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第8部 晴れた空の下手を繋いで…

第6話 前後左右美形ばかり by舵

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「ん…」
顔を撫でるさらりとした感触、何処かひんやりとしたけれど気持ちの良い枕元、こんなに寝心地の良い枕……。
「んん?ん?」
今自分は何処で寝ているのか…崇幸が目を開け目線を上げれば、白い新雪の肌と類い稀なる美貌…千眼魔王が本を読んでいた。
「起きた…おはよう…朝食が出来ている…」
「あ…おはよう…すまん」
「…?」
「あ、いや…枕にしてしまって」
「気にする必要は無い…」
「なんかソファが違うな?運んでくれたのか?」
「いや…ソファの形を変えただけだ」
「すごいな」
「大した事ではない…魔力で幾らでも変えられる…」
「そうか…枕…どうも」
「ああ…行こう」
既に千眼や、千華と舵の姿は無く布団の方には大河とジラ、何故か一緒の布団にいるチグリスと千歳がまだ寝ていた。
千眼が文庫本を閉じて崇幸を促す、夜に見る方が綺麗だなと崇幸は思う、勿論今寝起きで見ても目が覚めるような美形に連れられテントの外に出た。

「おはよ!崇幸兄!こんな綺麗な空の下で朝飯食えるとか贅沢だよね」
「舵…昨日も思ったが平気なんだな」
「そうだね、この世界の外は大丈夫みたいだ」
「良かったな」
「そうだね」
畑の側の長いテーブルに並べられた朝食、箸の準備をしていた舵が笑顔で迎える、懐記、千華やラウラスに詠斗、晴海、率、綴、ナイルとラジカ達も手分けして準備を行っていた。
どうやら、朝食は各自好きな時間に食べてそれぞれの予定をこなすのがいつもの流れの様だった。
「空の下で朝ご飯とか良いね!」
「毎日みんなで朝ごはんを食べるの好きたよ」
晴海が鉄板で目玉焼きと腸詰めを焼き、舵は肌が弱く日光アレルギー気質だった舵は、《アタラクシア》の青空の下朗らかに笑う、崇幸もそんな舵を見て嬉しそうに笑った。
「今日は目玉焼きに腸詰めとサラダに、漬け物と飯と味噌汁ね。昼はティス達とバーベキューだから軽めね」
「こんなまともな朝飯久し振りだな、懐記君は料理上手いんだな」
「んー、やるってだけ。座ってよ」
「ああ、ありがとう」
「崇幸さん、朝ごはんにはモギのミルクがオススメ」
「そうか、詠斗君。貰おうか」
「温かいのと冷たいのどうやらにする…?舵は?」
「温かいので、どうも千眼さん」
「俺は…どちらがオススメ?」
「……温かい方」
「それで!」
「ああ…」
懐記がサラダを用意する見慣れない葉物と木の実と果物の物で瑞々しい、千眼は皆の飲み物を準備している。
「今日は《トイタナ》の店は休みなので、従業員の皆さんも皇国の方で孤児院の子供達とバーベキューに参加ですね。《ガルディア》のカジノタワーの案内後に皇国に向かいましょうか」
「そうだね」
「湖できゅう達に魚と貝採って来て貰ってるわ」
「ゴーシュ様に捌いて貰いましょう」
「ガンドも美味しく食べられるように懐記さんが下処理とか教えてくれたすから、今日バーベキューでじゃんじゃん焼くすよ」
ラウラスも味噌汁をよそって渡して準備が出来た所で、皆席に着いた。
『いただきまーす』
崇幸も舵もこんなに美味しい朝食は産まれて初めて食べた、崇幸も舵もお代わりをして賑やかな朝食を過ごした…。

