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第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録
第26話 《空廻る者》と《獣皇》と外神
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「依頼の物が手に入りました、確認と問題なければ完了としたいので……」
「はい!手帳に書いてありました!」
「え、えと俺もいいのかな?」
「はい、崇幸さんや皆さんからの了承は得ています。始めても良いですか?」
「はい!」
「は、はい」
昼食が終わり教室から呼ばれたシアとヒビカ、エニューはベルン達と《エットナ》でお店の手伝いをと呼ばれていたので別行動だ。
呼ばれて内容を聞き張り切るシアと困るヒビカ、外神はそんな子供たちでも対応は代わらず収納から指輪を出した。
「これから現れる部屋は《密談の匣》と呼ばれるアイテムです、この中で行われた事は一切外や神、魔王達の眼を持ってしても覗く事は出来ません」
「あ!僕の収納にもあります!」
「シアくん、スゴい!」
「そうですね、以前依頼を受けた特殊ダンジョンのドロップ品ですから。使い方に寄って中の時間を止める事も出来ます…」
外神が右手中指に嵌めて、足元から黒い結果が3名を包み込んだ…。
「またとんでもないアイテム出して来るね」
「父上が以前依頼したというのは外神さんだったんですね、値段も価値も付けられない代物です」
「面白ろそうだね、後でどのダンジョンの物か聞いてみよう」
千歳が感心しラジカが成り行きを見守り、詠斗達はどのダンジョンの物なのか気になり崇幸は千眼の傍らで戻って来るのを待つ。
「シアは分かるがまさかヒビカが《獣皇》というニジェルガさんと同位の王とはなー」
「現在も《獣皇》の座は空座だ…獣皇国も今はほぼ機能していない…《獣皇》の帰還を待っているのか…」
崇幸の言葉にイシュターが遠い眼をしている、いつかヒビカ達を連れて行ってみようか…そう思いながら崇幸は戻って来るのを待つ事にした。
「ひろーい」
「お茶を用意します、お二方が好きなお茶にしますか?それともジュースにしますか?」
「お茶をお願いします!」
「俺も…あの本当に俺で間違いないんですか?」
「……はい」
閉ざされた空間は広く明るい、座り心地の良い椅子とテーブル、外神が果物の香りのするお茶に砂糖とシロップを入れて出してくれシアが嬉しそうに飲み、ヒビカは戸惑っていた。
「まず、此方が契約書です。この石に触れて下さい…」
感情の薄い声、収納から紐に結ばれ石で留められ巻かれた紙が現れ2人に向ける、迷いなく触れるシアと戸惑いながら触れるヒビカ…石が淡く輝き2人の姿が変わる。
「久しぶりだな、解体屋」
「《解体卿》ですよ、ヒビアルガカノン」
「俺は今は可愛い可愛いヒビカだ」
「良く言いますよ、貴方は…」
「そんな顔しないでくれ、お前は笑っている方が良い」
「シア様、ヒビアルガカノン様お久し振りです。早速ですが依頼の品を」
低い声にじゃらじゃらと牙を加工したアクセサリーを身につける男とラジカに良く似た品のある青年が、シアとヒビカの代わりに現れ気安げに挨拶を交わした。
「待て待て」
「はい」
「相も変わらずお前は無愛想過ぎる、もう少し愛嬌があれば好みだぞ」
「ヒビカ…すみません外神さん」
「いえ…」
さっさと本題に入ろうとする外神を止める、ヒビカ…《獣皇》ヒビアルガカノン、それを嗜めるシア、外神は変わらないと思う。
「で恋人の1人や2人出来たのか?」
「いえ…」
「もっと遊べ外神よ、あの人形の相手ばかりではつまらんだろう?」
「ヒビカ…止して下さい」
「おいおい、お前だって気になるだろう?」
「なりますが…聞きませんよ」
