29 / 30
第29話 ついむしゃくしゃして言った。ちょっと後悔してる
しおりを挟む
ヤンキー女は懲罰としてここに残るよう族長から命令されたらしい。
いやうちの村を懲罰に使われても……って思ったけど、どうやら最初に略奪者めいたことを仕出かしたことへの懲罰らしい。
「なので幾らでも扱き使ってくれて構わない」
「そういうことなら」
シシオさんのお墨付きを得て、私は意地悪く口端を吊り上げた。
ふっふっふ、ならばきりきり働いてもらおうか。
「納得いかねぇ! なんでアタシが人族の女の命令なんか……」
「そうか。では族長に報告するとしよう」
「ちょっと待ってくれ!? 分かった! 分かったから!」
ヤンキー女、強い者には弱い説。
何かあったらリューを呼ぼうかな?
人がたくさん増えたら、当然住む場所が必要になる。
というわけで新しく家を作ることにした。とりあえず三軒ほど。
もちろん私は見てるだけで、設計からすべてレオルくん主導だけど。
できあがるまでは最初に作ったテント的なやつで我慢してもらおう。
「リリちゃんも建築部隊ねー」
「変な呼び方すんじゃねぇ! ぶん殴られてぇか!」
「クルルル~」
「ひっ!?」
「ちなみにリューも一緒だから仲良くね?」
リューの脅しが効いたのか、ヤンキー女は真面目に働き出した。やっぱり強い者には弱いみたい。
ある程度大きい年長組にも手伝ってもらうことにした。
切った木を運んだり、枝葉を取って綺麗にしたり。獣人は身体能力が高いので、子供でもこれくらいの作業はできるようだ。
すでに狩りを経験しているということで、何人かはライオくんたち三人と一緒に猟に出てもらった。人数が増えたので今まで以上にお肉が必要になるもんね。
「おねーしゃん、おてちゅだい、しゅるよー?」
「しゅるよー?」
五歳前後の子供たちが自分たちも何かしたいとやってきた。えらいねー、じゃあ、おねーしゃんと一緒にがんばろーか。
畑のお手伝いをしてもらうことにした。雑草を抜いたり、作物を食べちゃうような虫を取り除いたり。無農薬だしね。
「ざっそー、いっぱいとれたのー」
「とれたー」
「みんな偉いねー」
「むしさんもいっぱいつかまえたー」
「つかまえたー」
「みんな偉いねー。でも虫さんはお姉ちゃんに見せなくていいから……」
それにしてまた畑が広がってない?
レオナちゃん、いつの間にか知らない山菜を採ってきては栽培をはじめちゃうからね。お陰でどんどん料理の種類も豊富になってきてるけど。
人数が増えたので食事を用意するのも一苦労だ。
例のごとくニャー族は料理が下手であまり戦力にはならないので、レオナちゃんと私で頑張るしかない。
「ここのごはん、いつもおいしい!」
「おかわりしていい?」
でもみんな美味しそうに食べてくれるので、頑張り甲斐がある。沢山作ってるから、いっぱいおかわりしていいよ!
そんな感じで新しい仲間が加わり、賑やかに過ごしていたある日のこと。
新しい家もすでに二軒ができあがって、今日には最後の一軒が完成しそう、もうひと頑張りだ、って感じでみんながいつも以上に張り切って作業を始めた、まさにそのとき。
突然、辺りが暗くなった。
さっきまで雲一つない快晴だったのに、急に雨雲でもやってきたのだろうか?
そう思って空を見上げて……戦慄した。
「ど、ど、ドラゴン!?」
怖ろしく大きなドラゴンが悠々と空を飛んでいた。
辺りが暗くなったのは、その巨体が太陽を隠してしまったからのようだ。
しかもこっちに向かってくる!?