「これはすごいな」
「はー本当だね!もうイケメンばっかり!」
「いや、舵。違う違う」
カジノタワーに連れて来て貰いカジノとビジネスエリアの案内をラジカにして貰い、賑やかな商業エリアで活気ある雰囲気を浴びて崇幸が笑えば別方向の舵の感想が聞こえ首を横に振る。
「《ズィーガー商会》の《ガルディア》支店の支店長を務めさせて頂いておりますロズと申します、宜しくお願いいたします」
「福支店長のケールです!宜しくお願いします」
「ふぁ、カッコ良い!」
「声、舵…」
新たに《ズィーガー商会》から《ガルディア》の支店を任されたのは30代の褐色の肌に金色の髪の青年とロズと溌剌とした10代後半のクリーム色髪と瞳の青年が《ズィーガー商会》の軒先で出迎えてくれ、千歳と大河の服から構想を得たスーツに身を包み笑顔で丁寧に対応してくれた。
「皆さんこちらでしたか」
「ユラヴィレオさん、メルガドールさん。おはようございます」
「ああ、おはよう」
「おはようございます」
「また新たなイケメン」
「舵…」
ユラヴィレオとメルガドールも訪れ崇幸と舵とも挨拶を交わすが、舵のテンションに崇幸が頭を抱えつつ店を借りて商売を始めようかと考えた。
それから一通り店を紹介しつつ、店主や客と会話し詠斗達が酒を購入したりとゆっくり過ごした。

「ん、来た」
「大河さん達もこっちに来てたんだ!」
「ああ、今千歳さんとグリが同じ場所にいても問題が無いか検証している所だ」
龍皇国の下街の《ゴーシュのなんでもや?》の前で懐記と大河達とおりがみの作品やヒヨコや、《トイタナ》の子供達もバーベキューの手伝いをしていた。
「どうですか?」
「グリの弱体化…で問題はないそうだ」
「千華さんや千眼さんも来れますか?」
「ラインはしたが、人が多いから今回は遠慮するそうだ。今ここにいる魔王は千歳さんと、舵くんと第9魔王だ」
「まだ名前貰えないんだ」
「ニアが迷っているようだな」
大河に綴と率が千眼と千華が問題無ければ来るかどうか尋ね
、大河が首を緩く振る。
「わー子供達も可愛いし、ドラゴンの皆も美形…あ!あそこにいる人達すごいキラキラしてる!はあー目の保養、何処見ても美形イケメン綺麗な人達ばっかり目が幸せ」
「良かったなー」
「今キラキラって舵さんが言ってた人達は、この国の皇帝と弟さん達ですよ!挨拶いきましょう、皆さん優しいですよ」
「え!皇帝!あんなカッコよくてキラキラしてて、乙女ゲーの攻略キャラみたいな人が!しかも弟も!あの可愛らしい子は?」
「行ってみたら分かりますよー崇幸さんもいきましょう」
「そうだな、率君。紹介頼むよ」
「はい!」
ニジェルガ達がいる場所を指して興奮している舵と呆れている崇幸の手を率が引く、何処を見ても舵は興奮だった…。

「千眼…何のゲームをしているんです?」
「……『私と9人の王子様』」
「……面白いですか?」
「…………お前は?」
「ゾンビ?という動く死体を倒して進むゲームですね」
「面白いか…?」
「はい」
舵のゲーム、好きなのをプレイしてみてと言われジャケットで選び始めたゲーム、千眼は所謂乙女ゲームを千華はホラーゲームを各々イヤホンまでして行っている。
『きゅ』『ぱしゃ』
「きゅう達は島を開拓するゲームですね」
「私達よりマシか…」
「きゅう達、誰も住んでいない本物の島を開拓しますか?手頃な島がありますよ、千歳に頼んで空間を繋げますか?」
『きゅ』『ぱしゃ』
「そうですね魔神皇にお願いしてヒヨコやおりがみの傀儡達を連れて開拓しましょう」
「…リアル島育成ゲーム…」
「面白そうですね」
「……かもな」
舵が美形だらけの龍皇国に喜んいる間、テントの中ではリアル島育成計画を魔王2体が立てていた…。
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