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絶望

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「ありがとう。」
ただその一言だけだった。
「ね、ねぇ返事はくれないの?」と
僕が聞くと、彼女は寂しそうに
「考える時間をくれない?」
そう聞いてきた。
「わかった。いつまでも待つよ。」
その時、1枚の桜の花びらが散りゆくなか、
僕と彼女は少し景色を堪能して、
少し重たい足取りで帰路に着いた。

 僕が彼女に告白した次の日、
まだ入学したてなのに、彼女は休んだ。
僕は風邪でも引いたのかなと思って、
その日は何も考えていなかったんだ。

 そして彼女を見なくなってから
1週間がたった。
毎日LINEを送ったり、電話をかけたが、
何も意味なんてなかった。
僕はこの時初めて失恋と絶望をした。
何も考えられなくなった。
だって振られるだけじゃなく、
拒絶までされてしまったからだ。
僕は彼女の家の前に行っては、
何もせず帰る日々を続けた。

 いつの間にかクラスでも彼女の名前を
聞くことが無くなっていた。
最初の方はあれだけ可愛いとか
言ってたくせに、
僕は腹立たしく思った。
でも、この原因を作ったのは
間違いなく僕なのであった。
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