ズドオンッ、という大きな地響きを立てて、ドラゴンが村の敷地内に着地した。その振動で身体が地面から五センチくらいは浮き上がったかもしれない。
めっちゃでかい。
全長はたぶん二十メートル以上あるだろう。尾の一部が塀を破壊して村の外に出ている。
そんな巨大生物が目の前に現れたなら、普通は悲鳴を上げて逃げ出すだろう。
なのにどういうわけか、その巨躯に魅入ってしまっていた。
信じられないくらい美しかったのだ。
陽光を浴びてキラキラと輝く桃色の鱗。それはまるで宝石のようで、このドラゴンは巨大な鉱物を削って生み出された宝石細工ではないかと思ってしまうほど。
でも空を飛んできたわけだし、間違いなく生き物だ。
赤みの強い大きな瞳が瞬きをしているし、吐いた息が熱風となって吹いてくる。
その視線がリューへと向いた。
『ようやく見つけたぞ、我が子よ』
「クルルルー?」
なんかそんな気がしてたけど、やっぱりリューの親だったよ!
ていうことは、このドラゴンが、冒険者くんたちが言ってた桜竜王? 世界に七体いるって言われてる伝説のドラゴンのうちの一体?
そりゃ伝説になるわー。
『何をしている。早くこっちに来るのだ。我はお前の親なのだぞ』
「ク、クルル~……」
リューは怯えたように後退り、そして桜竜王ではなく、私のところにやってきた。
そして、ぼくの親はおねーちゃんだもん! とでも言いたげに、鼻面を押しつけてくる。
桜竜王さんが私を睨んでくる。ひいいいっ!
『貴様……我の巣から卵を持ち去ったばかりか、我が子を誑かしたか……っ!』
いやいやいや、私、盗んでなんかいないんですけど!?
それ絶対あの奴隷商の仕業だよね!? 何やってんのよコンチクショウ!
「クルルル! クルルーッ!」
『なに? 違うだと? ふん、下等な生き物の仕業であることは変わるまい』
必死にリューが主張してくれたけど(よく通じたね)、どうやら桜竜王さんにとっては人間という種族は一括りで、個体を区別する気はないらしい。
完全に虫の類いと一緒の扱いやで!
『邪魔をするなら踏み潰すまでだ』
桜竜王がズンズンとこっちに向かってきた。
ひぃっ、殺される!?
「クルルゥーッ!」
リューがそうはさせまいと突進していく。
『ふん』
「クルゥッ!?」
桜竜王は横綱相撲よろしくあっさりリューを受け止めると、前脚で持ち上げ、放り投げてしまった。
強っ!? リューだって最近また大きくなって、全長は十メートルを超えてるってのに!
それがまるで赤子扱いだ。
実際、桜竜王からすれば子供なんだろうけど。
さらに、地面に叩きつけられて苦しむリューを、後脚で蹴り飛ばす。
「クルルルゥ~!?」
『少々躾が必要なようだ』
リューが鳴き声を上げるが、桜竜王は構うことなく攻撃を繰り返した。
めっちゃ体罰じゃん! ドラゴンの世界にもあるんだねぇ……って感心してる場合じゃない。
『我が子ならこの程度で泣くな。みっともない。やはり下等生物のせいで軟弱に育ってしまったか』
……なんかすっごいムカついてきたんですけど!
何なの、この毒親? 見た目は綺麗だけど、中身はクソじゃん!
卵を盗まれたって、それはあんたが大事な卵から目を離したからじゃん!
そりゃ盗んだやつも悪いだろうけど、あたしはそいつと関係ないし、ましてや産まれた子供に罪があるわけじゃないでしょ!
理不尽な責任転嫁すんなっての!
『……ほう』
……あれ? なんか桜竜王サン、めっちゃ怒気に溢れた目で私の方を睨んできたんですけど?
『下等生物ごときが、この我に説教をするか?』
え? ちょっ、もしかして私、今の全部、口に出しちゃってた!?
