよ」
「……座って下さい…」
「いや、出す。それと食事の礼だ…魔石、これで足りそうか?」
ストフスはどうやら魔石ダンジョンに行ったらしく自分の収納空間から魔石を…せまいので店の裏に行こうとなり、裏手に回りテーブルを出してストフスが魔石を並べてくれた。
色取り取りの魔石に、一際大きな輝きを放つ石鑑定してみる カルナラー石:ダンジョンの最終階層のボスドロップ品 複数の魔法の保存 膨大な魔力の保存が可能 非常に高価でドラゴン等も欲しがる……1人でこんな短時間でラスボスまで行ったのか…ストフスを見てもかすり傷1つ無い出て行った時と同じ姿だ。
「お、ダンジョン行ってたのか俺も後で行こう、出発は2日後でいいなストフス」
「ああ…これは食事の礼だ持って行け」
「……分かりました…ありがとうございます。俺はこれで…」
先ほど食事をしていたシヴァから話は聞いている、ストフスとシヴァは旅仲間で目的が同じで一緒に行動していると、今回はシヴァが別件で用がありそれを片付け、本や物資を持ってこの街でストフスと合流する話になっていたと、1日遅れたのは…酒を呑んで寝ていたからだと言うかなり適当な奴だと戻って来たストフスが教えてくれる。
「待て…出せ」
「ん、はいはい。お前が俺に読めって勧めた本と立ち寄った街で手に入れた本よ」
「これを…やる。私は読んだ…」
「いいんですか?」
「飯と栞と布とその綿入れの礼だ…魔石もやる」
「………ありがとうございます」
貰い過ぎだシヴァも収納空間から本を大量に出し、何冊もストフスが渡してくれる、既に読んだという本と多量の魔石、戸惑いながらも貰ってこちらもそのまま収納空間に入れた。
「あ!そうだ!2日後に俺達旅にでるから、外神に依頼をしよう!俺達の食事を用意してくれ!保存が効く物やうまい飯!時間停止機能付きの収納袋もあるから!どうだ!他にもストフスの椅子の綿が入った袋やお前が肩に掛けた袋も余分にあれば買い取らせてくれ!食事代は100万ログ!便利な道具は別に買い取るよ!」
「……シヴァ…」
「だって、これからこんな美味いもんがあるんだぞーお前は良いよ腹が減ったら木とか土食うようなヤツだからさー」
「腹に入れば土も木も毒も同じだ」
「んな訳あるか!」
いや、流石に木と土はどうだろう…腹は壊さないのか…不思議だ、そんな事を言われたら魔石まで貰ったので引き受ける事にした。
100万ログは桁がおかしいので用意した分と手間賃を引いて返すつもりでいる、2日後に準備してまた来ると伝え、収納に入れてい食料も渡せば喜んでくれた。
「嫌いな物はありますか?好きな物とか…」
「俺は何でも!酒も好き!飯サンキュ!俺も鉱物ダンジョンで行って金用意しとくわ」
「私もなんでもいいが先ほどの甘い果物のソースのは美味かった……シヴァが無理を言って悪いがお前の飯は美味い、引き受けてくれてありがたい……」
「いえ…ではまた来ます…」
ストフス達と別れ、頭を下げて先ずは買い出しをしようと市場へ足を向けた。

「酒…肉…」
ワインビネガーを購入した露店へと足を運べば賑わっている、店主がこちらを見つけ足早に向かってくる。
「おお!兄さんあんたは俺達の命の恩人だ!」
「……?」
「いやあ、昨日からあんたが教えてくれた飲み物売り始めたらクセになるってほらご覧の通りさ!」
「今度からわいんびねがー?を沢山作って売っていくっす!!」
「ああ!お湯で割ったりするとさっぱりするってな!酒買いに来たんか?」
「……はい」
「よし!コイツぁ礼よ!もってけ」
と小さな樽を目の前に置かれる、大した事はしていないが貰っておこうか…盛況のようだしと果物を収納から出して渡した。
「ありがとうな!皆で食うわ!」
「はい…」
小さな樽でも結構な金額になるだろうが、貰って後はおススメの酒もこのサイズで2つ購入し店を後にした、列はまた長くなっている……失敗から何かを得るのは良くある事だろうと肉屋に向かった。

「いらっしゃい、今朝捌いたばかりだよ!」
「……この部位とあの細かいのを下さい……脂も…」
「あいよ!ありがとうね!」
綺麗に裁かれた肉が吊り下げられている、大きめの塊と色々な部位の切れ端、大きな白い脂の塊はラードの様だ丁度いと購入しテントに戻る事にした…。
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