「お前もつまらんな、可愛い可愛いヒビカの俺がもう少し大人になったら遊ぶか?外神よ」
「魅力的なお誘いですが、止めておきます」
「つまらん、では本題に移れ」
「承知しました、此方がお二方ご所望の依頼品で間違いないが確認して下さい」
外神が収納から出したのはズタボロのちいさい何か、辛うじて息がある生き物だった。
「ぐぅ…コロ…せ」
「間違いありません」
「ああ、これだ。早かったな」
冷えた眼でそれを見るシアとヒビカ…息絶え絶えに殺せと言う生物、血と埃と泥で薄汚れ羽らしき物はズタズタに切り裂かれた物。
「なるべく酷い状態を希望されたので…」
「やはり貴方は完璧ですね、外神さん」
「お前の収納に入れておけ、息があれば良い」
「はい、お前を捕らえるのを数百年待ち望みました」
「コロセ……コロセ…」
「それを決めるのは俺達ではない…」
「エニュシアガが決める事です」
「ユルサナイぞ!!」
「それはこちらもです」
「ああ、決して赦さん」
汚れた小さい生物が口汚くシアとヒビカを罵るが、そのままシアの収納空間へと納まった。
「外神さん、ありがとうございます。まだ依頼は残っていますね。引き続きお願いします」
「はい…」
「お前も難儀な奴だな、だが感謝する。この件でデュシー…デュスノアが口を挟むだろう…俺達はデュスノアも許してはいない…。何か言われればそう返せ…さて俺はもうすでに亡い者だ退場する…」
「ヒビアルガカノン…」
「そんな顔をするな、分かっている。だが俺はもういない…それだけだ」
「………」
「……はい、では依頼完了です。サインを…」
シアとヒビカの眼差しが交差するどちらも終わらせる事が出来ない、幕は外神が降ろす事にする…色々あった2名だ、開いた契約書にペンでシアとヒビカからサインを貰い、《密談の匣》がすううと消えていき子供の姿に戻った。
「おやつがあります、食べて下さい。もう1人の方も呼んで食べて下さい」
『はーい』
何事も無かったかのように崇幸の元に走り、エニュー達を呼んで貰うように頼むのと同時に何時の間にか来ていたデュスノアと外神が対峙した…。
「はい!手帳に書いてありました!」
「え、えと俺もいいのかな?」
「はい、崇幸さんや皆さんからの了承は得ています。始めても良いですか?」
「はい!」
「は、はい」
昼食が終わり教室から呼ばれたシアとヒビカ、エニューはベルン達と《エットナ》でお店の手伝いをと呼ばれていたので別行動だ。
呼ばれて内容を聞き張り切るシアと困るヒビカ、外神はそんな子供たちでも対応は代わらず収納から指輪を出した。
「これから現れる部屋は《密談の匣》と呼ばれるアイテムです、この中で行われた事は一切外や神、魔王達の眼を持ってしても覗く事は出来ません」
「あ!僕の収納にもあります!」
「シアくん、スゴい!」
「そうですね、以前依頼を受けた特殊ダンジョンのドロップ品ですから。使い方に寄って中の時間を止める事も出来ます…」
外神が右手中指に嵌めて、足元から黒い結果が3名を包み込んだ…。
「またとんでもないアイテム出して来るね」
「父上が以前依頼したというのは外神さんだったんですね、値段も価値も付けられない代物です」
「面白ろそうだね、後でどのダンジョンの物か聞いてみよう」
千歳が感心しラジカが成り行きを見守り、詠斗達はどのダンジョンの物なのか気になり崇幸は千眼の傍らで戻って来るのを待つ。
「シアは分かるがまさかヒビカが《獣皇》というニジェルガさんと同位の王とはなー」
「現在も《獣皇》の座は空座だ…獣皇国も今はほぼ機能していない…《獣皇》の帰還を待っているのか…」
崇幸の言葉にイシュターが遠い眼をしている、いつかヒビカ達を連れて行ってみようか…そう思いながら崇幸は戻って来るのを待つ事にした。
「ひろーい」
「お茶を用意します、お二方が好きなお茶にしますか?それともジュースにしますか?」