「ち、違うんです。今のはその、なんていうか……」
……いや、やめた。
どうせもう完全に敵認定されちゃってるし、今さら誤魔化しても仕方がない。
はっきり言ってやれ。
「そうよ! 間違ったことやってるやつに間違ってるって言って、何が悪いのよ! 桜竜王とか呼ばれてて偉いのかもしんないけど、あんたなんか、子育てもロクにできないアホドラゴンじゃんか!」
『っ……貴様っ、下等生物の分際で、我らドラゴンのやり方を愚弄するかぁっ!』
いやうちの村を懲罰に使われても……って思ったけど、どうやら最初に略奪者めいたことを仕出かしたことへの懲罰らしい。
「なので幾らでも扱き使ってくれて構わない」
「そういうことなら」
シシオさんのお墨付きを得て、私は意地悪く口端を吊り上げた。
ふっふっふ、ならばきりきり働いてもらおうか。
「納得いかねぇ! なんでアタシが人族の女の命令なんか……」
「そうか。では族長に報告するとしよう」
「ちょっと待ってくれ!? 分かった! 分かったから!」
ヤンキー女、強い者には弱い説。
何かあったらリューを呼ぼうかな?
人がたくさん増えたら、当然住む場所が必要になる。
というわけで新しく家を作ることにした。とりあえず三軒ほど。
もちろん私は見てるだけで、設計からすべてレオルくん主導だけど。
できあがるまでは最初に作ったテント的なやつで我慢してもらおう。
「リリちゃんも建築部隊ねー」
「変な呼び方すんじゃねぇ! ぶん殴られてぇか!」
「クルルル~」
「ひっ!?」
「ちなみにリューも一緒だから仲良くね?」
リューの脅しが効いたのか、ヤンキー女は真面目に働き出した。やっぱり強い者には弱いみたい。
ある程度大きい年長組にも手伝ってもらうことにした。
切った木を運んだり、枝葉を取って綺麗にしたり。獣人は身体能力が高いので、子供でもこれくらいの作業はできるようだ。
すでに狩りを経験しているということで、何人かはライオくんたち三人と一緒に猟に出てもらった。人数が増えたので今まで以上にお肉が必要になるもんね。
「おねーしゃん、おてちゅだい、しゅるよー?」
「しゅるよー?」
五歳前後の子供たちが自分たちも何かしたいとやってきた。えらいねー、じゃあ、おねーしゃんと一緒にがんばろーか。
畑のお手伝いをしてもらうことにした。雑草を抜いたり、作物を食べちゃうような虫を取り除いたり。無農薬だしね。
「ざっそー、いっぱいとれたのー」
「とれたー」
「みんな偉いねー」
「むしさんもいっぱいつかまえたー」
「つかまえたー」
「みんな偉いねー。でも虫さんはお姉ちゃんに見せなくていいから……」
それにしてまた畑が広がってない?
レオナちゃん、いつの間にか知らない山菜を採ってきては栽培をはじめちゃうからね。お陰でどんどん料理の種類も豊富になってきてるけど。
人数が増えたので食事を用意するのも一苦労だ。
例のごとくニャー族は料理が下手であまり戦力にはならないので、レオナちゃんと私で頑張るしかない。
「ここのごはん、いつもおいしい!」
「おかわりしていい?」
でもみんな美味しそうに食べてくれるので、頑張り甲斐がある。沢山作ってるから、いっぱいおかわりしていいよ!
そんな感じで新しい仲間が加わり、賑やかに過ごしていたある日のこと。
新しい家もすでに二軒ができあがって、今日には最後の一軒が完成しそう、もうひと頑張りだ、って感じでみんながいつも以上に張り切って作業を始めた、まさにそのとき。
突然、辺りが暗くなった。
さっきまで雲一つない快晴だったのに、急に雨雲でもやってきたのだろうか?
そう思って空を見上げて……戦慄した。
「ど、ど、ドラゴン!?」
怖ろしく大きなドラゴンが悠々と空を飛んでいた。
辺りが暗くなったのは、その巨体が太陽を隠してしまったからのようだ。
しかもこっちに向かってくる!?
