堕天の皇帝

key

文字の大きさ
上 下
126 / 164
復讐編

潜入

しおりを挟む
「案外簡単に侵入することができたな。」
「迎え入れたって言った方が正しいだろう。
 つまり、迎撃の準備が出来ているってことだろう。」
「あぁ。そうだな。」
「ならどう行動する?」
「俺とミュラーは左に行くさ。
 お前は右へと行け。」
「僕を殺さなくてもいいのかい?」
「潜水艦アルゴノートとはいえ、
 たかが船だ。いずれ会うさ。」
「そうかい。なら健闘を祈るよ。翔太。」
「お前は死んでくれてもいいからな?」
「やっぱり当たり強すぎないかい?」
その言葉を俺は無視をして立ち去った。

 翔太。君は気づいているのかい?
僕は君の目的を知っている。
君は誰かを助けに来たんだろ?
だって君の目は。君の今していた目は。
君が誰かを助ける時にしていた目だ。

 俺たちは走っている。
早く優斗を探し出さないとな。
こんなとこさっさと抜け出したい。
俺は無駄にでかい扉を開ける。
そこには柱が何本か立っており、
無駄に広い空間が拡がっている。
「…。ミュラー。」
「なんでしょうか。司令官。」
「お前は先に行け。」
「ですが。いや。わかりました。」
ミュラーは俺の言葉を聞くと、先へと進んだ。
バァンと鳴り響く銃声。
俺は首を傾げてそれをかわす。
「ほぅ。さすがオリジナルだな。」
「誰だ。お前。」
1本の柱の奥から出てきたのは。もう1人の俺?
「誰だか。ははっ。俺はお前だよ。西宮翔太。」
俺には瓜二つの男がそこに立っていた。

 翔太。君のことはなかなか気がかりだね。
いったい何をしたいのか。まぁ今は考えても仕方ない。
僕は僕のやるべきことをしよう。
ツァーリ・ボンバを探さないとな。
「あなたの捜し物は見つかりましたか?」
「残念だけど、まだ見つからないよ。
 それで、教えてくれないかい?
 ツァーリ・ボンバの場所をね。」
「それを私が教えると本気で思ってるの?公安さん。」
「なら戦うしかないね。歴戦の覇者さん。
 いや、エレナさん。」
「ふふっ。デートのお誘いかしら。」
「戦いをデートだなんてね。
 よほどの戦闘狂なんだね。」




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

年増公爵令嬢は、皇太子に早く婚約破棄されたい

富士とまと
恋愛
公爵令嬢15歳。皇太子10歳。 どう考えても、釣り合いが取れません。ダンスを踊っても、姉と弟にしか見えない。皇太子が成人するころには、私はとっくに適齢期を過ぎたただの年増になってます。そんなころに婚約破棄されるくらいなら、今すぐに婚約破棄してっ! *短篇10本ノック3本目です*

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

剣を交えて

嘘月善人
青春
中学のときの出来事により部活に入ることを戸惑っている者、剣道未経験者、身体の故障を抱えながら挑む者、様々な思いを抱えながら、それでも目標に向かって突き進んでいく。 これはそんな羽木高校の剣道部員たちによる青春物語。

転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~

桜月雪兎
ファンタジー
祖父に勘当された叔父の襲撃を受け、カイト・ランドール伯爵令息は幼い弟妹と幾人かの使用人たちを連れて領地の奥にある魔の森の隠れ家に逃げ込んだ。 両親は殺され、屋敷と人の住まう領地を乗っ取られてしまった。 しかし、カイトには前世の記憶が残っており、それを活用して魔の森の開墾をすることにした。 幼い弟妹をしっかりと育て、ランドール伯爵家を取り戻すために。

あれ?気づいたら俺を追放したSランクパーティーが崩壊してて、逆に温かく迎え入れてくれたAランクパーティーがSランクに昇格していたんだが?

taki210
ファンタジー
「アルト。今日限りでお前をこのパーティーから追放する」 「理由は?」 「お前が役立たずだからだ」 「…そうか。そんな風に思ってたんだな」 「あとそれから、もうお前の装備は全部売ってあるから」 「な…っ!外道が!!」 「はっはっはっ。その顔が見たかったんだ。これでしばらくは遊んで暮らせるぜ」 ある日、役立たずの烙印を押されてSランクパーティーを追放された支援職のアルト。 そんな彼は、実力を認められ、実力派のAランクパーティーに加入することになる。 「ご、500メートル先まで索敵できる探知魔法とか聞いたことないんだけど!?」 「何だこの支援魔法…!?体が嘘のように軽い…!!」 「魔法強化と物理耐性の両方を同時に付与するの!?」 「こいつを追放したSランクパーティーはバカなんじゃないのか…?」 アルトの支援職としての埒外の優秀さに驚くメンバーたち。 だが、アルトはずっとそれが当然だと思っていたために、彼らが何に驚いているのか全く気づかないのだった。 「え?俺、何かおかしなことしたか?これぐらい普通だよな…?」

異世界体験テーマパーク:アリウェルランド

とうもろこし
ファンタジー
日本にオープンした新テーマパーク、アリウェルランド。 ここでは来園した者は異世界の住人に扮して、まるで異世界転移したような体験が満喫できるという。 テーマパーク内では異世界人を象徴する異種族達がキャストとして働き、雰囲気は異世界の街そのもの。 キャストである異種族は特殊メイクであるとは思えぬほどのリアルさ。 来園したお客は冒険者になって実際に魔獣を狩る、冒険者活動と称される体験が最大にして唯一のアトラクション。 アトラクションに登場する魔獣は実際に生きているように動き、冒険者に扮したお客は魔法すらも使う事が可能となる。 転移・転生なんてしなくても異世界に行ける。 それがアリウェルランド。 ただ、本当にここは異世界と何も繋がりがないのだろうか? ※なろうでも掲載中 10万字程度までの短編です。

余寒

二色燕𠀋
歴史・時代
時は明治─ 残党は何を思い馳せるのか。 ※改稿したものをKindleする予定ですが、進まないので一時公開中

不思議な男の子

千夜 すう
恋愛
とても短い。片想いになった話です。 設定は初々しい高校1年生

処理中です...