「お茶をお願いします!」
「俺も…あの本当に俺で間違いないんですか?」
「……はい」
閉ざされた空間は広く明るい、座り心地の良い椅子とテーブル、外神が果物の香りのするお茶に砂糖とシロップを入れて出してくれシアが嬉しそうに飲み、ヒビカは戸惑っていた。
「まず、此方が契約書です。この石に触れて下さい…」
感情の薄い声、収納から紐に結ばれ石で留められ巻かれた紙が現れ2人に向ける、迷いなく触れるシアと戸惑いながら触れるヒビカ…石が淡く輝き2人の姿が変わる。
「久しぶりだな、解体屋」
「《解体卿》ですよ、ヒビアルガカノン」
「俺は今は可愛い可愛いヒビカだ」
「良く言いますよ、貴方は…」
「そんな顔しないでくれ、お前は笑っている方が良い」
「シア様、ヒビアルガカノン様お久し振りです。早速ですが依頼の品を」
低い声にじゃらじゃらと牙を加工したアクセサリーを身につける男とラジカに良く似た品のある青年が、シアとヒビカの代わりに現れ気安げに挨拶を交わした。
「待て待て」
「はい」
「相も変わらずお前は無愛想過ぎる、もう少し愛嬌があれば好みだぞ」
「ヒビカ…すみません外神さん」
「いえ…」
さっさと本題に入ろうとする外神を止める、ヒビカ…《獣皇》ヒビアルガカノン、それを嗜めるシア、外神は変わらないと思う。
「で恋人の1人や2人出来たのか?」
「いえ…」
「もっと遊べ外神よ、あの人形の相手ばかりではつまらんだろう?」
「ヒビカ…止して下さい」
「おいおい、お前だって気になるだろう?」
「なりますが…聞きませんよ」
「お前もつまらんな、可愛い可愛いヒビカの俺がもう少し大人になったら遊ぶか?外神よ」
「魅力的なお誘いですが、止めておきます」
「つまらん、では本題に移れ」
「承知しました、此方がお二方ご所望の依頼品で間違いないが確認して下さい」
外神が収納から出したのはズタボロのちいさい何か、辛うじて息がある生き物だった。
「ぐぅ…コロ…せ」
「間違いありません」
「ああ、これだ。早かったな」
冷えた眼でそれを見るシアとヒビカ…息絶え絶えに殺せと言う生物、血と埃と泥で薄汚れ羽らしき物はズタズタに切り裂かれた物。
「なるべく酷い状態を希望されたので…」
「やはり貴方は完璧ですね、外神さん」
「お前の収納に入れておけ、息があれば良い」
「はい、お前を捕らえるのを数百年待ち望みました」
「コロセ……コロセ…」
「それを決めるのは俺達ではない…」
「エニュシアガが決める事です」
「ユルサナイぞ!!」
「それはこちらもです」
「ああ、決して赦さん」
汚れた小さい生物が口汚くシアとヒビカを罵るが、そのままシアの収納空間へと納まった。
「外神さん、ありがとうございます。まだ依頼は残っていますね。引き続きお願いします」
「はい…」
「お前も難儀な奴だな、だが感謝する。この件でデュシー…デュスノアが口を挟むだろう…俺達はデュスノアも許してはいない…。何か言われればそう返せ…さて俺はもうすでに亡い者だ退場する…」
「ヒビアルガカノン…」
「そんな顔をするな、分かっている。だが俺はもういない…それだけだ」
「………」
「……はい、では依頼完了です。サインを…」
シアとヒビカの眼差しが交差するどちらも終わらせる事が出来ない、幕は外神が降ろす事にする…色々あった2名だ、開いた契約書にペンでシアとヒビカからサインを貰い、《密談の匣》がすううと消えていき子供の姿に戻った。
「おやつがあります、食べて下さい。もう1人の方も呼んで食べて下さい」
『はーい』
何事も無かったかのように崇幸の元に走り、エニュー達を呼んで貰うように頼むのと同時に何時の間にか来ていたデュスノアと外神が対峙した…。
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