ズドオンッ、という大きな地響きを立てて、ドラゴンが村の敷地内に着地した。その振動で身体が地面から五センチくらいは浮き上がったかもしれない。
めっちゃでかい。
全長はたぶん二十メートル以上あるだろう。尾の一部が塀を破壊して村の外に出ている。
そんな巨大生物が目の前に現れたなら、普通は悲鳴を上げて逃げ出すだろう。
なのにどういうわけか、その巨躯に魅入ってしまっていた。
信じられないくらい美しかったのだ。
陽光を浴びてキラキラと輝く桃色の鱗。それはまるで宝石のようで、このドラゴンは巨大な鉱物を削って生み出された宝石細工ではないかと思ってしまうほど。
でも空を飛んできたわけだし、間違いなく生き物だ。
赤みの強い大きな瞳が瞬きをしているし、吐いた息が熱風となって吹いてくる。
その視線がリューへと向いた。
『ようやく見つけたぞ、我が子よ』
「クルルルー?」
なんかそんな気がしてたけど、やっぱりリューの親だったよ!
ていうことは、このドラゴンが、冒険者くんたちが言ってた桜竜王? 世界に七体いるって言われてる伝説のドラゴンのうちの一体?
そりゃ伝説になるわー。
『何をしている。早くこっちに来るのだ。我はお前の親なのだぞ』
「ク、クルル~……」
リューは怯えたように後退り、そして桜竜王ではなく、私のところにやってきた。
そして、ぼくの親はおねーちゃんだもん! とでも言いたげに、鼻面を押しつけてくる。
桜竜王さんが私を睨んでくる。ひいいいっ!
『貴様……我の巣から卵を持ち去ったばかりか、我が子を誑かしたか……っ!』
いやいやいや、私、盗んでなんかいないんですけど!?
それ絶対あの奴隷商の仕業だよね!? 何やってんのよコンチクショウ!
「クルルル! クルルーッ!」
『なに? 違うだと? ふん、下等な生き物の仕業であることは変わるまい』
必死にリューが主張してくれたけど(よく通じたね)、どうやら桜竜王さんにとっては人間という種族は一括りで、個体を区別する気はないらしい。
完全に虫の類いと一緒の扱いやで!
『邪魔をするなら踏み潰すまでだ』
桜竜王がズンズンとこっちに向かってきた。
ひぃっ、殺される!?
「クルルゥーッ!」
リューがそうはさせまいと突進していく。
『ふん』
「クルゥッ!?」
桜竜王は横綱相撲よろしくあっさりリューを受け止めると、前脚で持ち上げ、放り投げてしまった。
強っ!? リューだって最近また大きくなって、全長は十メートルを超えてるってのに!
それがまるで赤子扱いだ。
実際、桜竜王からすれば子供なんだろうけど。
さらに、地面に叩きつけられて苦しむリューを、後脚で蹴り飛ばす。
「クルルルゥ~!?」
『少々躾が必要なようだ』
リューが鳴き声を上げるが、桜竜王は構うことなく攻撃を繰り返した。
めっちゃ体罰じゃん! ドラゴンの世界にもあるんだねぇ……って感心してる場合じゃない。
『我が子ならこの程度で泣くな。みっともない。やはり下等生物のせいで軟弱に育ってしまったか』
……なんかすっごいムカついてきたんですけど!
何なの、この毒親? 見た目は綺麗だけど、中身はクソじゃん!
卵を盗まれたって、それはあんたが大事な卵から目を離したからじゃん!
そりゃ盗んだやつも悪いだろうけど、あたしはそいつと関係ないし、ましてや産まれた子供に罪があるわけじゃないでしょ!
理不尽な責任転嫁すんなっての!
『……ほう』
……あれ? なんか桜竜王サン、めっちゃ怒気に溢れた目で私の方を睨んできたんですけど?
『下等生物ごときが、この我に説教をするか?』
え? ちょっ、もしかして私、今の全部、口に出しちゃってた!?
