堕天の皇帝

復讐編

帰り

 俺は爆発のした方向へと向かう。
「ははっ。ほんとにバケモンだな。」
山がまるまるひとつ無くなっていた。
そして、そこには大剣野郎ではなく、
一人の男と女が倒れていた。
「翔太くん。殺すなら今だよ。」
「いや、無駄に殺す必要は無いだろう。
　それにもう結界はきえているだろ？」
「うん。そうだね。」
「ならシャルを探すのを優先しよう。」

 そして、数分間歩いてるとシャルが倒れていた。
あの爆風にボロボロになっていた障壁。
俺は少し嫌な予感がした。
「おい。シャル。大丈夫か？？」
俺は叫びながらシャルに近寄る。
「あーもーうるさいわねー。
　少しくらいゆっくりさせなさいよ。」
「なんだ案外ピンピンしてんじゃねぇか。」
「私を誰だと思ってるのよ。
　まぁ魔力は完全に切れてしまったけどね。」
「そうか。まぁ帰るか。」
「じゃあ行くよー！！」
俺とシャルはマリアに掴まりテレポートした。
そして、沖縄に帰ってきた。

「それでマリアはこれからどうするんだ？」
「私は翔太くんに着いていくよ。」
「色々不味くねぇか？」
「まぁ大丈夫でしょ。」
「それでシャルは？」
「その呼び方あなたにされるのは不愉快だね。
　まぁ私はそのまま仕事に戻るわよ。
　まだ終わってないしね。」
「そうか。じゃあな。」
「えぇ。次会うときはあなたを殺すからね。」
「それ前も聞いた気がするな。」
俺達とシャルは別々の方向へと歩いた。

「なぁ。マリア。」
「なんだい。翔太くん。」
「お前は俺を止めに来たのか？」
「いや？違うよ。」
「え？」
「私はただ翔太くんの近くにいたいだけ。
　君を守りたいだけなんだよ。」
「誰から？」
「それはまだ確証を持ててないの。
　だから、もう少しだけ待ってて。」
「そうか。わかった。」
そこから無言が少し続く。
そして、俺は口を開く。
「俺がまだ復讐をしようとしていたらどうする？」
「言った通り。私は止めはしないよ。
　それで少しくらいなら手伝ってあげる。
　まぁかほちゃんが相手になったら
　一目散に逃げさせてもらうけどね～。」
マリアは少し笑いながら喋る。
「そうか。その時は頼んだ。
　まぁ復讐はもうしないがな。」
「君も少しは大人になったんだね。」

 俺たちは今の俺の拠点である旅館に着いた。
そして、異変に気づく。
「靴の跡？」
俺は普段は綺麗な旅館の廊下に
靴の跡があるのを確認する。
そして、旅館の中庭を確認すると。
そこには血だらけで倒れている海斗の姿があった。