恋と桜が散る刻

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この物語は僕が君とお別れするための物語

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 僕は寿命が伸びた時にやりたかったことがある。
それは学校に行くことだ。
僕は病弱で中々学校に行けなかった。
それでも僕が学校が好きな理由は部活だ。
僕は文芸部に所属している。
文芸部は文章が読んたり書くのが好きな人が集まると
言われているが、僕達の文芸部は違う。
僕たちの文芸部の活動内容は主に雑談をしたり
ふざけたりしているだけだ。
そんなことをしている時の部活のメンバーが好きだ。
だから僕は部活のために学校へと行きたかった。

 そして、もう二度と行くことの無いと思っていた
学校へと足を運んでいる。
「久しぶりだね。翔太。」
「あ、あぁ。久しぶりだな。結衣。」
僕の隣を歩く彼女の名は中島結衣。
昔からの付き合いがある。
「ほんと急に姿を消してどこ行ってたの?」
「いや。そうだな。自分探しの旅だな。」
そんな言葉を信じるわけが無いか。
「こら!だめでしょ!!」
「…。え?」
「1人探しの旅なんて大人になったら
 出来るんだから。
 高校生の間でやる必要ないでしょ!!」
あ、こいつばかだ。あほすぎる。
「あぁ。すまない。」
「はぁ。ほんとまったく。」と
僕らは2人で楽しく会話をして学校へと向かう。

「ねぇ。あの告白覚えてる?」
「…。あぁ。覚えてるよ。」
僕が入院する前。
「好きです。付き合ってください。」と
僕は彼女に告白された。
その時の僕はもう自分は長くないことをわかっていた。
そのため僕は保留にしてしまった。
彼女の傷つく顔を見たくなかったから。
僕が付き合っても直ぐに死んでしまう。
それによって彼女は傷つく。
だが、僕が彼女にNOと答えても彼女は傷つく。
それが嫌だった。辛かった。
でも、僕はもう覚悟を決めないといけない。
だって僕の寿命は長くても桜が散るまでなんだから。

この物語は僕が君とお別れするための物語。
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