「ち、違うんです。今のはその、なんていうか……」
……いや、やめた。
どうせもう完全に敵認定されちゃってるし、今さら誤魔化しても仕方がない。
はっきり言ってやれ。
「そうよ! 間違ったことやってるやつに間違ってるって言って、何が悪いのよ! 桜竜王とか呼ばれてて偉いのかもしんないけど、あんたなんか、子育てもロクにできないアホドラゴンじゃんか!」
『っ……貴様っ、下等生物の分際で、我らドラゴンのやり方を愚弄するかぁっ!』
0
お気に入りに追加
3,732
あなたにおすすめの小説
あらゆる属性の精霊と契約できない無能だからと追放された精霊術師、実は最高の無の精霊と契約できたので無双します
名無し
ファンタジー
レオンは自分が精霊術師であるにもかかわらず、どんな精霊とも仮契約すらできないことに負い目を感じていた。その代わりとして、所属しているS級パーティーに対して奴隷のように尽くしてきたが、ある日リーダーから無能は雑用係でも必要ないと追放を言い渡されてしまう。
彼は仕事を探すべく訪れたギルドで、冒険者同士の喧嘩を仲裁しようとして暴行されるも、全然痛みがなかったことに違和感を覚える。
義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!
ユウ
恋愛
10歳の頃から伯爵家の嫁になるべく厳しい花嫁修業を受け。
貴族院を卒業して伯爵夫人になるべく努力をしていたアリアだったが事あるごと実娘と比べられて来た。
実の娘に勝る者はないと、嫌味を言われ。
嫁でありながら使用人のような扱いに苦しみながらも嫁として口答えをすることなく耐えて来たが限界を感じていた最中、義妹が出戻って来た。
そして告げられたのは。
「娘が帰って来るからでていってくれないかしら」
理不尽な言葉を告げられ精神的なショックを受けながらも泣く泣く家を出ることになった。
…はずだったが。
「やった!自由だ!」
夫や舅は申し訳ない顔をしていたけど、正直我儘放題の姑に我儘で自分を見下してくる義妹と縁を切りたかったので同居解消を喜んでいた。
これで解放されると心の中で両手を上げて喜んだのだが…
これまで尽くして来た嫁を放り出した姑を世間は良しとせず。
生活費の負担をしていたのは息子夫婦で使用人を雇う事もできず生活が困窮するのだった。
縁を切ったはずが…
「生活費を負担してちょうだい」
「可愛い妹の為でしょ?」
手のひらを返すのだった。
運命の選択が見えるのですが、どちらを選べば幸せになれますか? ~私の人生はバッドエンド率99.99%らしいです~
日之影ソラ
恋愛
第六王女として生を受けたアイリスには運命の選択肢が見える。選んだ選択肢で未来が大きく変わり、最悪の場合は死へ繋がってしまうのだが……彼女は何度も選択を間違え、死んではやり直してを繰り返していた。
女神様曰く、彼女の先祖が大罪を犯したせいで末代まで呪われてしまっているらしい。その呪いによって彼女の未来は、99.99%がバッドエンドに設定されていた。
婚約破棄、暗殺、病気、仲たがい。
あらゆる不幸が彼女を襲う。
果たしてアイリスは幸福な未来にたどり着けるのか?
選択肢を見る力を駆使して運命を切り開け!
