堕天の皇帝

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復讐編

魚雷

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 約200ノットのスピードで向かってくる
水中ミサイルをスコープ越しに視認する。
ちっ。速いな。当てれるか?これ。
やるしかねぇか。
俺は再度スコープを覗き、
約300mまで近づいてきた瞬間、
俺は引き金を引いた。バァン。
鳴り響く爆発音。轟音を立てるのだが、
ちっ。やべぇな。
ミュラーが放った弾丸しか当たらなかった。
俺はその場で直ぐにスピンコックするが、
バァン。と1つの銃声。そして、また爆発音が鳴り響く。
俺はミュラーの方を見る。
そうすると。ミュラーはとびっきりの笑顔を
俺に向けて、話す。
「さすがに慣れてないスナイパーでは、
 魚雷は難しいですよね。」
いや。普通は当てれねぇからな。
「下手くそだね。翔太。」
「あ?次はお前の眉間を撃ち抜くぞ?」
「司令官を馬鹿にするな。
 風穴を空けられたくなかったら。」
「ほんとに物騒な集団だね。」

 バァンバァン。
その度に鳴り響く轟音。
俺はボートの上でゆっくりとしていた。
あの後も何度か挑戦してみたのだが、
当たる気配がなかったので
全てミュラーに任せることにした。
「そういや、和樹。」
「ん?なんだい?」
「どうやって潜入する気だ?」
「それは君たちのそれを使おうかな。」
少し後ろを向いてヒートチャージに目線を向ける。
こいつ1人で潜入するんだったら、
どうやって入るつもりだったんだよ。
そんな感じで雑談をしていると、
ミュラーが苦虫を噛み潰したような顔をして
「あれは。少し。」
ミュラーは焦っていた。
俺は視力を強化して、2km先の魚雷を見つける。
「ホーミング魚雷か。あれは厳しいな。」
6つの黒い鉄の塊が向かってきている。
突然6本か。いよいよ本気で殺しにきたってことか。
どうしようか。ホーミングの時点で確実に被弾する。
フレアも何も無い水上バイクだからな。
「ミュラーちゃん。それ貸してよ。」
水上バイクの運転をしている和樹が
ミュラーに話しかける。
「ちゃん付けをするな。気持ち悪い。
 あと絶対に貸さない。」
「そう言わないでさ。」
和樹はミュラーからウィンチェスターを取り上げる。

 速度は約250ノットか。
スクリューは4枚。距離は後2kmってことか。
爆発範囲とあの位置取り的に。
「3発でいける。」
「は?お前は何を言っている。
 あれはウィンチェスター如きじゃ、
 装甲を貫通するどころか弾かれるだけだぞ。」
「まぁ見てなって。」
3、2、1、ファイヤ。
僕の放った銃弾は狙い通りに飛んでいく。
そして、狙い通りのタイミングで
スクリューにヒットする。
ホーミング魚雷はゆらゆらと揺れながら、
もう片方のホーミング魚雷にぶつかる。
そして、爆発音と共に2つとも破壊される。
同じように残り4つも破壊する。

「ふぅ。ミッションコンプリートだね。」
ドヤ顔でこちらを見てくる和樹。
「私だってこれくらい出来たわよ。」
「褒めてくれたっていいんじゃないかな。」
そう言いながら和樹は俺に視線を向ける。
「は?何調子乗ってんだよ。気持ちわりぃ。
 俺にだってあんな程度できる。」
「いくら何でも僕にだけ当たりが強くないかな。」
はぁ。知らねぇ知らねぇ。

「あれでも落ちないんだな。」
「そうね。意外だわ。」
「ならもういっその事迎え撃つのはどうだ?エレナ。」
「うーん。そうね。そうしましょうか。翔太君。」
「ははっ。やっとオリジナルとのご対面か。
 お前を殺して俺がオリジナルになってやるよ。」
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