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
虐げられた落ちこぼれ令嬢は、若き天才王子様に溺愛される~才能ある姉と比べられ無能扱いされていた私ですが、前世の記憶を思い出して覚醒しました~
日之影ソラ
恋愛
異能の強さで人間としての価値が決まる世界。国内でも有数の貴族に生まれた双子は、姉は才能あふれる天才で、妹は無能力者の役立たずだった。幼いころから比べられ、虐げられてきた妹リアリスは、いつしか何にも期待しないようになった。
十五歳の誕生日に突然強大な力に目覚めたリアリスだったが、前世の記憶とこれまでの経験を経て、力を隠して平穏に生きることにする。
さらに時がたち、十七歳になったリアリスは、変わらず両親や姉からは罵倒され惨めな扱いを受けていた。それでも平穏に暮らせるならと、気にしないでいた彼女だったが、とあるパーティーで運命の出会いを果たす。
異能の大天才、第六王子に力がばれてしまったリアリス。彼女の人生はどうなってしまうのか。
「僕は病弱なので面倒な政務は全部やってね」と言う婚約者にビンタくらわした私が聖女です
リオール
恋愛
これは聖女が阿呆な婚約者(王太子)との婚約を解消して、惚れた大魔法使い(見た目若いイケメン…年齢は桁が違う)と結ばれるために奮闘する話。
でも周囲は認めてくれないし、婚約者はどこまでも阿呆だし、好きな人は塩対応だし、婚約者はやっぱり阿呆だし(二度言う)
はたして聖女は自身の望みを叶えられるのだろうか?
それとも聖女として辛い道を選ぶのか?
※筆者注※
基本、コメディな雰囲気なので、苦手な方はご注意ください。
(たまにシリアスが入ります)
勢いで書き始めて、駆け足で終わってます(汗
【本編完結】幼女神の物見遊山観光記
小雨路 あんづ
ファンタジー
世界はいつだって気まぐれだ。
神様だって手を焼くくらい……。
この世界の創造主は「キメラ」と呼ばれ、神として崇拝されていた。
現在、その名を継いだ少女の名は…咲也子。
その日、咲也子はいつも通り自分の「才能」たちとお茶を楽しんでいた。
和やかな慣れ親しんだ時間……。
だがそんな空気も虚しく、突然「世界の気まぐれ」によって知らない場所へと飛ばされてしまう!
帰る方法はひとつだけ、「誰かが迎えに来るのを待つこと」。
それまで帰れない!?
神といえども(見た目的に)幼い非力な少女の運命や如何に!
しかし当の神様は呑気なもので。
気まぐれな世界の事など知らん顔だ。
出不精な彼女としては久しぶりの外の世界。
せっかくだし楽しんでいこうじゃないか。
思いっきり観光と洒落込むことにしよう、と。
百年余りも引きこもりっぱなしだった神様が、世界を満喫し始める!
そこで出会った<災厄>と不遇な名をつけられた心優しいモンスターとともに……。
先代の作った世界を生きる様々な人々に出会い、触れ合いながら。
迷宮に足を運んでみたり、
モンスターに挑んでみたり、
奴隷を買ってみたり、
自分の祀られている神殿に行ってみたり、
冒険者スクールに行ってみたり。
時々美味しいお菓子をつまみながら紅茶を飲んで、
のんびり気ままに小さな神様観光中!!!
冷徹女王の中身はモノグサ少女でした ~魔女に呪われ国を奪われた私ですが、復讐とか面倒なのでのんびりセカンドライフを目指します~
日之影ソラ
ファンタジー
タイトル統一しました!
小説家になろうにて先行公開中
https://ncode.syosetu.com/n5925iz/
残虐非道の鬼女王。若くして女王になったアリエルは、自国を導き反映させるため、あらゆる手段を尽くした。時に非道とも言える手段を使ったことから、一部の人間からは情の通じない王として恐れられている。しかし彼女のおかげで王国は繁栄し、王国の人々に支持されていた。
だが、そんな彼女の内心は、女王になんてなりたくなかったと嘆いている。前世では一般人だった彼女は、ぐーたらと自由に生きることが夢だった。そんな夢は叶わず、人々に求められるまま女王として振る舞う。
そんなある日、目が覚めると彼女は少女になっていた。
実の姉が魔女と結託し、アリエルを陥れようとしたのだ。女王の地位を奪われたアリエルは復讐を決意……なーんてするわけもなく!
ちょうどいい機会だし、このままセカンドライフを送ろう!
彼女はむしろ喜んだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる